諦めないこと

7月連休の日曜日、エンジェルスの試合が何時から始まるかを確認した後、逆算しすごい勢いで家事をこなしました。大谷選手の試合が中心のようなライフスタイルになり、そこから自分のリズムをどう動かしていくのかを楽しむ毎日。息子も同じ熱量で盛り上がるいつもの週末を過ごしていると、アストロズ打線の猛攻があり、6点差になってしまいました。7回表相手チームの攻撃が終わった時点で3対9、今日の試合は難しいかなとなんとなく思っていると、推しのネト選手がツーランホームランを打ってくれて、二人で大喜び。そして、打線が繋がりまさかの同点に追いつき、胸が熱くなりました。その後、またツーランを浴び2点差、最終回にはさらに1点を追加され、3点を追いかける形で裏の攻撃、最初に大谷選手の打席が回ることに。息子は午後から友達と夏祭りに行く約束をしていて、思いがけず打撃戦になっていたので、試合時間は延び、待ち合わせまでぎりぎりの状態でした。祈るような形で第5打席を見守ると、カキーン。「入れ!入れ!入った~!!」と大騒ぎ。「33号打ってくれた!」と二人で歓喜し、球場の雰囲気が一気に変わったことが画面を通して伝わってきました。まだノーアウト、選手達の士気が一気に上がったことを感じていると、ヒットが繋がり、もう1点が入ることに。「どうしよう、ボク、お祭りにも行きたいんだけど、試合も観たい!」「今日のお祭り、○○先生(担任)も行くって言っていたよね?先生スマホ持っているから、試合結果を教えてくれるかもしれないよ。」「分かった!ボク、もう行くね!エンジェルス、連敗を止めて~。」そんな言葉を残し、慌ただしくお別れ。その後、同点に追い付き、試合は延長戦に入りました。タイブレーク制、ノーアウト二塁からのスタートで表を抑えてくれた後、エンジェルスのサヨナラのランナーが二塁へ。それから、ゲッツーでチェンジになりそうな試合展開の中、まさかのエラーでランナーが帰ってきてサヨナラ勝ちを決めてくれました。なんだかもう、すごい試合を見せてもらって。選手達がグラウンドで歓喜した後、日本のメディアにネト選手が答えてくれました。「諦めない。」と。最後まで諦めなかったエンジェルスの選手達が呼び込んでくれた価値ある1勝、何か大切なものを改めて思い出させてもらった気がしています。

そんな気持ちに包まれていると、ピンポンと音が。玄関に出てみると、汗だくの息子が登場。「暑すぎて1時間で帰ってきた!エンジェルス、どうだった?」「あの後、9回裏に同点まで追い付いて、延長10回にサヨナラ勝ちしたの!」「やった~!!ボク、お祭りでダーツをやって色々と当ててきたの。」と戦利品を並べわいわい。お祭りもエンジェルスも大当たりでいい一日だったね。ネト選手、ナイススマイルだったよ。心の中で届け、パソコンを持って息子の部屋へ来ました。別居をした後に、姉が渡してくれた彼女の服。膝上のスカートが多く、さすがに着れないなと思いながらも、わざわざクリーニングまで出してくれたネネちゃんの気持ちが嬉しく、ずっとクローゼットに入っています。彼女は私の強さも弱さも知っていて、なぜ卵巣が破裂寸前までいったのか姉にしか分からない視点で伝えてくれたことがありました。「Sちんは自分で病気を作り出してしまう所があるの。お父さんとお母さんの時もそうだった。中学の時もよく分からない病気にかかって相当吐いて入院したよね。Sちんは言いたいことを溜め混んじゃうんだよ。それが自分の中に溜まってしまって、言葉に出さないから体で伝えようとするんじゃないかなって。もっと分かってってSちんの悲鳴が私には聞こえるの。私は姉だから、Sは優しくこちらの意見を受け取ることもあると思う。家族だから自分の視点で言ってくれているんじゃないかなとかね。Sちんは、専門家の意見が入ることで、頭の中で冷静に物事を繋いでいけると思う。今必要なのは、そこなんじゃないかな。苦しい作業かもしれない。でも、Sは越えられるよ。」手術後、ホルモンバランスがガタガタの状態で、ホルモン治療に入り、いろんな辛さがある時に、姉が私の芯に触れてくれました。そして力強い心も。私にはSが思いっきり笑う表情が見えているから大丈夫だ。I am happy, but… じゃなくてI am happy.もう、カンマbutじゃなくてピリオドを付けようよ。いい?それがSを想う人達の総意だよ。夏の暑い日、息子と二人で暮らす家の子供部屋でパソコンを開いていたら、ネネちゃんの言葉を思い出し、涙が溢れました。I am happy. So happy. That’s all. And dear my sister, thank you for giving me wings.

姉に、残された卵巣があまり機能していない可能性と更年期症状が出てしまっているとメッセージで近況を伝えると、症状をピタリと言い当ててくれて驚きました。その想いに返信。『スーパーマリオシスターズになろう。ありがとうね。』ネネちゃんが微笑んでくれたのが、スマホを通して伝わってきました。婦人科の先生は、ホルモン補充の話は一切しなかった、自力でなんとかするでしょうと思われたのだとポジティブに受け止めていて。薬指だけマニキュアを塗ったら少しだけ元気が出た、膝丈スカートを履いたら女子力がちょっと上がった気がした、大谷選手のホームランを見たら魂が震えた、息子の笑顔がビタミン剤だと思えた。苦しい記憶が勝手に蘇り、それを覆い尽くす出来事にいつも助けられる日々。諦めない、でも時には諦めてもいいよ。自分が納得して進む道なら、全力で応援する。