自分だけの家計簿

最近、カフェで1か月にどれ位の出費をしているのか気になりだし、とりあえず『カフェーボ』を作成してみることにしました。敢えて解説はいらないと思いますが、カフェの家計簿です。てへっ。

小学校で司書の面接に行った時、校長先生と教頭先生と2対1の部屋の中で、Excelは使えますか?と聞かれたことがありました。「業務でも使っていましたし、自宅の家計簿もExcelでつけています。」と正直に話したら二人に笑われ、すっかり和やかムードに。大した操作はできなくても、とりあえずExcelとは友達だという私なりのアピールだったのですが、庶民的だと思われたのか、素の自分が出せて、それはそれで良かったのかなと思っています。最後に、校長先生が聞いてくれました。「図書館の何が好きですか。」と。こちらがどんな人なのか鋭い視線で確かめたいという訳でもなく、他の人との比較をしたい訳でもなく、ただ目の前にいる私に対して、あなたの率直な気持ちを聞いてみたいという優しい眼差しで。「本も、図書館という空間も、何よりそこに集う“人”が好きです。」そう伝えると、にっこり微笑んでくれました。この人は、本当に図書館そのものが好きなのだと、そう感じてくれた笑顔で。その想いを、そのまま児童達に伝えてくださいね。そんな言葉が無くても、その表情で伝わりました。あんなに温かい面接を、私は知りません。

Excelで家計簿をつけるようになったのは、あることがきっかけでした。関東のアパートに母が訪ねてきた時、テーブルに置いておいた家計簿のノートを見られてしまい、食費の少なさに驚かれてしまったから。母に余計な心配をかけるのがなんだか嫌で、そのことがあってからパソコンでつけるようにしています。

姉が大阪の女子寮にいた時、何気なく電話した時のこと。「お姉ちゃん、夜ご飯は何を食べたの?」「今日はポテトチップス。」「ん?おやつじゃないよね?!」「最近飲み会が多くて、調整してるの。出費も内容もね。」なんだか、そのポテトチップスが、姉の頑張りの象徴のようで、何か励ましたくなり母に話しました。すると、煮物を作ってくれて、私は洋菓子を焼き、それを慌てて宅配便へ。後日、腐っていなかったか心配で電話をしてみると、「ありがとう!さっき、全部食べたところ。」って、一気に食べたんかい!と一緒に笑えてきて。結構な量だったと思うのだけど、と思いつつその行為がいかにも姉らしく、なんだかほっとしました。「お母さんの煮物、相変わらず味が濃かったけど、久しぶりに食べたら懐かしかったわ。お礼言っておいてね。」という彼女らしい感想付き。姉の家計簿は、お菓子だらけでないことを願っていたよ。

父が、最終的にこっそり入金してくれていた学費。何も言わないから、誰も気づかず、後になってようやく母が気づき、その費用で大学が卒業できました。必死に貯めたお金は、司書講習を受ける為の費用や、関東に来る為の資金に。あの頃、本当に訳の分からない状態で、やり残したことが沢山あるので、もう一度、お金のことを気にしながらではなく、真剣に学びたいことを学べたらと願っていて。その費用はもちろん、日本料理店で働いたお金も入っています。その一部は、BVLGARIのオーバーホール代へ。あの4年間を忘れない為にも、支えてくれた人達を忘れない為にも。

それでも、もし余ったら息子の大学費用へ、なんて思っていますが、ここまでの記事を彼が目にしたら、きっと受け取らない。「何があっても、受け取らない。だって、母さんの大事なお金でしょ。それは、母さんが乗り越えてきたものだから。」未来の息子が、こんなことを言ったらきっと泣ける。