境界線は気になる?

コメダへ家族と行き、息子の隣に座る時は、椅子の境界線を完全に無視して私に近づいてくるので、時として邪魔くさくて。ぴたっとくっつかれてもね。空中戦も禁止です。

スタバには、週末に行くと混んでいて、横並びの一人席に座ったら、横が気になるだけでなく、テーブルが丸で、そちらの方が気になってしまって。いつもは四角のテーブル二人席を優雅に使わせてもらっているので、随分余裕を感じていたのですが、丸だとマウスを置くスペースに困り、狭い範囲でぐるぐる。ノートパソコンの真ん中にあるマウスは苦手なので、仕方がない。いつの日か、カフェに着いてマウスを忘れる日が来たら、開き直って本を読む予定。その日は勝手にオフにします。

大学に入ってすぐの頃、オリエンテーションの為に、講義室で座って待っていた時のこと。隣にいた違う学科の男子学生君が、なんの前触れもなく話しかけてきて、本気で驚きました。「先生こないね。俺さ、浪人してこの大学に入ったんだ。本当は他の大学を希望していたんだけど、落ちちゃって、学びたかった学部も全滅。唯一受かったのがこの学科で、ギリギリ滑り込んだんだよ。こうなったら、とことん大学生活を楽しんでやろうと思ってさ。浪人中って、俺って社会からどう見られているんだろうとか思って、勝手に凹んだり、結構きつかったよ。でも、こうして大学生になれたら、その1年間って俺の中でめちゃくちゃでかかったんだって思えた。だから、よろしくね。」そう伝えてくれた彼の表情が、なんだかとても吹っ切れていて、初対面なのに嬉しくなりました。本当に苦労したことが分かったし、本気で4年間を掴みに来たと感じたから。そして、顔を上げると、周りに彼の友達が何人もいて、くすくす笑いながら話を聞いていました。その中にいた一人も、「俺も実は浪人したんだよ~。」と話してくれて。類友だ。同じような雰囲気を醸し出す友達が既にいる。彼の人の良さは、本物でした。

そう言えば、その時も横並びの境界線を飛び越えて、私のノートに連絡先を書かれたな。私のも聞かれたので、なんとなく伝えました。その後、電話がかかってきたのは一回だけ。何でもない日常的な会話をして、女友達ができて嬉しいよ~なんて言われ、またキャンパスで会ったら話そうと約束をして切ったような気がします。彼の周りにはいつも数人の男友達がいて、勝手に喜んでいました。一緒に弾けられる仲間が常にいる。だから、とことん楽しんで。

高校時代の仲間で、夜間の大学に行っていた男友達がいました。昼間は働いて、夜は学生をやっていて、一体いつ休んでいるんだろうと思っていて。私があまり自分の話をしたがらないように、彼もまた多くを語るタイプではなく、でも、人知れず頑張っていることは醸し出す雰囲気が物語ってくれていました。
その友達と、マブダチK君と、三人でなぜか車の中で語り合う機会があって。「タバコと缶コーヒーがあれば、俺達はいくらでも話せるぞ。」なんて言っている彼らがなんだか少し羨ましかった。『タバコーヒー』そんな言葉が、友情の深さを感じさせてくれたから。車の旅を終えたK君が働き出し、社会に揉まれているという話を延々に語りながら、ぽつり。「でもお前らも大変だよな。だからこうして変わらない友情が、自分を見失わずに、ほっとさせてくれるんだろうな。」そんなことをしみじみ言った彼は、一回り大人になっていました。

私達の友情に、男女という境界線はなかったのかも。そうだ、いつも“人として”だったね。