頑張った証

息子の休校中に出された課題の中に、植物の観察があり、自転車で公園へ行ってきました。沢山のお花があっても、目に止めることなんて桜ぐらいだったのに、一つ一つのお花のプレートを見つけ、こんなにも丁寧に手入れをしてくださっていたのだと、今まで気づかなかったことに嬉しくなった昼下がり。「ママ、ボクこの花にする。ノースポール、初めて聞いたよ~。」「可愛らしいお花だね。写真を撮って自宅で絵を描こうね。」そう言って何枚も撮った翌日、二人でプリントを見て絶句。花の観察だったので、絵だけで十分だと思っていたら、匂いや肌触りまで記す欄があり一緒に困惑。「いいよ、いい匂いでした、さらさらした肌触りでしたって書いておくから。」と言われ、笑ってしまいました。私が子供でも同じことをしただろうなとは思ったのですが、ここは親として軽くフォロー。「そうやって書いておいて、また確認をしに行こう!」そうそう、休校はまだ長いしね。
せっかくなので花言葉を調べてみると、『誠実』、『高潔』、『冬の足音』。花と言葉が繋がるってやっぱり神秘的で好きです。

そう言えば、学校図書室で働いていた時、それがどんな花なのかを調べる2年生の授業があり、若い女の先生が予め授業の内容を休み時間に伝えに来てくれて助かりました。辞典と事典の違い。大体この説明はいつもざっくり過ぎるぐらいざっくりなのですが、話す機会があれば、子供達に伝えるようにしています。「辞典は言葉を調べるもの、事典はことがらを調べるもの、より詳しく一つのものを調べたい時は事典を使うといいですよ。ただ、そういったものは貸出しができないので、図書室内で使ってくださいね。それは、どこの図書館に行っても同じルールです。」図書室から図書館の仕組みを学んでいく。そうしたら、この子達が大きくなった時も、自分の力で調べられるようになる。インターネットだけでなく、ページをめくり見つけた時の喜びを知ってもらえたら。そんなことを思いながら授業のサポートをすると、百科事典に皆が群がり、調べたかった花は『ヒメジョオン』。あったあったと、誰かが書いたプリントを皆で見ながら書いていて、担任の先生と苦笑。それでも、共同作業で一つの事柄を調べられたね。こちらが順を追って説明できるように、予め授業内容を伝えに来てくれた先生の配慮にも胸がいっぱいでした。こういったことが、教員間の信頼関係にも繋がっていくような気がして、またこの先生の為に頑張ろうと思う気持ちが、いい教育に繋がっていくのかなと嬉しくなったことを覚えています。先生と児童、児童と保護者、保護者と先生、そのいいサイクルが皆を助けることになるんだろうなと。

中学3年の社会科の授業。待っても待っても先生がこない。学級委員だった私は同じ男子の学級委員と二人で職員室へ。「先生、授業変更があり、今社会の時間なんです~。」そう言うとかなり慌てて教科書を持ち、詫びながら伝えてくれました。「今日、授業の予習していないんだよ。」「えっ?先生毎回半分ぐらい雑談ですよね?!」「まあそうなんだけど、意味のある雑談だろ(半強制)。どんなに慣れても授業研究は必ずやっている。この内容でどの資料を使えばいいのか、最後はどうまとめるか。こちらの話し方ひとつで生徒達の関心は変わると思っているよ。」参ったなと思いました。サッカー部顧問で休みが無いことも知っていて、一体いつ授業研究をされているのだろうと。そう思いながら教室へ戻ると、「いや~、みんなごめんな。先生勝手に休んじゃっていたよ。」といういつもの掴み。いきなり本題に入るのではなく、少しずつ教室を温めていく。そして、全く予習をしなかった授業は、びっくりする程いつも通りでした。この先生にマニュアルなんてないんだろうな、毎回手を変え品を変え、努力することを影で惜しまないのだろうと。
裏側で弱音を吐きながらも、飽きさせない授業をした今日の先生は、なんだか格好いい。