トラブル回避

朝ご飯をあまり食べたがらない息子の為に、無印良品へミニラーメンの詰め合わせを買いに行ったランチタイム。そこへ、不動産関係の試験勉強中Hさんに会い、「お疲れさまです〜。」とにこやかに声をかけられ慌てました。庶民的な姿を思いっきり見られてしまったのですが、そこは開き直り負けないビッグスマイルで返事。「無印大好きHさん、さすが常連さんですね〜。」ははっ。レジ前で盛り上がっている場合ではない。どこで会っても、弾む会話が変わらないのがいいね。

そんな楽しい時間の後、シェアオフィスに戻り、次の記事を予約投稿しようとしたら、いつもの編集画面が開かず慌てました。ん?クリックしても切り替わらない。仕方がないので、プログラマーのMさんにメッセージ上で泣きつき、違う画面に張り付けるので何か表示がおかしかったら教えてほしいですと投げて終了。今日は、以前に仲良くなったITエンジニアの方も来ていたので、相談すれば助けてくれたのは分かっていたのですが、朝の段階で体の調子が悪いと話してくれたので、そっとしておくことにしました。きっとね、「なんだ、言ってくれたら良かったのに。」と言ってもらえるのは分かっていたのですが、小さな配慮と自力で何とかしたいという気持ちもあって。ノートパソコン自体に不具合があったら、ITに強いスタッフさんも助けてくれるであろうことは分かっていて、そんな仲間に囲まれていることが安心感に繋がり、気持ちが自然に上がっていくのだと綺麗な雲を見ながら思いました。人って大切。一人仕事なのに、助けられているという実感がそこにあるから。

大学図書館にいた頃、システムを入れ替えるというタイミングで、慣れない画面で皆が苦戦したことがありました。カウンター前の検索画面で、一人の男性教授が雑誌のバックナンバーを探していた時、1ページ目は開くのに、さらに遡った画面が開かず困惑されていました。誰からともなく助けに行こうとすると、「あった!」と教えてくれて。その時たまたま近くに男性の上司がいて、教授に声をかけている内容に嬉しくなりました。「私達職員もまだ慣れていなくてすみません。こちらが知らない操作やボタンを、もしかしたら利用される方の方が先に気づいてくださることもあるかもしれません。そんな時は、もし良かったら教えてください。いやあ、助かりました。」と。なんかいいな、こちらが教える側、先に慣れてある程度きちんとした状態で図書館サービスを提供していく側なのに、それはもちろん前提の中で、一緒により良い形に持っていけたら、お互いが学んでいけたら、そんな姿勢を謙虚に見せる上司から、学ぶことが多くて胸が熱くなりました。私達スタッフに聞こえるように言ったのは、失敗から学べという上司の愛も含まれていたのかも。

私の結婚前、父が心筋梗塞で大手術。彼女ではなく、父は母を頼りました。命に係わる重大な日。有給を取得し、帰省できないことはなかった、でもそれは違うと思い、母の意志を尊重しようと思いました。思いっきり誘導する言葉を選びながら。「お母さんが行きたくないなら、それも一つだと思う。女性としてのプライドを傷つけられたしね。こんな時だけ呼んでって思うかもしれない。その気持ちも分かるよ。でもね、お父さん、彼女がいても変わらず生活費を入れてくれていた。私が関東に住んでいることを知った後も、お母さんとおじいちゃんの為にね。お母さんは、Sを心配させないようにお父さんがやってくれたことだと思ったかもしれない。でも、家族愛がなければさすがに無理でしょ。お父さんだって出向になって、決して余裕があった訳じゃないから。そんな中でも、お母さんやおじいちゃんに対する感謝があったから、途切れることなくやってくれたことじゃない?私はね、この人達、心の奥底では繋がっていたんだなって嬉しくなったよ。憎みあっていた訳ではなくて、離れて、ようやく気付けたこともあったんだなって。だからさ、手術が終わって、お母さんが顔を見せてあげたら、お父さん嬉しいと思うんだ。色々あっても、家族だなって。そこにお母さんがいたら、格好いいよ。」この電話で最初から泣いていた母。邪魔するプライドと、持っていてもいいプライド。母がそのことに気づいてくれたらいい、そんなことを願いながら話しました。

私の気持ちを受け取り、予想よりも長時間に及んだ大手術中、ずっと固くて冷たい長椅子の上で、私に状況をメールしてくれていた母。その文面が、時に不安そうで、時に毅然とし、愛情と優しさに溢れていて、励ましながら一緒に泣きそうでした。
「お父さんがね、目覚めた時、“長い時間いてくれてありがとう。”って言ってくれたの。あなたがこっちにいたらあなたに任せてしまっていたかもしれない。ここに来させてくれてありがとう。」
なんて不器用な人達。こんなに素直な一面があるなら、沢山手助けするんじゃなかった!そう思えた、あまりにも温かいメール交換でした。人が人を想うから、こんな時に奥深くで優しさが届くんだ。
この人達の娘で良かった。