世界を広げる

いつも行く接骨院の先生が振ってくる話題は、もちろん野球。8割方、この話をしている気がします。「少し前に読んだ本で、社会人野球が出てきて、知らなかった世界なので、実際に球場で観に行きたくなりました。」そう話すと、「おおっ!」という感嘆符付きの返事。「○○さんって、やっぱり目の付け所が違いますね。この地元から、活躍している選手がいますよ。是非直接応援しに行ってくださいね。」とやや興奮気味で教えてくれました。自宅に帰り、名前を調べてみると、外野手で活躍している選手を発見。企業の中にある社会人野球がどういったものなのか、実際に肌で感じてみたくなり、そんな日を楽しみにしようと思います。

息子が、相変わらず私から勉強を教わると、甘えが出てしまい喧嘩が勃発するので、このままではお互いの為に良くないと思い、思い切って公文の教室を二人で見学に行ってきました。すると、迎えてくれたのは、50代の素敵な女性の先生でした。実は、私も岐阜の小学校にいた頃に通っていて、自分に合っていたので、息子にも合うのではないかと直感で思い、行動に移した訳です。相性や雰囲気で、何か違うと思った時点で、息子は正直に伝えてくれるだろうと思っていたら、すんなり先生に馴染み、出されたプリントもおとなしくやっていて、隣で笑いを堪えるのが大変でした。私の普段のエネルギーは何だったのだろうと拍子抜け。そんなものですね。周りを見渡すと、懐かしい公文の教室の空気がそこにあり、私もこうやって助けられてきたのだと、タイムスリップしたようでした。図書館以外にも、ほっとできる場所があったことを改めて実感。その当時の先生がとても優しく、沢山会話をした訳でもないのにそこにいると心が和みました。「Sちゃんのペースでいいからね。」そう微笑んでくれた先生。あの頃の私には、そのような言葉だけで十分でした。

そんな頃を回想していたら、目の前の先生が、こちらが記入した用紙を見てひと言。「野球をやっているんですね!」急に現実に引き戻されて、慌てながら返事をしていると、「うちの子も三人いるんですけど、上二人もやっていて、一番上は大学までやらせたんです。小さい子がユニフォームを着ていると思うだけで、可愛くなっちゃいますね!それにしても、どうして野球?」と聞かれたので、「私がやらせたかったんです~。」と照れながら話すと、一緒に笑ってくれました。「分かる!!それが大事よ!」なんて、すっかり野球ママ談義に。さては先生もその口だななんて、初対面とは思えない気楽さで、すっかり打ち解け、勇気を出して来て良かったと思いました。先生も私も強要するつもりはなく、息子が夏休みの間通ってみて、そこからゆっくり判断しようという結論に至り、その気持ちが本当に有難くて。短期でも、長期でも、どちらでもいい。決めるのは本人の意志。どちらに転んでも、いい時間だったと思える新しい世界を、楽しんでもらえたらと願っています。

待機児童ではなく、息子がまだ小さかった頃に保育園へ預け、司書として働いていたら、今頃どうしていただろう。本当に時々考えることです。あの時、沢山のことを思いました。とても悩んだし、気持ちのやり場に困ったし、声をかけて頂いた学校の先生にお礼と謝罪に行く時も、辛かったです。でも、こういった気持ちを抱いている人は私だけではなく、その時の状況で、選択肢がなく、別の道を選ばなければならないということは、誰にでもあるのだと。だったら、この選択の中で自分はどうする?悔しかったから、このエネルギーをどこかで使おうと思いました。これで良かったと思えるところまで。

自分のことを、主観的にも客観的にも見られたなら。ほんの少しでも楽になれたら。頑張って良かったと思ってもらえたなら。そんな想いを届けたい。それが読んでくださる皆さんへの感謝です。