本気度何パーセント?

タイトルおかしくね?いやいや、こんな日もあるよ。さくらいろ、やっつけ薬物療法中だしね。そうそう、そうなんだよ。という小芝居はこのあたりにして。図書館で貸出返却の処理をする度に、目にする本のタイトル。バーコードをピッとやり、手元にある本とパソコン画面に映し出されたタイトルが一致しているかを確認。その時に、ふと元気をもらえるタイトルもありました。時にそれがサブタイトルであることも。全然関係ない話をして、学生さん達にエネルギーを分けてもうこともあったな。

毎日どんな気分かと言われると、ちゃぶ台をひっくり返したい気分です。とりあえず、シェアオフィスのデスクを確認したところ、固定されていたのでひっくり返すことはできず(当たり前)、やりたい衝動に駆られてもできないことが判明してこっそり安堵。備品を壊した場合、弁償するのは分かっているので、大人しく日々頑張ることにして。そういえば、姉が子供の頃に、気の短かった祖父が、こたつをひっくり返したことがあると言っていて驚いたことがありました。4歳も違うと、私が知らないことも結構あるんだなと。「いきなり部屋に入ってきたかと思ったら、ひっくり返したんだよ。何か面白くないことでもあったんじゃない?」「それからどうしたの?」「おばあちゃんが来て、ガラスの灰皿も反対になって落ちたから、黙って片付けていたよ。おばあちゃん、かなり苦労してきたと思う。」なんだか切ないなと思いながらも、それもまた我が家の歴史の一部なのだと思いました。誰かの後姿、子供ながらにずっと見てきたよ。

高校3年の時に、初めて会った叔父(父の真ん中の弟)。実家に遊びに来てくれた時、家の中の空気を読み、私を外に連れ出してくれました。「Sが置かれている状況は分かった。3人の間に入って、ぺちゃんこにならないように吐き出せる相手にはちゃんと言え。叔父さんに電話をかけてきてくれてもいいし、手紙でもいい。大事な姪っ子だ、我慢はするな。」なんだか堪らなくて。血の繋がった親戚が、味方でいてくれた。17歳になるまで一度も会えなかったのに、たった一回でぐっと近くに来てくれるなんて。「家族ってな、支え合うものなんだよ。犠牲になるのとはちょっと違う。Sはまだ高校生で、やりたいこと沢山あるだろう。いつも家族のことを考え、なんとかしようって目線がそっちに行っている気がした。本気で心配になったぞ。大阪に行ったお姉ちゃんに言えないこともいっぱいあると思う。そんな時には叔父さんを頼れ。お前一人で抱えるには大きすぎる。東京勤務だからなかなか会いには来られないけど、分かってくれる人がいると思うだけで、救われる時もあるから。」そんな言葉をかけてもらい、ぐっと涙を堪えていると、余計に居たたまれなくなったのかそっと微笑んでくれました。もっと早く来てやれば良かったな、そんな気持ちを含みながら。

時は流れ、大学4年の時に再会を約束。大学卒業前に、新幹線に乗り、夜の東京駅で待ち合わせ。私が道に迷わないように、ホームに降りるとスーツを着た叔父が待っていてくれて、泣きそうになりました。叔父さん、大学4年間も色々あったけどもうすぐ卒業できるよ、そんな思いがこみ上げてきて。「S、変わらないなあ。」「叔父さんもね!」そんな話でワイワイ帰宅。「義姉さんどうだ?」「うん、元気にしているよ。」あまり話したがらないこちらの様子に気づいた叔父は、沢山の気持ちを慮ってくれました。「単身赴任しているとな、一人も楽だったりして、でも家族の有難さを感じたり、本当に色々だよ。Sも社会人になる。やりたいことをやれ。」「叔父さん、ありがとね。お父さんとほとんどこういう会話をしたことがなくて、呼び出すだけ呼び出して、あまり話さないの。」「兄貴、昔から寡黙だったからな。でも、娘がそばにいてくれるだけで和んでいるんだよ。実家にお邪魔した時、兄貴とSの寝顔がそっくりで笑っちゃってさ。親子なんだなって思ったよ。別居っていう特殊な形ではあるけど、どこかで繋がっていられたらそれでいいと思うぞ。」うん、家族のぬくもりを感じさせてくれてありがとう。途轍もなく温かい血の繋がり。

「お父さん、東京で叔父さんに会ってきたよ。一番下の弟と兄貴が仲いいから、俺いつもちょっと寂しかったっていじけていたよ。」と話すとにやっと笑っていて。「お父さんのこと、心配もしていたけど、そっと見守ってやってくれないかって。男兄弟、多くは語らないけどなんかいいね。」そう言うと、父の心の中で何かが動いたようでした。俺の代わりに父親をやってくれたのかもしれないなと。「あとね、兄貴はパチンコに行くと、止め時を分かっていてその野生の勘がすごいって褒めていたよ。褒めるところじゃないしって思ったんだけど、一応伝言。」そう言うと、さらに笑った父。感じた?弟の愛、そして娘の愛。どうしようもないなって思いながらも、繋がりを大切にするよ。でも今は、父に対して本気度60パーセント。こっちはそれどころじゃない。