遠投を待ちわびて

息子を学校の途中までお迎えに行くと、汗だくになって帰ってきました。「暑そうだね!何やってきたの?」「クラブの日だったんだよ。今日はタグラグビーも最初にやったの。その後、800mを走ったんだ。楽しかった~!」ととても充実した表情で嬉しそうに話してくれました。陸上を選択したのに、思いがけずラグビーもやらせてもらい、親子で感激。陸上の先生とは学年も違うし、接点がないんだよな。でも、オフの日に走っている先生と挨拶をさせてもらったことがあるから、また会えたらいいな。実はご近所さんだったりして。タグラグビーの後に、800m走という中距離を選んだ先生のセンスの良さを感じました。みんなと共にボールを追いかけ、結束が強くなったところで、孤独な戦いへ。息子よ、中距離のペース配分は難しい、全ての時間がきっと肥やしになるから。卒業までその一歩を大切にして。

プログラマーMさんの仕事仲間であった技術営業のFさんが、1000記事到達のお祝いとお礼のメッセージを送ってくれました。読む前から涙が溢れてしまって。これまでどれだけの想いを伝えて頂き、励まし続けてくれたか分かりません。ご自身もコロナ禍で大変な時に、会ったこともない私に沢山の気持ちを届けてくださいました。その時のことを思い出し、文面を読む前からポロポロ泣けてきて。私はもしかしたらこのサイトを通し、Fさんとずっと遠投をさせてもらっていたのかもしれません。だから、どんな球が返ってくるのかもう分かっていたのだろうと。『サイト公開以前からさくらいろさんの経験を集め、価値として成長を続けていることがよくわかります。時間をただ過ごすのではなく、意味あるものにするその思いが伝わってきます。苦しい時期に向き合うことは勇気が必要ですが、その勇気がこのサイトの真の価値を形作っているのでしょう。これからも様々なことがあると思いますが、くれぐれもお身体を大事にして活動を続けてください。』他にも深い心を渡して頂きました。言葉にするのもなかなか難しい程の気持ちです。
2017年の冬から春にかけて、真剣に自分と向き合おうと思い、カウンセリングに通いました。すると、担当になってくれたのはおそらく自分よりも若い、男の臨床心理士さんでした。いい意味でとてもシンプルな方だな、そんな印象を受けました。その先生に、複雑な私の心境をどんと伝えて重くないだろうか、専門家の方を目の前にしても、いつも聞き役だった自分が胸の内を話すのは難しいなといろんな意味で凹んでしまって。すると、最初のセッションの最後に伝えてくれました。「○○さん、ちゃんとしているんですよ。でも次はもっと感情を出してくださいね!」と。私が言葉を選んでいることを思いっきり見抜かれていて、一緒に笑った時、肩の力がふっと軽くなる感覚がありました。ああ、奥にある辛さ、出してもいいんだなと。そんな時に、書くという仕事をやってみないかと声をかけてくれたMさん。沢山の話をしました。私のように、自分の胸の内で収めようとしている方が沢山いるのではないかと。専門家の方の前でも、何をどう話せばいいか、これまでいろんなことがあって、それこそ思い出したくもないこともあって、それを掘り下げる作業ってなかなかしんどいなって思った。言葉にしてこなかった感情が沢山ある。起こった時から、もう大丈夫って上がった後の結論ではなくて、その途中でどんな気持ちになって、どう上がったらいいか分からなくて、でも頑張りたくて、そのプロセスを私は知りたいし、だからそれを書きたい。その途中で出会っていく方達にきっと助けられていくし、今もそうだから。“人”を書きたいんだ。そんな話を聞いてもらった後、7回目のカウンセリングで先生が伝えてくれました。「○○さん、あなたはもう大分わかってらっしゃる。最後は自分で答えを見つけてください。それがあなたにとって何よりのカウンセリングだと思いますよ。」そう言って、あっさり突き放されてしまい、その顛末を後からMさんに話すと一緒に笑ってくれました。「記事を書きながら答えを見つけるよ。それが読んでくださる方の気づきにもなって頂けたらと思う。」これが始まりでした。だから、1000記事目の景色が本当に綺麗で、その気持ちをFさんが感じ取ってくれたことに胸がいっぱいでした。私のことを全く知らないFさんがこのサイトのみで読み取ってくれた想いは、読者さん達も同じなのかなと思うと、堪りませんでした。

そして、7月で7年経ちました。これはFさんがサイトの日付を見て伝えてくれたので、それまでこちらもすっかり忘れていて。私にとっては通過点、でも毎年Mさんも7月になると感謝を伝えてくれて、このサイトは沢山の方達に支えられ今があるのだと改めて思っています。大学図書館で勤務をしていた頃、男性の上司がよく言っていて。「真心のサービス、ひと言添える図書館サービスを心掛けてほしい。IT化が進み、便利な世の中になったし、これからもっとなっていく。もしかしたら、司書の数も減ってしまうかもしれない。でも、図書館には人のぬくもりを求めに来てくださる方もいると思う。どんな時代になっても、そのことは忘れないでほしい。利用してくれてありがとう、来てくれてありがとう、ゆっくりしていってください、そんな気持ちを忘れないでいよう。そうしたら、きっとその雰囲気が広がるから。」上司が伝え続けてくれたことを今度は『さくらdeカフェ』へ。Fさん、どんな時も同じ温度と優しさで遠投をしてくれてありがとう。人にしかできない仕事、私も頑張ります。Mさんにもすごいと言ってもらえたのですが、私にはネット世界のこと、よく分かりません。そのど素人感がいいのかも。エピローグはどんな景色が広がり、何記事目になっているのだろう。今日も、ここに来てくださる全ての方へ、会いに来てくれてありがとう。