再会を機に

昨晩は、気圧の変動で一気に吐き気に襲われ、自宅で良かったと安堵していると息子が伝えてきました。「ボクね、マイクラでようやく豪邸が完成したの!ママに見せてあげるね!」そう言って、喜んでテレビの画面を点けるので、横になりたいと思いつつも見せてもらうことに。すると、大きなおうちの周りには桜の木が沢山植えられていて、花びらも散りなんだか泣きそうになりました。そして中に入ると、大きな図書館やおしゃれなカフェもあり、息子の世界と私の世界はどこかで繋がっているのかななんて思ってみたり。それでも、起きてはいられない程の辛さに襲われ、そろそろ終わりかと思っていると、彼がひと言。「今度は上に上がるよ~。」って3階建てかい!!しかも横長だし。なんで家の中に羊小屋があんねん!等々、ツッコミどころが満載だったものの、とにかく無事に内覧会を終わらせるために、説明をどんどん促しようやく終了。やっと横になれたと安堵し、微笑みながら目を閉じた時間。こんな夜もいいね。

その日は、久しぶりに姉とカフェをしてきました。いつものように光が射し込む店内で向き合うと、ネネちゃんのスピードが緩まっているのを感じて。何か一息つけたんだね、そう安心すると共になんとも言えない気持ちが流れ込んできました。それは孤独感か、こちらの考え過ぎだろうか。そんなことを思っていると、いくつものパンフを見せてくれて。それはお墓の内容だとすぐに分かったので、一連の話をさせてもらうことに。「資料を集めてくれてありがとう。ネネちゃんにもしピンとくるものがあればと思い、並行してとりあえず私も一件考えていた場所があって、一度見学に行ってきたの。そうしたらしっくりきて、お父さんに電話してパンフを届けておいたよ。まだ返事はないから会った時に直接聞いてこようと思う。忙しい中、ありがとうね。」「なんかね、お墓のことを娘達に任せるんじゃなくて、あんた達でやりなさいよって正直思っているところはあってね。でも、Sちんが直接見に行っていいと思った所がいいように思うよ。私はまだ紙面で探していただけだから。」どこまでも姉らしいな。これは姉妹の役目じゃない、でも妹の直感も想いも信じているし知ってるよ、そんなメッセーが伝わってきました。そして、話題は母のことになり、改めて言ってくれて。「私ね、Sちんがお母さんのことで断れなくて、結局嫌な気持ちになってしまうってこと、色々考えていたの。断ることで、どうしても罪悪感が残ってしまっているように思うんだ。でもね、罪悪感なんて持たなくていいんだよ。Sちんも人格があって、一人の人間なんだし。それでお母さんの機嫌が悪くなっても、自分でなんとかしてって思うんだ。自分の機嫌は自分で取る、人にどうにかしてもらうものではないと思うから。R君の為にって気持ちも分かる。でもね、ママがハッピーじゃなかったら、R君もハッピーじゃないんだよ。Sちんの中で罪悪感が無くなったら、もっと解放されるよ。って本に書いてあった!」と最後に付け加えてくれるので、ちょっと笑ってしまって。ネネちゃんの言葉に置き換えて、柔らかめに伝えてくれたの、知ってるよ、ありがとうね。甥っ子二人は、少年野球やお稽古事に明け暮れ、姉も含めてみんな忙しそう。それぞれの伸ばし方があり、接し方がある、だからお互いの育児を尊重していて。そんな私にネネちゃんは言ってくれました。「R君はSちんといつも一対一で、じっくり向き合う時間があって、すごく大切な時を二人で過ごしているんだなって思うよ。」いやあ、どうなんだろうと帰り道にふと過った究極にどうでもいいエピソード。ある晩、息子と干支の話になり、伝えたことがありました。「干支の中にたつ年ってあるでしょ。だからお母さんね、子供の頃たつって動物園にいると思っていたの。でも実際に行ってみたらいないじゃんって!中日ドラゴンズのファンで、ずっと身近に感じていたからかもしれないね。」「・・・ママ、ばかじゃね?」11歳児に呆れられてしまい、二人で大爆笑した日。こんなひとときが、何かを育んでいたりするのかな。

テーブルを挟み、ネネちゃんが歩いてきた道を辿りました。やはり思い出すのは、航空会社で働いていた時のこと。その頃の自分はあまり好きじゃないと言った、でも私はスカーフを巻き、いつも彼女自身と戦っていた姉の姿が好きでした。ふと実家に電話が入り、実は今長期の出張で福岡空港で勤務していると説明され、ずっこけそうになって。もう少ししたら行くとかではなく、もう行っていてそして終盤に差し掛かっていることも分かりました。「もうちょっと早く教えてよ~。そうしたら、遊びに行けたのに。」そう言いつつも、姉が場所を変え、一人になりたかった気持ちも十分わかっていて。「ごめんごめん。関空を一旦離れたら、ちょっと楽になったような気がするよ。また戻って頑張ろうって思った。知っている人が少ないのも良かったのかもしれないね。」口調が穏やかになり、どこかで自分を取り戻した彼女はゆっくり呼吸ができているようで、一緒に福岡の空気を運んでくれたようで嬉しくなりました。「せっかくなら少しでも楽しんできてね。」そう言って笑って切った電話。全国各地に思い出の場所があるな、いつか行ってみたいな福岡空港、ネネちゃんが笑ってくれた場所。
自宅に帰り、姉が渡してくれた紙袋には化粧ポーチが入っていて、さらに開けてみると化粧小物が沢山出てきました。なんだかもう、開け続けたらずっとエンドレスで何かが出てきそうな気がして、それが彼女の気持ちなのだろうと。一年ぶりに再会したら、ネネちゃんの話は止まらず、やっぱり別れ際に寂しさのような感情が読み取れて。姉はいろんなことを肯定的に捉え、丸くもなった。でも、自分のことは自分でというのはずっと前からそうで、大事なメッセージを伝え忘れたような気がしました。たまには、誰かに寄りかかっていいんだよ。今から彼女に届けようか。木の幹を強く太く、程遠いけど目指すことにしよう。