イントロを聴いただけで、涙が溢れそうになる曲があります。
それは、GLAYの『pure soul』という名曲。
大学に入ってすぐの時に、父がリストラの危機に陥りました。すでに家庭崩壊が進んでいた真最中、仕事を失うかもしれないという時、たまたま耳にしたのがこの曲でした。
高校の時からなんとなくGLAYは好きだったし、他の曲も聴いていたのですが、私の中で衝撃が走った瞬間を今でもはっきり覚えています。
歌詞の一部を書くことは、著作権法上の問題を考慮し、敢えて記載しませんが、作詞をされたギターのTAKUROさんは、一体どんな思いを今までされてきて、大切なメッセージを届けようとしてくれているのだろうかと。
自分が感じなければあそこまでは書けない、沢山の迷いや葛藤、そして感謝。
本当に、自分の人生の選択を迫られている時期でした。華々しい大学生活どころか、女子大生でいることがいけないのではないかと思い始めていた頃、この曲に出会いました。
何年後か、何十年後かにもう一度聴いた時、この時の自分に胸を張っていられるような生き方をしようと心に誓い、もう迷うのは止めようと決めた。
自分の夢を諦めて、もっと現実的になって、働くという道を選んだら、一生この曲は聴けないし、今の姿を後悔するだろうと。
周りから何を言われても、選ぶのは自分の意志で、大人になってからもう一度聴いた時に、よくやったと褒めてあげられるところまで進もうと思わせてくれました。
悔しい思いを沢山して、もうこれ以上無理だと思って、ふと聴くとまだ頑張れると何度も気づかせてくれて。
あの時よりは進んでいる、だから大丈夫。本当は同じ位置にいたのかもしれないのに、そうやって励まし続けてくれたかけがえのない曲でした。
私の大学生活を、そのまま象徴してくれているかのような、そこにすべてが詰まっています。
大学図書館で働いていた時、ある教授の方が学内の冊子の投稿の中で、「財津和夫さんの『青春の影』という曲の高い声を耳にすると、高校時代に好きな人と図書館で勉強をして、全く頭に入らなかった若かった青春を思い出します。」と書いてあった内容を読み、仕事中に胸が熱くなりました。
一日、胸がいっぱいでした。教授の曲に対する気持ちも、図書館がそういう場所であってくれることも、そして、頑張った先に司書になれて、こうして大学図書館で、このような冊子を手に取って涙を堪えている自分の姿も。
全てが、溢れそうでした。
一曲が、たった一曲が、その時間をそのまま連れてきてくれます。
ここまできた、そしていつでも戻れる、大切にしている自分の場所へ。