温泉に行きたい!

夏でも温泉に入りたいと思うのは、笑ってしまうぐらいの冷え症で、身体の芯まで温まると心の芯まで温められた感覚になるから。
猛烈に寒い冬に入る温泉はたまりませんね。

うちの近くにも一か所だけ温泉があるので、家族で日曜日の夕方に行こうと決めて準備をし、昼間に息子の写真を写真屋さんで撮った後に向かうはずが・・・。
思っていたよりも押してしまい、お茶をする時間どころか温泉がどんどん遠のき、結局タイムオーバー。
体が温まる瞬間を想像していたのに、リフレッシュもリラックスも去っていき、軽いショックだけが残りました。私が温泉好きなので、夫だけでなく息子もすっかり好きになってくれたのはいいのですが、私以上にショックを受けていたのか「大きなお風呂、入りたかったな~。」と連発。
ごめんねと思いながらも、つるつるだからいいじゃないか!ともちもちお肌に嫉妬してみる。

まあ、温泉は逃げていかないので、またの機会を楽しみにその日まで疲れを溜めておくことにします。溜めなくていいか!

私が温泉好きなのは、大好きだった祖母がよく連れて行ってくれたから。いつも同じところではなく、大きさも形も効能も様々な場所、沢山の思い出があります。
乳がんで入退院を繰り返す中で、弱音も吐かずに気丈に振る舞っていた姿が忘れられません。
胸が無くなっても、髪の毛が全部抜けても、笑っている人でした。
自分だったらできないだろうと思った小学校時代。
私が知っている美しい人、温泉に入る度に思い出します。

心と体って繋がっていると思うことがよくあって、どちらかが弱るとどちらかが引きずられる感覚があります。そんな時、自分の脆さを痛感するのですが、温泉に入ると両方が上を向く不思議なパワーを感じることができて、嬉しくなります。
子供の頃から体が弱かったのが今でも悩みですが、あの空間に身を置くとなぜか救われる。
人が元々持っている自然治癒力みたいなものに少しだけ触れることができる場所なのかな。

じーんとする感覚は、温泉が冷めてしまっても忘れないでいたい。

お守りっていくつあってもいいのかも。
これを食べたら元気になる、ここに行ったらパワーがもらえる、これをしたらまた頑張れる。
沢山あったら、一つ実行できなくてももう一つが盛り立ててくれたりして。

温泉に行けなかった我が家の夜ごはんは、てんこ盛りの餃子パーティ。
温かいお湯でほっこりはできなかったけど、皆の大好きな餃子でお釣りが出るぐらい満足した夜。

温泉に行きたい!そして湯船に浸かってそっと祖母の温もりを思い出そう。
美しさとは何か、教えてもらった場所だから。