あの適当な父親と、以前老後の話をした時に、聞いてみました。「お父さんは、完全に仕事を引退したら何がしたいの?」と。すると、嬉しくなるような言葉が返ってきて。「やっぱり働いていたらなかなかできないことをしたくてな。日本国内、全部の都道府県をゆっくり回りたいと思っているんだよ。在来線に乗って、電車で足を踏み入れたい。」父は地理が好き。それは子供の頃から知っていたことであり、私が中学校の社会科で使っていた地図帳が見やすいと、持って行かれてしまったことも。社会だけは成績が良かった、これが父の自慢でした。地図片手に気の赴くまま、全国を回る父の姿が容易に想像でき、私まで便乗してしまったかのような高揚感。「気が向いたら関東周辺だけ付き合うよ。」こんな冗談が、もしかしたらいつの日か実現するのかもしれないですね。
今いるのは大好きなスタバ。少し前、店内にあった『STARBUCKS OFFICAIL BOOK』(宝島社)を借り、国内にある各地の珍しい店舗の案内を見つけました。これ全部回りたい。本気で思った気持ちのいい朝。そんなことを思い出していたら、去年の店内コンサートでピアノを演奏してくださったいつものスタッフさんが声をかけてくれました。「今年も演奏をするんです。お時間があったら是非いらしてくださいね!」とっても嬉しいお誘い、予定がら空きにしておきます!!
そんな週末、プレ幼稚園で出会った友達から連絡があり、驚きました。彼女は、3月に横浜の方へ引っ越してしまい、すっかりそれっきりになっていたから。「落ち着いたらまた遊ぼうね!」それがお互いにとって小さな目標になっていたらといいなという願いを込めたお別れ。久しぶりに受け取った連絡に、何とも言えない気持ちがこみ上げました。待ち合わせの公園へ息子も連れて行くと、はにかみながらもあっさり元通り。空白なんてほんの一瞬で埋めてくれて、幼なじみっていいなと思わせてくれた懐かしい時間でした。そんなことを思っていたら、語り始めてくれた彼女の苦悩。その深さに、なぜもっと今まで寄り添えなかったのだろうと色々な気持ちが交錯しました。
彼女は、心理学を専攻し大学院でも学び、その経験を生かし、働いています。どうしても知りたくて、なぜその道を選んだのか聞いてみました。「私ね、中学ぐらいの時、大きな理由はなかったのだけどなぜか苦しかったんだ。その期間が意外と長くてね、時間と共に楽になっていったんだけど、こういうのって経験した人にしか分からないと思ったんだよ。」経験が土台となるその気持ち、痛い程よく分かるよ。知識よりも勝る時があることも。友達の信念が垣間見えたことが嬉しくて、せっかくなので前にも伝えた母の話を少し聞いてもらいました。「お母さんね、不安感に襲われたりすると、尋常ではない着信が何度もあったりしたの。それをブロックしたら、今度は罪悪感で私が潰されそうになってしまってね。」そう話すと、優しく微笑みながら伝えてくれました。「お母さんに数回会ったことがあるけど、結構社交的で意外と外では頑張ってしまうタイプなのかなと思ったよ。中では抑えきれない感情をきっとSさんだけにぶつけていたんだろうね。言い方が悪いのかもしれないけど、巻き込んでしまっていたのだと思う。でもねSさん、自分を守ることをまずは優先してね。娘として余裕ができた時にお母さんを少し助けてあげる、その気持ちでまずは十分なんじゃないかな。」暑いぐらいの日差しの中、ベンチに座り伝えてくれた言葉。プレ幼稚園の時、一人でいた彼女に話しかけたのは私の方でした。クラスが変わっても、気が付くと頼りにしてくれた友達。そんな彼女は、友達としてだけでなく、学び、仕事をする上で経験したことを踏まえ、届けてくれた言葉なのだと思いました。きっといいカウンセラーになる。私が太鼓判を押すから。
好きなことを仕事にする。友達と交わしたささやかな約束。