進んでいるという実感

1学期最後の参観日がやってきました。朝から雨で、ちょっとだけブルー。それでも息子を学区内まで送り届けると伝えてきて。「ママ、絶対来てね!」参観日自体はあまり好きではないのだけど、ママには来てほしい、そんな気持ちが伝わり必ず行くことを約束してお別れ。若干気が重いことがバレていたかなと思いながら、雑用をこなし、国会に社会見学へ行った時の写真選びがあったので、パソコンを開けました。すると、膨大な写真データの中で、息子の隣にはいつも幼なじみのD君が写っていて、お弁当を食べる時もベンチに座る時も、遊んでいる時も一緒でその姿に涙が一滴。幼稚園の年中からずっと友達、彼の深い優しさを知っていました。どんな時も息子のそばにいて、沢山の時を共有してくれているD君。二人の関係性が、記録物の中で再確認できるとは思っていなくて、なんだか胸がいっぱいでした。社会見学でさらに育まれた友情を、アルバムに綴じなければ。大切なものがそこには沢山詰まっているね。

外を見ると降り続く雨。気圧の変動もあってきついなと思いながら、歩いて行こうと迷ったものの、結局多少濡れるのも覚悟で自転車に乗り、学校へ向かうことにしました。すると、相変わらず掃除の時間に着いてしまって。そしたら、職員玄関からかわいい女の子が呼んでくれました。「R君のお母さん!」ん?誰だっけ?と思いながらも笑顔で挨拶すると、満面の笑みで誰かに声をかけているのが分かり、出てきたのは息子でひと言言われてしまって。「早くね?」なんだか男子の物言いだなと笑いながら返事をすることに。「雨だから早く出たら早く着いちゃったんだよ~。またね!」そう言って一旦バイバイ。声をかけてくれたのは同じクラスの子だったのね、一方的に顔を覚えられているなと嬉しい困惑。その後、とりあえず屋根のある場所へ行きたいと思い、昇降口まで行くと、「Rのお母さん!」とほうきを持ちながらこちらに寄ってきてくれたのは、3年生の時に同じクラスだった男の子でした。クラス替えでまだ戸惑っていた息子に、最初に声をかけ友達になってくれたのは彼。あの時はありがとうね、心の中でお礼を言ってご挨拶。「こんにちは。ちょっと早めに着いちゃったから、ここで待たせてもらってもいい?」「いいけど、寒いから・・・。」少しぶっきらぼうな伝え方をする子なのだけど、そこにはあたたかさがちゃんとあって。寒いから中に入っていていいよって言ってくれようとしたんだよね、ありがとうね。サッカー少年の彼、クラブチームで敬意も学んでいるんだろうな。グラウンドに向かって一礼する姿が浮かんでくる。さてさて、掃除の時間も終わったので、ゆっくり階段を上っていると偶然会ったのは担任の先生。ちょうど良かったと渡したかった書類を手渡すと、廊下は暑いから教室に入っていてくださいね!と相変わらず爽やかなスマイルで伝えてくれました。その配慮に感謝しつつも、さすがにせっかくの休み時間に子供達が戸惑うだろうと思い、廊下で待機。すると隣のクラスの旧担任の先生が気づき、お互い笑ってご挨拶。なんだか忙しいのに、気を使わせちゃったな、早く来すぎるのは良くないなと反省していると、教室からひょこっと顔を出したのは、D君。リアル版!と思いながら嬉しくなって一緒にご挨拶。次は交代で息子が顔を出し、その後、交互にまた他の友達、また違う友達、それが再度ローテーションされ、小学生かわいいなとほっこりしました。その後、声をかけてくれたのは仲良しのKちゃん。地元の友達に会ったような、懐かしい気持ちにさせてくれる彼女の柔らかさに今日も感謝。そして、授業が始まるので中に入ると、国語で班ごとの発表が待っていました。情報化社会について、いろんな角度から切り込んでいく子供達の視点に、こちらの方が勉強になって。そして、息子が落ち着いたトーンとよく届く声の大きさで発表をしてくれた時、いつまでも小さいと思っているのは私の方だなとはっとなりました。引っ越しをした時、いろんな気持ちがあった中で伝えてくれて。「ボク、引っ越しを経験してみたかった。」と。辛い思いをさせてしまったな、こんなことをまだ小学3年生の子に言わせたらだめだよな、頑張ってくれてありがとうね、いろんな気持ちが交錯した時。その言葉を改めて思い出すと、息子の強さを感じ、授業中に泣きそうになりました。彼は、プラスに受け止めようとしている、ママ、みんなと仲良くしているから大丈夫だよ、そんなメッセージが今回は強く感じられ、堪らない気持ちに。二年半、二人で沢山の失敗をし、そして越えてきたね。その実績は、心の中に積み重なって決して消えない。いろんな気持ちが渦巻き、ふんわり終わった授業参観。廊下に出ると、広報委員で一緒だった友達を見かけたので、声をかけました。すると、いつものように話してくれているようで、若干元気がないことが直感で分かって。聞いてほしいという感じでもなく、今日はそっとしておいた方がいいと思い、分岐点で別れを告げると、ひと言伝えてくれて。「落ち着いてからで大丈夫だから、お茶しようね!」いつもその気持ちに応えられなくてごめんねと思いながら、笑ってお別れ。本当の友達ってなんだ?!彼女は、私のタイミングをいつも待ってくれているのに、こちらは本音を話せない。手術をしたことも、離婚をしたことも、その後の治療や両親のこと、まだ自分自身整理しきれていない思いがあって、受け取る側を悲しませたくなくて、一人で越えたいんだ。待っていてくれるだろうか。

様々な気持ちが巡り、雨が止んだベンチで、息子の帰りを待っていました。すると、ひょこひょこやってきて、「ママ、来るの早くね?」とまた言われて。「ごめんね~。教室で、みんなで何して遊んでいたの?」「消しピンだよ~。」ああ、最近やたらとでかい消しゴムを買って持って行っていたな。先生が、暑いから中に入っていてくださいって言ってくれたから、一緒に消しピンで盛り上がっていれば良かったかな。息子の友達なら、みんなウェルカムで迎えてくれたかもしれない。情報化社会の中に、お母さんもいるよ。そんな優しい世界を作り続けたい。