最近ゲットしたマックのおもちゃ、アンキロサウルス。随分大きな卵の殻から、可愛らしい恐竜が出てきて息子は大喜び。早速我が家のぬいぐるみ達に、自己紹介が始まりました。「小田原から来た、たぬきのたぬちゃんです。」「どうもどうも。ハッピーセットから来ました。よろしくね。」「ボク、静岡の動物園から来たホワイトタイガーちゃんです。」・・・。面倒くさいわ!一匹ずつやるんかい!!と寝かしつける前に、まさかのレギュラーメンバー全員自己紹介。ハッピーセットのおもちゃ、クオリティが高いなと感心している場合ではない。早く寝ましょうよ。
そんな慌ただしい夜を過ごし、いつものようにシェアオフィスに来ると、ドアの前で会ったのは、不動産関係の試験勉強中Hさん。「いつも見かけるんですよ。夜何時までいるんですか?」「大体11時までです。近くのカレー屋さんで週6日腹ごしらえに行っています。」やっぱりカレーってパワーフードなんだなと思いながら聞いていると、お店のスタッフさん皆のプロフィールを教えてくれて大爆笑。インド人のスタッフさんとイタリア人の店長さんと、インド人と日本人のハーフの子もいて、とホストファミリーのような伝え方に微笑ましくなりました。「家を買いたいからって色々相談を受けちゃって。」と嬉しそうに話してくれて。意外なところで人脈を作っている彼の人柄に本気のエールを送りたくなりました。こちらの時間を割いてしまわないように、適当なところで話を切り上げてくれる終わり方もさすがです。
まだ一人暮らしをしていた頃、冬の寒い時期に帰省をした時の事こと。「Sが帰ったタイミングで同窓会しようよ!」と誰からともなく言われていたので、高校1年の時の仲間が集まることに。そのクラスではない他のクラスの男子家族が経営する焼き肉店を選んだのは、マブダチK君。「せっかくだからさ、俺達で売り上げに貢献しようよ。」という彼らしい粋な計らいにみんなが納得。個人店が厳しい時代になってきたとぼやいていた野球部の彼の言葉が、K君の耳に入り、すぐに行動を起こし、その気持ちに賛同するみんなが大好きでした。母に場所を伝え、「行きだけ送ってほしい、帰りは誰かに送ってもらうから。」と伝えると、「お母さんも入ったことがないお店だから、一人で食べているわ。適当に帰るから。」と言われ、困惑してしまいました。大広間での同窓会で、その視界に入る席に一人で食事をされてもと思いつつ、帰ってとも言えない状況に、やむを得ず納得することに。
久しぶりに会った仲間は大盛り上がりで、みんなで乾杯!「S、おかえり。」と一人が口にすると、それに続いてみんなが言ってくれて、仲間っていいなと堪らない気持ちになりました。「ただいま~。やっぱりホームはいいね!」と明るく言うと、「お前、何も変わってないな。」なんて笑われて。そして、胃炎が酷かったのでお肉が食べられず、頼んだ石焼ビビンバがくると、「いきなりしめかよ!!」とみんなに突っ込まれ大笑い。気の使わない仲間との飲み会が心地よくて、楽しんでいると、目の前にいた女友達に誰のお母さん?と聞かれ、急に現実が蘇ってきました。「ああ、私の母。車で送ってくれて、食べていきたいって言うから。」「一人にしておいていいの?」「大丈夫。」そう言ったものの、もう少し空気を読んで早く帰ってよと心の中で思っていると、そんな私の気持ちを察知したK君がビール瓶を片手に、母の目の前に座りに行き驚きました。「おばさん、ここに座ってもいいっすか。」とすでにほろ酔いのK君は、母の返事の前にもうあぐらをかいて座っていて、母も喜び、その光景が微笑ましいやら有難いやら、なんだかやられたなと思いました。
彼が話す度に、笑いだす母。離れた斜め後ろで、温かい雰囲気を感じ、彼に一生頭は上がらないなと思いました。私を安心させるために、せっかく帰省した仲間とこんな時ぐらいお母さんに気を使わないで弾けろよ、そんな気持ちが痛い程伝わってきて。そんなテレパシーもアイツだからこそ。
母も帰り、落ち着いた頃、「S、そろそろ帰るか?何かと忙しいだろ。」とウーロン茶を飲んで、その日はみんなの足に徹しようとしてくれた男友達が声をかけてくれました。「ありがとう。じゃあ、送ってもらってもいい?」「俺も乗っていくよ、なかなかお前には会えないから。」そう言ってくれたのはK君でした。「いいよ。幹事だし、皆の輪の中にいてよ。」そう言っても、うるせい!と言って聞かず、便乗してきました。「お母さんの相手、本当にありがとう。」「俺がおばさんと話したかったんだよ。いいお母さんだよ。」言葉に詰まった私をドライバーの友達は、微笑んでくれました。俺達、丸ごとお前のこと見てるよ、だから安心して前に進めよ。そう言われているようでした。
帰宅すると、上機嫌で母が話してくれて。「一人で焼き肉を食べていたら、K君が目の前に座ってくれてね、仕事の弱音を吐いてくれたの。おばさん、俺、結構大変なんですよって。なんだかとっても嬉しかったわ。いい友達を持ったわね。」参ったな。母の性格を知った上で、甘えたふりをしてくれた彼。それを本人に言ったところで全否定をしてくることも分かっている。「話しやすかったから聞いてもらったんだよ。」と。荷物、俺にも持たせてくれないか?そう言った彼の有言実行に、いつも気持ちが持っていかれる。助けを求めない私に、誰よりも早く気づいてくれた人。