年末のある日、仲良しのKちゃんがスタバのBuy One Share Oneに誘ってくれて、カフェモカをご馳走になりました。こちらの好みを聞き、その商品を選んでくれる彼女は、妹というよりかは包容力のあるお姉さん。なぜだか甘いものを飲みたくて、それをシェアしてくれる彼女の気持ちがドリンクと一緒に沁みました。お花畑に住んでいたら、苦しい時に助けてくれる人の本当の価値が半減していたのかも。辛い時に、大丈夫だと伝え続けてくれる友達がいてくれるから、その気持ちを何倍も届けたいと思う。心のあり方を改めて教えてくれた、大切な友達との優しい陽射しの別れ。『Sさんに出会えて本当に私は幸せ者だなと思うよ』こんなLINEが後から来たら、そりゃ泣きたくもなるよ。何があってもそばにいる。
少し早めの我が家のクリスマスパーティで、チキンとピザを食べ過ぎた息子が途中で壊れ、大笑い。「ママの顔面白い~。」と言いながら大爆笑。面白くないわ!!だいたい毎日顔を合わせているでしょ!と言いながらつられて笑ってしまい、完全にスイッチが入ってしまった二人を冷めた目で見ていた夫。笑いのツボが同じなんだから仕方がない。本気で息子と喧嘩した日の夜に笑い転げて、1年のもやもやを全部吹き飛ばしてくれたようでした。そう、“笑う門には福来る”だよね。
そんなくだらないディナーの最中、これまたどうでもいいことを思い出して。中学の時だったかな。誰かが変なことを言って、「失敬だな、君。」と言い返すことが流行っていて、クラスで大盛り上がり。誰かの揚げ足を取るのではなく、本当にくだらないこと一つ言われたことに対し、その言葉を言うとそこにいる皆が笑うというおめでたいブームがあったわけで。それぞれの個性を大切にする、そんな仲間が大好きでした。
シェアオフィスでお会いするITエンジニアの方。少し前に外で話した時、「令和の時代になった。僕達昭和生まれだよ。もう化石?!」なんて言って笑わせてもらいました。いやいや、その石を輝かせますよ。「東京タワーを見ると、昭和を感じさせてくれて、あの二等辺三角形が好きなんです。」そう伝えると、思いっきり頷いてくれました。そんなに年が離れている訳じゃない、見てきたもの、感じてきたもの、そして今をどう思うのか、何かが小さく交わった時、そこに信頼がまた一つそっと生まれるのかも。ITの世界でいい仕事をしてくださいね、そう願った別れの会釈。
大学4年の卒業式前、私の中で一度一人になって考えたいと思い、母に1泊の旅行に出てくると、行き先も告げず、K君に車で伊豆まで送ってもらいました。その日は雨が降ったり止んだり。目的地まで着き、お礼とともに別れるとビニール傘を車内に忘れたことに気づき、携帯電話を取り出した途端、K君からの電話が。「傘忘れていたから、戻ろうか?」「ううん、大丈夫。今降っていないから。良かったら使ってね。」「・・・、そうか。気を付けて帰れよ。S、本当に何かあったらすぐに電話しろ。どこでも駆けつけるから。」「ありがとう。」そう言って切った通話ボタン。もう少しだけ一緒にいて、その言葉が喉まで出かかり、飲み込みました。後日、無事に帰ったことを電話で伝えると、話してくれて。「あの時、本当はすぐに戻ろうかと思ったんだよ。でも、一人になりたいだろうと思って止めた。つええ女だなと思ったよ。でも、お前の脆さも知ってるからな。」
以心伝心。お互いがお互いの気持ちを痛い程感じていた、雨の伊豆。私の気持ちを常に優先してくれたマブダチ。そして、どんな時も用意してくれている受け皿。
アイツとは、一体どれだけの心の景色を見てきただろう。それが、糧になっていることも知っている。だから、強くあれることも。