自分の為に

今年の誕生日の1か月前、8月の段階で大阪にいた頃の姉のジム友達からお誕生日メッセージをもらい、1か月間違えて送ってくれたことが判明。こんなウォーミングアップもあるんだなと、今年は面白い心境で年を重ねるその日を待ちました。誕生日前夜に、夫から焼き菓子、息子からはお手紙とトトロの折り紙を作って渡され、優しい日常に、そこにある日常に感謝しなくてはと、今年はさらに感慨深いものがあって。そして朝、色々な方からお祝いメッセージを頂き、覚えてもらえるだけで幸せなことなのだと、この世に生を受けたことを喜んでくれる人達を、私も大切にしていきたいと思いました。

母がお祝いをしたいからと誘ってくれたランチ。シェアオフィスのロッカーにパソコンバッグを入れ、受付にいたラガーマンTさんになんとなく伝えました。「母にランチに誘われて長丁場になると思うので、パソコンはロッカーに入れ、ふらっと戻ってきます。」「それでは、しっかり守っておきますね。」「いやいや、ロッカーに入れたので大丈夫です。」「こちらでしっかり見守っておきます!」会話がかみ合っていないのか、面白がってくれているのか・・・。今日ここに来たのは、一緒に働く“仲間”を感じる為。来て良かった。
そして、母と楽しいひとときを過ごし、お化粧品を二人で選びに行き、ケーキを買ってもらい、息子のお出迎えをお願いしたので、またオフィスに戻ってくると、不動産関係の試験勉強中Hさんを見かけ、軽く会釈。お仕事中なのは分かっていたので、気づかれなくてもいいと思っていたのですが、ご丁寧にイヤホンを外し、「お疲れさまっす。」と言って頂き、嬉しいやら恐縮してしまうやら。一日に一回は交わす軽い挨拶に、お互いがふわっと上がるひととき。

そして、自宅に戻り、ケーキを食べながら母と息子の会話を聞いていたら、波長の合い方に吹き出してしまいました。「もう秋だから柿が美味しい季節ね。どうやって食べると美味しいか知ってる?」と母。「えっ?まずは洗うんでしょ。」と息子。何なんだこの会話はと思いながら、皆で大爆笑。毎回こんな展開の会話を繰り広げている二人を見て、私はこの人達の間にいるのだと改めて思いました。娘として、そして、母として。この二人に幸せが舞い降りますように、今がまさにその時なのかも。
そんな二人が前日に向かったのは、東京ドームでした。小雨の予報だと分かった母から一通のメッセージが。『明日は野球の練習がなさそうだから、ヤクルト対巨人戦をドームで観ない?チケットが取れたからRと行こうと思って。』それを本人に伝えると、大喜び。ヤクルト戦!と盛り上がり、プログラマーのMさんからもらったつば九郎と望遠鏡をしっかりリュックに入れて、準備は万端。イチローTシャツを着せ、ロサンゼルスドジャースの帽子を被せ、一体どこの応援に行くんだと笑いを堪えながら、母宅まで送りました。二人の背中がウキウキしていて、どうかこの時間ができるだけ長く続きますようにと願いながら、東京ドームデビューを先越された!と大人げないことを思っていて。神宮も、横浜スタジアムも、近くて遠いな。

そう言えば、数年前に、横浜スタジアムで神奈川県大会の決勝があるから観に行かないかと姉に誘われたことがありました。「私仕事なんだよ。」「そうなんだ~、じゃあ一人で行ってくる。」いいなと思いながら、一日大学図書館で羨ましくなったことがありました。高校球児だった姉の旦那さん。小さなもめごとは沢山あるのだけど、マイグローブを磨いている時の姿が少年みたいで、この人のここを好きになったんだなって話してくれた姉を、ここまで野球漬けにしたのは旦那さんの影響なんだろうなと嬉しくなったことを覚えています。意外な一面が、女心をくすぐるんだろうな。

そして、夜になりマブダチK君からのお祝いメールが。『S、誕生日おめでとう。毎年1回の生存確認です。あっという間に1年経つようになったのは歳を取ったせいだな。良い誕生日を☆』なんだそれ!と毎年ツッコミどころが満載の絵文字付きメッセージ。そして、思い出す彼からの言葉。「お前に追いつこうと思っても、いつも先を行っているんだよ。コイツ、目標がないと生きていけないのか、たまにはのんびりしろよって思うんだけど、常に考えて動いていないと落ち着かないというか、そうじゃなくなったらそれはそれでお前らしくないんだろうなって。だから、いつも俺はお前の背中を見ながら頑張ることになるんだよ。少し追い付きそうと思っても、また引き離される。でもさ、何か壁にぶつかった時、Sならどんな言葉をかけてくれるだろうとかって考えるんだ。その時、何とも言えない力が湧いてくる。くそって思いながら、助けられていることに気づくんだよ。だから、俺は一生追い付くことができないけど、純粋にお前のことを応援したくなる。きっとそれは、Sに関わる人達みんなそう思っているぞ。」深夜に半分やけくそで言われた言葉。私に文句を言っているんだか、エールを送ってくれているんだか。ただ一つ言えるのは、そのままでいろということ。俺が承認の判子押してやるから、突っ走れよということ。
光に向かって走っていく、最初は自分の為に。そして、見届けてくれる人達の為に。