小さなサービス

最近は、できるだけ電車に乗って冒険をしようと思っていたのですが、生憎の雨で結局市内を車で運転して一凛珈琲へ。意識していないと、本当に人との会話が減ってきたなと思っていたら、最後の最後で、すっかり顔なじみのもう一人のスタッフさんがひと言。「また息子さんといらしてくださいね。いつでもお待ちしています。」嬉しいですね、ウェルカムな感じが。春休みに5キロ程あるサイクリングを二人で楽しみながら、息子と来たことを思い出してくれたよう。それはね、多分仕事としてだけでなく、プライベートで来てくれたことを喜んでくれた証拠。

大学図書館にいた頃、書庫出納(利用者の方が本の請求記号などを記入して、カウンター職員に渡し、本を取り出してもらう仕組み)の場合、用紙を持って書庫内を走り回っていました。図書館ガイダンスを受けた学生さんは書庫に入ることも可能だったのですが、用紙を渡されることも多く、バタバタしながらカウンターに戻ると、白鳥のようだなと笑えてきて。水上では優雅に見えるのに、水面下ではバシャバシャやっている姿がなぜか重なる。息を切らしながら何冊も抱えて学生さんの前へ行き、その場で見てもらい、ささっとめくって、「やっぱりいいです。」とあっさり返される時は軽く凹むことも。でも、こちらが急いだ様子に気づき、「わざわざありがとうございました。」と会釈をしてくれた学生さんもいて、そんなひと言に足の疲れも吹き飛びました。本当にちょっとしたこと。それに気づくか、気づかないか。そんな気持ちにありがとうを返したいです。

シェアオフィスを利用した時は、せっかくなので、ぐるっと他の部屋も回ってきたら、冷蔵庫も電子レンジも、自販機もあり、そんなサービスに嬉しくなっていて。今度来る時は、カロリーメイトを持ってこようなんて思っていたら、自販機で売っていて感激。集中したいと思うこちらのことを考えてくれての設置、本当に有難いです。

楽しそうに毎日帰ってくる息子に、図書室の場所を聞いてみると、「ボク、まだ行っていないから分からないんだよ~。いつも休み時間は外で遊んでいるから。」なるほどなるほど。超アウトドア派だな。でも、お風呂に入る前の絵本を楽しみにしてくれているよう。息子よりも、私の方がいつまで続くかな。随分昔に読んだ絵本を引っ張り出し、こちらが気づいていなかった何でもない絵に感想を述べてくれた夜。「ママは知らなかったと思うけど、年少の時から、分かっていたよ~。」ささやかな時間が、こんな風に記憶として残ってくれていることに、いつも胸が熱くなる。

随分前、祖父の法事が母宅であった時、姉の子供と息子が、姉の指導の下、お坊さんを気持ちよく迎えるために、ドアを開けたまま、玄関先で練習していたことがありました。「こんにちは!今日は、よろしくお願いします!ありがとうございます!」部活か!とツッコミながら笑えてきて。その後、爽やかな40代のお坊さんが微笑みながら来てくださり、お経を唱えてくれた帰り際にひと言。「リハーサル、聞こえてきましたよっ。」まだまだ小さい幼稚園児の男の子二人に、歓迎されたことを喜んでくださっていたようで、最後に伝えてくれた気持ちに、こちらの方が和ませてもらいました。

自分の中に留めておくのではなく、相手に伝えること。それ自体がもう、小さな真心なのかも。「ありがとうね。」とちびっこ二人と同じ目線になるように、しゃがみ込んで伝えてくれたお坊さん。さぞかし嬉しかったのか、小さな彼らはお互いに目を合わせてご満悦。
気持ちが届いて良かったね。