夢の実現 大阪編

大阪二日目の朝、なかなか寝付けずまさかの睡眠不足二連チャン。やってしもた~と思いつつも、息子を起こし朝食ブッフェへ向かいました。すると、朝からたこ焼きがお皿に並べられていて二人で大盛り上がり。ご当地の物を用意してくれるってやっぱり嬉しいね。旭川の時は旭川ラーメン、仙台の時は牛タンカレーやずんだ餅が朝からありました。そして今回の旅は、息子のひと言で目的地が決まって。「ママ、ボクね、UFJに行きたい!」「それなら駅前にあるわ!!」と思いっきり突っ込むと、「あっ!USJだった!」と照れながら訂正していて、一緒に笑ってしまいました。お母さんも行ったことがないから冒険しようとテンションが上がったものの、日々の不調と炎天下の人ごみの中を歩くのは不安で、Mさんに予定を聞いてみると、快く日程を合わせてくれてほっ。そんなこんなで朝食ブッフェをモリモリ食べ、息子の夢の国へ向かうことになりました。帽子嫌いな彼、暑いからそれは必ず身に着けるという約束をすると、ヤクルトクルーのキャップなら被ると言ってくれて。そして、合流したMさんが伝えてくれました。京セラドームでヤクルト対阪神の3連戦がやっていて、ちょうど全く同じ期間に大阪で試合をしているよと。なんだか、いい一日の予感。

大阪駅から電車に乗り、ユニバーサルシティ駅を降りるとすでにすごい人で驚きました。USJの入り口を通過すると、息子がずっと行きたかった景色が広がり、その感動が伝わってきて。本当に辿り着いたんだな。それから、コナン君のショーを見て、ミニオンのハチャメチャライドに乗り、ランチを挟んで、マリオの世界へ。バンドを付けてマリオカートに乗った後、沢山のブロックをジャンプしコインをゲット、その時睡眠不足からくる頭痛に襲われ、二人に並んでもらい、座れるスペースで少し休ませてもらうことにしました。聞き慣れたマリオの音、行き交う人達の声が聞こえていた中で、ほんの短時間だけ目を閉じ眠りに落ちたような気がして。目を開けると、少し頭がすっきりしたのか、いろんな気持ちが巡りだしました。母に言われた言葉が小さくチクリ。「お姉ちゃんは体が丈夫だから、二人産めたし、家事も仕事もできる。あなたは体が弱いから一人しか産めなかった。」のだと。常に比較され、なんでそんなことを言うのだろうと思うこと、沢山あった。それでも、祖母が大切なことを私に教えてくれていて。おばあちゃんは、常に頭が痛いと言い乳がんと闘っていた、体の弱さは心の弱さではなく、それは決してイコールではなく彼女のハートは強く優しかった。隣にいるだけで幸せな気持ちにさせてくれる、そんな人でした。祖母にはあまり欲を感じなくて。そこにあるなんでもない日常を、そっと抱きしめていたおばあちゃんの気持ちを思った時、USJで泣きそうになりました。彼女は、人を否定するようなことは決してなかった、その想いに今でも救われているのだと。
ふと視線を戻すと、汗だくになった二人が、いい表情で戻ってきました。優しい息子と、最良のビジネスパートナー、体が思うように動かないのだけど、こんな日は特に感謝だな。それからも、ヨッシーの乗り物に乗り、ハリーポッターのライドに乗り、ぬいぐるみを買って、へとへとになった私と息子の写真をUSJバックに撮ってもらいました。色褪せない沢山の記録物。その後、ユニバーサルシティ駅を出て、西九条駅で乗り換えると隣にいたビジネスマン二人の声が聞こえてきました。「今日は、やけに混んでいるな。何があったん?」そう言って息子の方をちらり。「ああ、野球か!」いやいや、違う違う。京セラドーム帰りじゃありませんよ、USJ帰りです。と心の中で訂正しつつ、笑えてきて。どれだけみんながキャラクターのアイテムを身に着けていても、息子はUSJの中でずっとヤクルトキャップを被っていて。ヤクルトファンでいることは、大阪に行っていても彼の誇りなのだと思いました。そして、ビジネスマンの方達の会話は続く。「この間、どんだけ乗ってくんねん!と思ったらコンサート帰りだったんだよ。」このコテコテの大阪弁、なんだか懐かしいな。そんなほっこりした電車の時間もあっという間で、大阪駅に着き、Mさんにお寿司をご馳走になるとたこ焼きも商品にあり、喜んで注文。1年分のたこ焼きを食べ尽くしたなと嬉しくなりながら、ホテルのエレベーターに乗り込もうとすると、すれ違ったのは男性の阪神ファンの方達でその巡り合わせに笑ってしまいました。一日の最後に会ったのは、ヤクルト戦を観に行っていた京セラ帰りの阪神ファン、息子が引き寄せたのかもしれないな。

エクスプレスパスがなければ、USJの中でどうなっていたかな、とりあえず無事に戻ってこられて良かったと、散々息子と盛り上がった深夜。寝る前になり、彼が夜景を見て手を振り言葉が聞こえてきました。「バイバイ大阪。今日で最後の夜だけど、また来るね。」街の景色に語り掛けるような、約束しているような、あたたかいひとときでした。掴んだものは、コインだけじゃなく、もっともっと溢れる想い。連れて帰ってきたハテナブロックとルイージやヨッシーと就寝。ラスト一日、どれだけの気持ちを持って帰ってこられるだろうか。