シェアオフィスで仲良くさせてもらっている不動産関係のお仕事をされていたHさん。彼が、前にスタッフさんとして働いていた女性と、オフィス会員の男性と登山部を作り、活動していることが分かり誘われてしまいました。治療中のこともあり、笑いながら断ったのですが、毎日をとても楽しそうに生きているHさんを見ていると、いいものが自分の中にも流れ込んでくるようでスキップしたい気持ちになります。そして、息子と野球を楽しんでいる時、ふと思いました。『さくらdeカフェ野球部』を募ったら、ポジションが全部埋まってくれるんじゃないかと。息子のライトと私のピッチャーは補欠、読者さんだけでベストナインが揃うのではないかと思ったら、楽しくなってしまいました。ユニフォームの色やデザインはどうしよう。デザイナーさんがいてくれたら丸投げするなんてどう?憧れだった野球部のマネージャーが実現したら、素敵。
そんな妄想を勝手に楽しんでいる日常の中で、珍しく息子が二週連続野球の練習に行くと言ってくれたので、玄関で送り出しました。「今日は見に来ないでね!」「はいはい、落ち着かないと思うから止めておくよ~。」そう言ってハイタッチしてお別れ。その後、買い物に行こうと少し遠回りをしてグラウンドを通過すると、今年から背番号『13』になった息子が、バックネット裏でコーチのトスからマンツーマンでバッティングの指導を受けていて、胸が高鳴りなりました。何かを言われながら、ひたすらスイングするその背中は大きく、フォームがどんどん様になっていく姿に心の成長も感じました。父性を感じさせてくれる野球チームは、息子を驚くほど大きくさせてくれるような気がして、彼の持つセンサーを思う存分発揮してくれたらいいなと願わずにはいられなくて。叱咤激励してくれる愛、諦めない気持ちを大切にしてくれる人達、辞めるかもしれないと思った息子がチームに合流した時、どれだけ嬉しそうに迎えてくれたことか。ほんの一瞬自転車で通過しただけなのに、戻ってきた部員の力を伸ばそうとしてくれているコーチの優しさに熱くなりました。まだ、幼稚園の年長だった男の子がいつの間にか小学校高学年になり、ひたすらバットを振る姿に喜びを感じてくれているんだろうな。グローブも新調したよ、何もかもが一回り大きくなっていく。
母の精神状態がまた悪化してしまい疲弊していたここ最近、父にメッセージで状況を伝えておきました。その後、息子と両親宅へ向かう途中、のんびり自転車を漕ぎながらこちらにやってくる父を発見。「お父さん、迎えに来てくれたの?」「おう、ポケモンやりながらな。」そう言って、何事もなく両親のマンションに到着し、私が母に気を使いながら挨拶すると父が微笑んだのが分かりました。その日は、プログラマーMさんとミーティングの日、母と私を接触させないように息子を預かろうとしてくれたことが分かり、じわっとこみ上げて。何も言わないから分からないし、照れもあってポケモンやりに来たんだぜみたいな雰囲気を醸し出すし、まともに会話もないまま部屋に戻るからさっぱり気づかなかったのに、父が微笑んだ時全ての行動が頭で繋がりました。こんなことぐらいしかやれないけど、薄い壁かもしれないけど、何かあったら間に入るから。父のそんな気持ちを感じ、曲がらなかった一端に気づけた気がしました。父との親子関係、一割ぐらいかもしれないけど、こんなひとときに守られていると感じ、子供でいられたんだなと。物心ついた時から、そこにあった野球。甲子園もプロ野球もいつもテレビは点いていて、野球のルールを覚えたら父とコミュニケーションが取れる気がしました。片手で数えるほどしか教えてもらわなかったキャッチボールもバッティングも、球場に誘ってくれたことも、そのすべての時間が私の体に染みつき、自分の中に流れていきました。そんな経験が、息子と二人暮らしになってこんなにも役に立ってくれるなんて。「ママ、キャッチボール100回超えるまで今日は帰らないよ!」「え~!日が暮れちゃうよ。」「だめ!超えなかったら学校休むから。」「キャッチボールで100回超えないので学校休みますって伝えたら、先生びっくりしちゃうよ。」「いいの!絶対超えるの!!」野球の練習で、どんだけメンタル鍛えられているんだと半笑いしながら本気のキャッチボールが待っていました。「97、98、99」そう言って息子に投げるとやや下目になり、まさかの落球。「うそ~!!」と二人で膝から崩れ落ち、ゲラゲラ笑い転げてしまいました。こんな瞬間は、小さな私にカラーボールを握らせてくれた父との時間から始まっていたのではないかと思うと、堪らない気持ちに。引っ越し前、ママのグローブがない!とひと騒動のグローブ紛失事件。サッカーボールやラグビーボールにまぎれて、一番下の袋に入っていたイチローモデルの左利き用グローブは、23歳の誕生日に義兄がプレゼントしてくれたものでした。20年近くもそばにいてくれたのだと思うと、色褪せた青のグローブに愛着が湧いてきて。野球というスポーツが色んなものを繋げ、そして息子と私の絆を深めてくれるのだと思えたら、少し吹っ切れそうな気がしました。その後、100回超えたかって?小雨が降ってきて、周りが撤収し始めても止めようとせず、116回まで記録更新して本気で歓喜した後、慌てて帰りました。毎週月曜日は左肩が筋肉痛、そんな日がいつまで続くやら。
「どうしてまた野球へ行く気になったの?」「同じクラスの○○君が入ったんだよ。ボクとキャッチボールしたいって言うから。」誰かの為に。息子らしいな。退部する時は彼の判断に委ねることにしよう。後悔のない選択がきっと次に繋がっていくから。三安打の猛打賞、それでも紅白戦で負けてしまったよう。「だってね、人数が今日は足りなくて相手チームにコーチが一人入ったんだよ。そりゃ負けるよ~。」と教えてくれて大爆笑。彼のワクワクがどんどん膨れ上がっていく。気持ちよくセンター前にヒットが打てた日。そんなひとつひとつの時間を、大人になっても忘れないでいて。