どうしても気になること

息子がもう少し小さかった頃、トイレに行くと必ず一曲歌ってからしか出て来てくれず、廊下でヤキモキ。聴こえてきたのは、「ビスケットの中にはポケットが二つ♪」という曲。ん?逆じゃないか?!ビスケットの中にポケットが二つあったらびっくりするわ!!と思いながら、その間違いが可愛らしいなと気長に待っていたドアの向こう側。

男性のスーツ姿で気になるのは、ネクタイの色。失礼のないようにさりげなく見たい衝動に駆られます。個人的にはチェックが好き。なぜだろう、ちょっとしたお洒落感があるからかな。
以前、今の車を買う時に、急ぎの用事でディーラーの若い男性の方が、きちっとしたスーツで来訪されたのですが、既に息子を寝かしつけた後で、すっぴんでヨガパンツという恥ずかしい状態。まともに顔が見られなかったです。メイクしている時と全然違うじゃん!と思われていないことを願うばかり。

気分転換に、駅周辺を歩いていたら、花屋さんの前を通りかかりました。桜はもちろん好きなのですが、一輪だけと言われたら、ガーベラを選びます。花言葉がなんとなく気になって調べてみたら、お気に入りのオレンジのガーベラは、『神秘』、『冒険心』、『我慢強さ』。そんな意味があったのだと、ちょっと驚いています。不思議と惹かれるのは、凛としたイメージがあるから。たまには自分の為に買って帰ろうか。

少し前に、オリックスが近鉄のユニフォームを着て試合をしたことをニュースで知りました。その当時に使われていた“いてまえ打線”という言葉。ずっと“行ってまえ”という意味だと勘違いしていたようで、本当は大阪弁で“やっちまえ”という意味だったよう。私が始めて球場に行ったのは、意外にも、父が銀行の取引先の方からもらった近鉄対西武戦の試合でした。その頃、岐阜にいて名古屋駅まで母と行き、二人でナゴヤ球場のバックネット裏で観戦。私もまだまだ野球のルールがよく分かっていなかった頃で、母もさっぱり分からず、なんとなく観ていたら、左後ろにビールを片手に座っていたおじさん二人の会話が飛び込んできました。「しっかりせいよ!あんな球を投げとったらあかん!」気持ちよく酔っぱらったおじさん達の解説が面白く、母との会話もほったらかしで耳を傾けました。その二人は、熱狂的な近鉄ファン。名古屋から大阪までは近畿鉄道が走っているので、近鉄の試合が行われたのだろうと後から父に聞きました。

その後、近鉄がプロ野球から無くなってしまうというニュースを知り、何とも言えない寂しい気持ちになりました。だって、一番最初の野球場が、中日戦ではなく近鉄戦だったから。ルールが分からなくても、近鉄ファンのおじさん達が楽しませてくれたから。野茂さんがいてくれた球団だったから。そんな気持ちを抱えたまま、時は流れ、オリックスの選手が近鉄のユニフォームを着ていた姿を見て、小学校3年生の私が、なぜかそこにいるようでした。

その後、中学生になり父と観に行った中日戦。「お父さん、あの“F”というマークは何?」「フィルダースチョイス。野手選択。」なんだか難しすぎて、よく分からなかったのに、なぜか鮮明にその会話が心に残っていて。自分で調べろ!なのか、まだ理解するには早いと思われたのか。
野手が投げる選択を誤ったとしても、それはエラーではなくフィルダースチョイス。だから、進塁を防ぎたいなら、勇気ある選択をしろ。そういうこと?あのFは、勇気ある行動のマーク?