重要な出会い

シェアオフィスの入り口にある、電光掲示板。そこを通過する度にちらっと見るのが今日の運勢。乙女座の所が星三つの時だけ見るようにしていて、情報の取捨選択をいつも都合よくやっている毎日です。そして今日も星三つが輝いていたので喜んで見てみると、『重要な出会い』。当日に限らず、今年一年沢山の出会いがあり、一人一人に助けられた優しい一年でした。忘れてはいけない3月から5月の休校3か月間。緊急事態宣言が発令され、世の中が停滞し、もっとアクセスが落ちるかと思いきや、そこまでの大幅な落ち込みもなく、いつもと変わらず『さくらdeカフェ』に来てくださる読者の皆さんに、私の方が励まされました。そこにいてくれること、それがこんなにも嬉しいことなのだと、改めて教えてもらったような気がしています。

その期間中、息子とずっと一緒にいた為、あまりの時間のなさにプログラマーのMさんに相談。そして、さらに客観的な意見が欲しくて、彼の仕事仲間であった技術営業のFさんにも相談をさせて頂きました。『現状のペースがどうしても維持できない時は、一時的にそれを受け入れる必要もでてくるかもしれません。これまで長い期間を週3作公開というペースで続けてこられたのですから、それを変えることは大きなことだとは思います。でも、これまでのことを考えると週2作公開になったとしても、大きな落ち込みはないのではと想像します。』そして、沢山の励ましの言葉を添えて、いつものように応援してくれました。“こんな時だからこそ”、その気持ちを、サイトを通して深く感じてくださった優しさに、胸がいっぱいでした。言葉が人の心に染み入ってくれる。小さな積み重ねなのかもしれない、それでも投げかけた言葉にぽっと温まってくれたら、下を向いていた顔が少しだけでも上がってくれたらと、ガランとしたシェアオフィスで沢山の想いを紡ぎました。時に笑って、時に泣き、そんな気持ちを包み隠さず伝えること、格好つけない、飾らない、本当に届けたいことを書こう、そう願った一年でした。

担任の先生に、息子のことで相談した時に言ってくれました。「その時、きっとR君の心はぎゅっとしたと思います。」と。心が痛い、ではなく、心がぎゅっとしたという表現に何とも言えない先生の温もりを感じました。小さい心が押し潰されそうになる、それは本人が一人で頑張って乗り越えることなのではなく、大人が子供の気持ちを守り、優しく包んであげることが必要なのではないか。少しの言葉で十分過ぎるぐらいに伝わった先生の愛に、涙が一滴こぼれたことがまだ最近のようです。「男の子は、甘えん坊なんですけど、一人で頑張ろうともするんです。弱さを見せちゃいけないって、どこかで思う所があるんです。」先生もきっとそうだったんですね、心の中で呟きながらこんな男の先生に出会えて良かったなと思いました。同性だから分かること、僕も通ってきた道だから、そんな思いを感じ、なんだかやられたなと思いました。相手がどんな言葉を必要としているのか、この先生もまた総動員して、どうか笑ってくれますようにと願ってくれている方なんだなと。

先程、ランチで出向いたカフェを出ると、声をかけてくれた一人の男性がいました。その人は、シェアオフィスで一緒のITエンジニアの方でした。「もうお帰りですか?」「ううん、これから田園調布のお客さんの所。また戻ってくるよ!」「いってらっしゃい。」そう言って笑顔でお別れ。彼が、私の仕事に興味を持ってくださり、思い切ってこのサイトの冒頭の記事だけ読んで頂いた後、思いがけずご本人の底知れぬ苦悩を伝えてくれて、居たたまれない気持ちになりました。「オフィスの皆は知らないです。○○さんだから話そうと思いました。」“あなたは信頼できる人”、なんだかその判子を押してもらったようで、こんな風に一つの記事が人の心に届いてくれるのだと目の当たりにした堪らない出来事でした。失礼のないように、彼の浮き沈みをそっと見守る日々。今日の笑顔がとっても晴れやかで、そんな日が増えていってくれたらと私にはそんなことしかできないけど、それでも笑っていてほしいといつもこうして願っています。

年末に行ったMさんとのミーティングで、近くにいたご年配の方達5人が自撮りでスマホを撮ろうとされていました。その姿を見て、「撮りましょうか?」と近づくと皆さんが喜んでくれて、笑顔でパシャリ。お礼を言われ、皆さんが帰っていく中で、改めて一人のおばあちゃんが私に近づき頭を下げながら伝えてくれました。「本当にありがとうございました。」と。その時の表情と言葉がどれだけ優しかったことか。少し助けたかっただけ、でも返ってきたものの方が大きく、だから心のホールから溢れ出すんだな、幸せってこんなところに転がっていたりするのだと、可愛らしいおばあちゃんから教わったようでした。そんな私を見たMさんがぼそり。「なんだか堪らないね。Sちゃんを大切にしないと罰が当たりそう。」と。溢れ出した私の気持ちを、彼がキャッチしてくれたのだと思いました。「忘れかけていた何かを、あなたは思い出させてくれるんだよ。」以前スタバでミーティングをしていた時も、小さな男の子がガラス越しに寄ってきて、一生懸命おもちゃの説明を始めてくれたので、何を言っているのかさっぱり分からなかったものの、とりあえず笑いながら頷いていると、近くにいたお母さんが恐縮して笑顔で会釈をしてくれました。近くいたMさんも、その光景に微笑んでくれていて。
人との交わり。その時に放たれる一瞬の光。それを、届けたいんだ。暗いトンネルに入ったとしても、光はある。少なくとも41年間そうやって生きてきた。

色々あった一年でしたね。皆さんも私も。それでも、明日は今日よりいい日になると祈りながら毎日を生きているのかな、いいことがチャリンと心の貯金箱に入ったら、辛い時でもそっと使えたりするのかな、それをたまに誰かとシェアできたらもっと小さな幸せが増えるのかな、そんな風に時を過ごしていきたいと、こんな私にまた来年も良かったらお付き合いください。

2021年が皆さんにとって、素晴らしい一年となりますように。良いお年をお迎えください。やっぱり、月並みがいい。
そして、いきますよ。ビールか炭酸か、紅茶か、黒ウーロン茶で、ここにいる皆さんと乾杯!!