新宿の主治医の所へ行く朝、ぎっくり腰がだいぶ治っていたものの、長時間の電車に耐えられるかなと心配になりました。が、車内の椅子に座れたのでなんとか辿り着くことができ、いつものように先生にご挨拶。そして、ぎっくり腰になった話をすると驚かれて。「何か重い荷物でも持ったの?」必ず聞かれるこの質問!と思いながら返事をさせてもらいました。「掃除機をかけていたらいきなりぐぎっとなったんです。多分前日にストレッチを強めにやってしまったから。」「ああ、なるほどね~。」「手術で卵巣を摘出してから、筋力が一気に衰えたのだと思います。」「でも、全摘出じゃなかったよね?」「片側の半分だけ残してもらったんですけど、検査で結局女性ホルモンがほとんど出ていないことが分かりました。」「ええ~。そうしたら更年期症状に効く漢方もあまり効いていなかった可能性があるよね?更年期って徐々になっていくものだから、あの漢方は効きやすいんだけど、手術で生理が止まって一気に変化が起きたとなるとあまり効かなかったりするんだよ。」いやいや先生、この会話何度かしましたってと笑いを堪えるしかなくて。もしかしてプラセボ効果か?!先生が試行錯誤しながらいろんな漢方を選んでくれた中で、最後に処方されたものがビンゴでそれに助けられていますよと思いながら伝えました。「今のがいい感じで効いてくれています。」そう話すと安堵され、主治医の天然ぶりに和ませてもらいました。そして、お礼を伝え、席を立つと言われて。「動きがロボットみたいなんだけど!腰まだ痛いよね。湿布でも出そうか?」半笑いで言ってくれるのでこちらも笑ってしまいました。「大丈夫です。ありがとうございます。」人の心の動きを診る医師、その笑顔があれば大丈夫だね!先生の気持ちは受け取った。支えられるってこういうことなのだろう。
新年度に入り、息子は長傘と折り畳み傘を壊し、自転車は盗まれ、私はぎっくり腰で、なかなかのスタートだなとその状況を面白がっていると、ふとマブダチK君との会話が耳に聞こえてきました。父が実家を出て少し経った頃、彼から遊ばないかと連絡をもらった時だったか、今回は用事があると伝えたことがあって。「今日ね、お父さんちに郵便を届けに行かないといけないんだよ。ある程度溜まったら渡す約束をしていて。」「転送しろよ!なんでSがそんなことまでしなきゃいけないんだよ。そんなもん、おじさんが予め転送の手続きをしていたらいいことだろ。せめて、自分で取りに来いよ。」26年も前の会話なのだけど、転送しろよ!という言葉に改めて笑えてきて、彼は本当にいつも直球しか投げてこなかったなと懐かしくなりました。その会話にはまだ続きがあって。「お父さん銀行員だし、別居とか職場に気づかれたらまずいのかも。」「郵便ぐらいじゃ分からないだろ。大体な、おじさんの彼女に遭遇したマンションに、郵便届けに来いとかそういう神経が俺にはよく分からないんだよ。Sの気持ちを考えたらとてもじゃないけどそんなこと言えんぞ。」「そこまで考える余裕がないんだと思う。」「だったらSが傷ついていいことにはならない。なんだかいっつもお前の気持ちが蔑ろにされる。みんな自分のことが優先、Sは嫌な役回りばかり。そういう人がいてくれるからなんとか家族が保たれているのかもしれないけど、俺からしてみたら一回壊れてみろって思うんだよ。そうじゃないと誰もSの苦しさに気づかない。」今になって分かったかもしれない、私は自分の本当の気持ちを奥に閉じ込めていただけじゃなかった。K君は受け皿になろうとしてくれていたから、辛さを薄めることができた。傷みに麻酔をかけた、何度も何度も。痛いと感じてもいいと思う時が来たら、麻酔をゆっくりといてみようかなと。できればその傷さえなかったことにしようと思った、でも彼は私の傷みと正面から向き合ってくれた。じんわり、優しさが一番奥から溢れ出すのはこんな時。物理的なことじゃない、そばにいてくれてありがとう。
保護者会に不参加だったので、息子が資料を持って帰ってきてくれました。すると、2年生は東京都内をグループに分かれて散策するという日帰りの行事があることが分かって。自分が中学生の時、名古屋市内を班に分かれて散策する日があり、みんなとプラネタリウムを見てワクワクしました。大人がいない中で電車を乗り継ぎ、右じゃね?左じゃね?と右往左往しながら、他の班とも合流し盛り上がった日が蘇ってくる。夏服だったな。名古屋市科学館、もう一度行ってみようか。そして、さらに他の資料を読んでいたら、3年生の修学旅行は羽田空港から広島へ飛行機で行くことが分かりました。息子と家を出て、まだ籍だけ入っていた夏休みに、二人で旭川まで飛行機で行った日のことが思い出されて。それは、私を信じ一緒に家を出てくれた息子へのお礼の旅でもありました。一緒に飛んでくれてありがとう、言葉にするのも難しいぐらい、沢山の想いが詰まった三日間でした。一緒に見た旭山動物園の白くまゆめちゃん、今どうしているだろうか。息子が来年、また飛行機に乗った時、その時のことを思い出してくれたらいいなと思いました。二人で歩いてきた時間がある、重ねてきたいくつもの思い出がある、それは決してなくならない、心にそっとしまわれていくものなのだと。もし体調不良で修学旅行に行けなかったとしてもお母さんが連れて行く、だから気負わないでいてねと伝えたい。息子の世界がじわりじわりと広がってきました。新しい自転車をゲットし、喜んで夕方にサイクリングに行ったかと思ったら、友達と会っていよかんをもらったと持って帰ってきて大爆笑。よく見ると袋には、クッキーとチロルチョコも1個ずつ入っていました。会わなくても分かる、あたたかい子なのだと。親として人として勇気をもらっているのは、私の方なのかもしれない。