息子がエアベッドを壊したので、これは一体どうしたものかと頭をフル回転させ、思いついたひとつのアイデア。それは、彼の自室にあるベッドのマットレスをなんとか自力でリビング側へ持ってこられないかということ。お友達と遊びに行ってくれたので、一気にやってみることにしました。引っ越し業者さんが運んでくれたのだから、私も運べるでしょとよく分からない強い気持ちが顔を出して。そして、エアベッドの空気を全部抜き、息子のマットレスを勢いで上げてみると、そこに光るものを発見。え~!と見つけたのは、令和5年の500円玉でした。発見したのは私だけど、見つかった場所は息子の部屋な訳で、彼のお金の可能性も十分あったのでこれは山分けだなと喜ぶことにして。そして、引きずりながらも無事に運ぶことができ、一件落着しました。図書館勤務時代、重たい本をガンガン運ぶので周りは驚いていて。引っ越しの時も、すごい勢いで片付けたので息子も本気でびっくりしていました。そして今回、帰宅すると、一人で運んだの?!と案の定舌を巻いていて。舐めてもらっちゃ困ると思いながら大盛り上がり。「ママ、ありがとう!」二人のお城を守るって決めたんだ。その後、夕飯を食べに行く約束をしていたので玄関を出ると、ムカデの子供が壁に張り付いていて、二人で悲鳴を上げそうになりました。そして、慌ててスプレーをかけ撃退。すると、急に思考が回り出して。「ムカデが家に出ると、金運がアップするとかそんなご利益があることを思い出したよ。そういえば、今日Rの部屋で500円を見つけたの。」「ええっ!僕のじゃないよ。」「落とした訳じゃないんだね。だったら、ムカデの子供が運んで来てくれたのかも?!どうしよう、やっつけちゃった!お母ちゃんが探しに来て、うちの子がいないわって大騒ぎしているかも。一旦戻って、ムカデ一族が反撃に来たりして。マフラーを巻いた長老とか『何事じゃ!』とか言ってきそうだよね。」と勝手なストーリーを話すと、息子も大爆笑。二人とも、絵本の読み過ぎかもしれない。
そして翌日、もうすぐテストがあると話してくれたので、なんの教科かを聞いてみると、「5教科くらい?」と随分曖昧な返事があり心配になりました。「テストがあるなら、範囲の用紙が配られているはずだから探してみなよ。」と促すと、ようやく見つけたのは社会科。「1教科だけ?」「たぶん・・・。」「だったら教科書出して一緒に勉強しよう。」「教科書、学校だ。」本当にのんびりしているんだよなと怒り半分で伝えることに。「教材がなかったら、勉強しようがないのは分かる?テストだと分かった時点で気を付けて持って帰っておいでね。」中学校という新しい環境に慣れるので精一杯、その中で部活を頑張っていることをきっと褒めた方がいいのだろうけど、貴重な週末のテスト前に教科書がないって・・・。とあれこれ思うことはあったものの、気持ちを切り替えて伝えることに。「社会科に関係する教材はある?」「ワークなら持ってる。」それだ!と思い、一つずつ説明を始めました。中学校社会科の教員免許を持っていることは、内緒にしていて。息子の性格を考えた時、プレッシャーに感じてしまうような気がして、いつか社会人になってから種明かしをしようとも思っています。その時、頭の中で何かが繋がってくれるのかもしれないな。その後、一通りの内容は勉強できたので500円を握りしめ、それぞれがコンビニでご褒美。こんな日曜日もいいね。
最近、すっかり睡眠不調に陥ってしまい、そんなことも今までに散々あったので焦らず抜け出せる日を待っているところです。随分前に、姉に言われたことは正論かもしれないなとも思っていて。「Sちんは常に何かを考えているから頭の中がパンパンなんだよ。でも逆にね、何もすることがなくなったらようやくぐっすり眠れるのかもしれないね。その時までがんばれ。」これだけ世の中が発達しているのだから、睡眠貯金というシステムを構築してくれたらかなり楽になるかもしれないな。とにかく自分のペースを大切に、だね。
息子の小学校時代の友達に、ラガーマンがいて、中学校に入ると一緒に入学していなかったので、残念がっていました。6年生の時はクラスが違ったので、話す機会は減っていて。どこの学校に行ったんだろうね、元気だといいねとそんな話を二人でしていた数か月後、嬉しそうに伝えてくれました。「○○君ね、○○中に行ったんだって。そこにはラグビー部があるから、どうしても続けたくてそこに決めたみたい。」その話を聞き、私も胸がいっぱいに。どうやら、幼なじみのD君から聞いたらしく、学区外申請を出したことが分かりました。小学校で見かける度に、こんがり焼けて表情が逞しくなっていくので、こちらまで元気をもらっているようで。そんな彼の気持ちをお母さんは尊重したんだなと思うと、なんだか戦友のような近さを感じて嬉しくなりました。「ラグビーを続ける為に選んだんだね。そういえば、Rも学区外申請を出さなければ、卓球部に入れなかったよ。学区内の中学校にはなかったの。」「へえ、そうなんだ!」と驚いていて。何かひとつ勇気を出して動くことで意外なご縁があって、ひとつタイミングが違うだけで出会えないものがあって、そんなことの連続で日々沢山の奇跡が繰り返されているのかもしれないなと思いました。ラグビーの試合を観に行って、息子の友達が本当にいつの日かピッチに立っていたら、泣いてしまうな。そして息子よ、ひとつのことを究めるのも大事な能力だと思う、その力を自分で引き出せ、そのサポートを横からできたなら。
浅い眠りから覚めると、夢の中で自分が福岡に行っていたことがぼんやりと分かりました。佐賀の祖母にお別れを告げ、一足先に乗った特急電車。自分は今、本州ではなく九州にいるのだと実感しました。博多駅で途中下車し、そういえばソフトバンクのPayPayドームってどこにあるのだろうとぼんやり。ネネちゃんが長期出張していた福岡空港は、どっちの方面なのだろうと。美味しい豚骨ラーメンのお店は?夜までいられたら屋台にも行けたな、でも1時間半の滞在では無理だ。私は母親で、待っていてくれる息子がいて、その生活がどれだけ尊いのか博多駅のベンチで痛感しました。夢を見たのは、きっと宿題を残してきたから。息子のワークに書かれていた『丸州地方』という文字。九州地方じゃ!!と10人分ぐらいのツッコミをしてしまった訳で。その九州に、また行ける日を楽しみに、毎日を過ごしていけたらと。十人十色、みんなそれぞれが違う色を持っている、その美しさを探し続けたい。