英語で言うと、face to face。この言葉がやっぱり好きです。電話もメールもいいけど、面と向かうとその人の何気ない表情を読み取ることができるから。
息子の運動会は雨の中行われたので、午後の部は平日の午前に改めて決行されることが分かりました。コメダで働くYさんにメッセージを送ってみると、その日は予め仕事が入っているから見に行けないとのこと。私も風邪気味だったので当日の体調次第で決めようと思い、当日を迎えました。すると、朝一で学校からメールが入り、午前はあまり天候が良くないからと午後1時から開始をすることが判明。ほっとしながら風邪薬を飲み、パソコンを持って一凛珈琲へ。すると、ここ最近仲のいいスタッフさんが不在で気になり、他の方に聞いてみると、遠方から通っていたので大変だったらしく、退職されたことが分かりました。とても残念だったのですが、どこかでそんな予感もしていたので、そこまで驚かず、一番最後に交わした会話を思い出しました。
8月下旬、息子がようやく夏休み明けの半日登校を始めた時に、短時間だけ行った時のこと。「これからも、ぜひ通ってくださいね。いつでもお待ちしています。」お会計の時にそう言われたことを思い出し、彼女はそれが最後の会話になると分かって伝えてくれたのだと気づきました。私は離れるけど、ずっと来てくれたお客様にはこれからも同じように通ってほしい、私も他の場所で頑張るから。きっと心の中でそう呟いてくれていたのだと思います。ふと、遊びに来ていますよと教えてくれたスタッフさん。偶然会えた時、お互いがいい表情でいられたらいいな。
そんなことを願いながら、慌てて出向いた午後の運動会。赤組の応援席から一生懸命私の姿を探している息子を発見。目が合い手を振ると、ほっとした顔で一瞬はにかみ、小さく手を振ってすぐに知らん顔。そんな姿に、こっそりほくそ笑んでみる。『おかあさんへ ときょおそおのときぜんりょくではしるからみてね』という学校からの招待状をもらっていたので、これはしっかり見なくては。それにしても息子よ、“お”じゃなくて“う”じゃ!!80mをあっさり走ってしまったので、ビデオを撮るだけで精一杯。それでもその時間にその場所にいられて一安心。そんなことを思っていたら、コメダのYさんが声をかけてくれてびっくり。「今日ね、仕事が1時までだったの。午後に延期になって助かったよ。スタッフの皆がね、運動会なんだから早く帰りなよって言ってくれてね。なんだか嬉しかった。」上気しながら話してくれた表情が本当に嬉しそうで、彼女を通して伝わるカフェの雰囲気で私もまた感激。「間に合って本当に良かったね~。」いつもはLINEのやりとりが多く、最後はスタンプの応酬で終了というパターンだったのですが、今日は隣で顔を合わせ、息子の成長を願う親の姿を感じ合うことができ、とても優しい時間が流れました。先に帰るね、そう伝えると返してくれました。「お疲れさま~。」とビッグスマイルで。彼女は、カフェでパソコンに向かう私を知ってくれている。そのお疲れさまには沢山の意味が込められている。
大学在学中、どうしようもなく辛いことがあり、車で高校の女友達の家へ行きました。その友達は山梨で下宿をしていたので、不在なのは知っていたのですが、そこのお母さんに可愛がってもらっていたので、何も考えずに夜の玄関へ。「おばさん、夜にごめんなさい。」そう言った途端涙が溢れ、大泣きする私の手を片手で握りしめ、片手で背中をさすりながら伝えてくれました。「うちはいつだっていいのよ。」その言葉が堪らなく嬉しくて、私の中で何かがはち切れてしまっても、その温もりだけは忘れないでいようと思いました。
自分が崩れそうな時に支えてくれた人。面と向かえて良かった。