今日、久しぶりに父に会いました。
遠くで暮らしているから、年にほんの数回しか会えませんが、そこにはほっとさせてくれる何気ない笑顔があります。
父の笑い皺を見る度に、昔と変わっていないことが嬉しくて、なんだか懐かしくて、子供の頃に戻ったような不思議な感覚。
そのままでいることに胸がいっぱいで、多くを語る人ではないのに、穏やかにさせてくれる何かがあります。
まだ十代だった頃、あまり家庭内がうまくいっていない中で、父の職場に行く用事があり、一人で出向いた時のこと。
家の中では寡黙で、表情を一つ変えないのに、職場ではとても優しく微笑んでいる姿を見て、泣きそうになりました。
「お父さんは、こうやって笑うんだ。」
私の笑顔は、父にそっくりでした。
あの時受けた衝撃と、切なさと、嬉しさは今でも忘れられません。
父の本当の姿を初めて見た気がしました。
色々な家庭の形があって、色々な生き方があります。
我が家は本当に複雑でした。みんなが一生懸命だったからぶつかったし、苦しかった。
そんな中でも、ほんの少し流れる優しい時間を大切にしていました。
10嫌なことがあっても、1つ嬉しいことがあると、それだけを覚えて眠ろう。
父の笑い皺が、今でも変わっていないことに胸が熱くなります。
嫌な思い出を忘れさせてくれる不思議な力。
いつまでも綺麗でいたい。でも、私の皺は見事に増えていきます。
それだけ沢山笑っているから。お腹を抱えて笑うことが山ほどあったから。
帰りの電車の中で、家に帰りたくないと女友達に話した大学時代。
普段弱音を吐かない私が見せた弱気な姿を、友人は見逃しませんでした。
「終電まで飲もう!」理由も聞かずにずっと一緒に笑って飲んでくれた大切な友達。
私の笑い皺には、数えきれないぐらいのかけがえのない思い出が刻まれています。
いつまでも綺麗な妻やママでいたいけど、そこだけは許してね。
辛い事があっても、笑っていられたから。
それは、お化粧でも隠し切れない素の自分の姿。
父と同じ姿。
悔しくて、悲しくて、思いっきり泣いて、その先に笑える時が来て、ふと鏡を見てみるとそこには笑い皺があって、そんな自分を好きになれたら、魔法がかかったのかも☆