笑いがあってこそ

寒暖差による辛さが連日出てしまっていたものの、薬が切れてもそれはそれで困ると思い、勢いで主治医のいる新宿へ向かいました。電車で運よく座ることができ、ほっ。そして、気持ちのいい空の下を歩き、ようやく病院へ。先生に呼ばれたので、近況とここ最近の困りごとを素直に話すと相変わらず穏和に聞いてくれました。「実は、首こりの影響からか顎関節症になってしまい、結構長引いているんです。先程待合室にいたら、この病院は鍼治療もしてもらえると書いてあったんですけど、今日って受けられますか?」「いい先生がいるんだよ~。ちょっと待っていてね。」とささっと席を外し看護士さんの元へ。先生、有難いぐらいにフットワークが軽いなと思っていると、伝えてくれて。「鍼の先生、土曜日しか今は来ていないみたい。ごめんね~。でね、僕の友達で、女性なんだけど、元々薬剤師だった人がいてね。勉強して資格を取って鍼灸師にもなったんだよ。新宿の向こう側なんだけど、行ってみる?あっ、最近連絡取っていないから、連絡先分からなかった~。」もうね、吉本新喜劇並みにずっこけようかと思って。このくだりは何やねん!と思いながら、先生の人柄が炸裂していて爆笑してしまいました。医師としてスペシャリスト、天才肌とはこういう人のことを言うのだろう、ただそこに一直線なので、他のことがちょっと天然で、それもひっくるめて主治医の良さで、こんな風に患者と向き合ってくれてありがとうと思いました。先生の癒しで、こりが和らいだようですよと思った帰り道。一緒に笑った空間、先生の気持ちも緩んでくれただろうか。医療現場にも笑いってきっと大切。

そして翌日、今年度初めての面談がやってきました。息子は半日で帰宅し、ものすごい勢いで友達と遊びに行くというお決まりのパターンだったので、ゆっくりと準備をして学校へ。早めに着いたので、廊下でぼーっとしていると、前のお母さんも少し早めに終わり男の先生に呼ばれました。「先生、ちょっと休憩してください。早く来てしまってすみません。」と謝ると、笑いながら恐縮され中へ入れてもらうことに。改めてお互いが名乗り、あたたかい時間が始まりました。気圧の変動の辛さをなんとか抑えようと、酔い止めのアメをなめながらで失礼じゃないかなとか、そういえば先生、息子の情報によると私の20歳下なんだよな、早く子供を産んでいたら親子ほどの年の差があるんだよな、ついにこういう日が来たか!と心の中で勝手に盛り上がってしまい、冒頭の話をあまり聞いていなかったという反省をここで書かせてもらうことにして。言い訳なのだけど、ものすごいおっとりした先生で、教育テレビのお兄さんや声優でもいけたんじゃないかとこちらの想像を掻き立ててくれるものだから、楽しくなっちゃったんだよ~。さてさて気を取り直して、息子の様子を改めて話してくれました。勉強に関しては積極的に分からないことを先生に伝える感じではないのですが、1年生の子達を両手で繋ぎ、いろんなお世話を楽しそうにやって、お友達との横のつながりも縦のつながりもとてもうまくやってくれていますと。少し引っ込み思案な息子、それでも彼の良さを見ていてくれる先生に嬉しくなりました。なんかね、6年生の4月もあっという間に過ぎてしまい、1日の価値が急に押し寄せてきて。先生にとっても初めての6年生の担任、今日という日を息子と私同様に大切にしてほしいなと思いました。小学生、私も本当に大好きで。息子が卒業すれば、もう小学校と関わることはぐっと減る。だからこそ、目に映る全てのこと、感じる全ての想いを心の中に残しておきたいのだと。

時は、小学校の自分の卒業式。愛知の学校に戻り、まだどこかで岐阜の小学校が懐かしく、いろんな気持ちが交錯する中で涙が溢れました。すると、ふと横を見ると泣いている母。式が終わり、母と合流すると伝えてきて。「なんか、岐阜の社宅生活大変だったなとか思ったら泣けてきちゃって。」って結局自分のことかい!!子供の成長とかなんか思わんのかと腹の中で思ったものの、それもひっくるめてうちの母で、隣で苦笑するしかなくて。その時、幼なじみのちょっとガッチリタイプの友達と写真を撮ってもらいました。彼女は後に中学ソフトボール部の正捕手になった友達。3年の時には生徒会長に立候補し、私が応援演説をすることに。何とも言えない格好良さというか潔さがあって、そんな友達と同じ時を過ごせたこと、一枚の写真に収まりお互いの卒業を祝えたこと、その喜びを改めて感じています。転校して戻ってきてからも、何も変わらない温度で接してくれたこと、それが本当に嬉しかったのだと。岐阜から戻ったのは5年生の終わり頃、なんだか6年生は余裕がないまま1年が過ぎてしまいました。だから、今度は息子と担任の先生と、自分に関わってくれる全ての方達と6年生を味わおうと思います。

穏やかに終わった面談、先生と席を立ち、ひと言どうでもいい話を放り込んでみました。「先生、アナウンサーの○○さんに似てるっていつもRと盛り上がっているんです~。」そう伝えると、後で調べてみますねという返事があるかと思いきや、思いっきり目の前で「今調べてみますね!」と嬉しそうにiPadで検索をかけてくれるので、その様子に笑ってしまって。「え~、僕こんなに頭良くないんですけど、嬉しいです!今度子供達に聞いてみます!!」と大盛り上がり。教員3年目にちょっと変わった保護者に会ったな、悲しいことがあった時にくすっと笑ってくれたらいいなという願いも込めて。先生、いい卒業式にしましょうね、その時まで一緒に駆け抜けよう。桜の木が緑に包まれ、雪を乗り越えた先に花開く時、何を思うだろう。