変化がないと、なかなか溢れ出さないなと思っていたここ最近、美容院とカフェをダブルヘッダーしたらどうなるだろうと考え、結局辿り着いたのがピアノを演奏するスタッフさんがいるいつものスタバ。あれやこれやと考えて、それでも気持ちよくパソコンを広げられるのはホームグラウンドなんだな。お忙しそうにされていたので、挨拶をしそびれたもののこちらのことは視界に入ってくれているのは分かっていて、カウンターの向こうとこちらで、心の中でご挨拶。エンジンがかかってきたよ。自分の中で何かが触れたという実感があるから。
ここのスタバで過去に出会った、ヘッドホンの男性をふと思い出しました。仲良くなるにつれて、ご自身の苦労をそっと話してくれて。とても紳士的な50代後半の方、穏やかな人生を歩んできたのだろうなと思っていたら、壁にぶつかる出来事があったようで、皆それぞれの方が人には言えない苦悩があって、その中で模索しながら踏ん張りながら自分と向き合っているのだと痛感しました。腐らないでいられるか、少しでも糧にできるか、たまには開き直ってみるか、回数を重ねても辛いことは辛いのだけど、前よりも笑えるようになったよ、それでいいのかなとも。引っ越しをしてしまったけど、またスタバで会えたら嬉しいですと連絡をもらっているので、いつかまた実現できる日を楽しみに日々を過ごすことにしよう。
息子は相変わらず、私のことを「ママ」と呼ぶ。100回に1回ぐらい「おかあさん」と呼ばれるのですが、その割合は変わらず。そして、もっと小さい頃に英語だと「マミー」と呼んだりするんだよと余計なことを教えてしまったので、それが変化し、たまに「マミコ」と言われるようになってしまいました。誰や?全く名前違うし。さらにその影響で夫のことを「パピコ」と呼ぶこともしばしば。アイスか!!ねえねえSちゃんとフレンドリーに呼ばれることもあり、おかあさんと呼ばれる日はまだまだ遠そうです。
そう言えば、地元にいた頃、皮膚科に通っていたことがあり、そこの病院は先生が優しかったので小さなお子さんが沢山通っていました。その中にまみれて薬を待っていると、男性の薬剤師さんが、「Sちゃ~ん」と名前を呼んでくださり、すっかり子供だと思いこまれてしまった私は、半笑いしながらカウンターへ。薬剤師さんも恐縮しながら若干笑っていて、お互いがなんとなく恥ずかしくなってしまった優しい時間でした。その時、確か社会人一年目で23歳。そのトーン、しっかり覚えていますよ。病院は怖くないよという温かさで包まれていたこと。
息子がまだ年中だった頃、このサイトの存在は伏せて、幼稚園に関する記事をプリントアウトし、担任のH先生を通して園長先生に渡してもらったことがありました。後日、正門の前で呼び止められ、気持ちが溢れたままの状態で言葉を並べてくださいました。「保護者の目線だけじゃないんです。司書をされていたから、これまで沢山の本を読んできて磨かれたものもあったのだと思うんです。でもそれだけじゃない。一体何が見えているんですか?私達保育士ともまた違った、R君のお母さんだから感じられるものがある気がして、長年保育士をやっていてこんな感動があったんだって、もう本当に嬉しくて。ありがとうございました。」深々と頭を下げてもらった時、涙が一滴こぼれそうで、その時園長先生から一つの“自信”をもらっていたのかもしれないなと改めて思いました。
そんな園長先生は、実は苦労人。0歳の時からお世話になっている公共施設のスタッフさんがこっそり情報を教えてくれていました。「あそこの幼稚園の園長先生は、女手一つでやりくりされていて、かなりご苦労をされています。いい先生ですよ。」と。初めてプレ幼稚園の説明会に行った時、何とも言えない愛情を感じました。上滑りしない言葉の中に込められた園児も保護者の方も大切にしたいと願う気持ち。保育園の空きを待つのではなくここに決める、なんの迷いもなくなった大きな一日でした。
そして、渡し続けた幼稚園の記事。卒園式は終わり、息子は園児ではなくなりました。それでも、最後にひと仕事残っている。深夜に泣きながら書いた卒園式の記事をプリントアウトし、さくらいろの封筒に入れて準備は万端。春休み、よく晴れた日にストライダーに乗った息子と二人で幼稚園に出向きました。日直の先生に渡し、最後のミッション終了。これで、私の幼稚園生活も本当に終わった。その後、ランドセルを背負った息子と一緒に行った入学式で、園長先生を見かけそれだけで沢山の想いがどっと押し寄せ、泣きそうになりました。来賓挨拶をして、退室しようとする園長先生に会釈をすると、こちらに気づき、何とも言えない表情で微笑んでくれました。「受け取りましたよ。最後の記事もあなたの想いも全部。ありがとう。」心の奥底で繋がり、先生の言葉が聞こえてくるかのような穏やかな一瞬でした。それが、6年間の活力にもなりそうな温度を含んでいて。
「何が見えているんですか?」園長先生の質問に答えなければ。それはきっと人のぬくもり、そして、その時に感じる心の景色。
本気出す?出しているよ。園長先生に押されたスイッチはずっとオンのまま。