改札の緊張感

慣れないノートパソコンを持って改札を出ようとしたら、いつもより荷物が多いせいか、なんだか慌ててしまい、落とさないように慎重に通過。混んでいない時間帯でも、なぜか改札は緊張します。

大学時代は、名古屋駅から東山線に乗り換える時、かなりごった返していて、毎朝もみくちゃにされました。講義が2限からの時はものすごい優越感で。電車の中で、体とバッグが全然違う所にあるなんて本当かなと思っていたのですが、実際経験してみて納得です。

地元でそんな状態だったので、関東に来てからもそこまで驚かなかったのですが、新宿駅の朝は凄かった。人の流れが決まっている訳ではなく、まっすぐ進む人と斜めに進む人と、本当に色々で、ここまでくるとこの状態を楽しんだ方がいいのではないかと思えてきて。

接骨院の先生の朝は、単線でゆっくり通勤のようなのですが、先生が降りる駅は乗り換えのできる改札もあり、2つしかないらしい。1か所をおじさんがたまたま塞いでしまったら、流れの良かった平和な駅が、途端に人で溢れかえってしまったよう。
「どんどん後ろが詰まって、なんだかおじさんの困った表情を見て切なくなりました。」と優しい先生が苦笑い。

以前、PASMOとSuicaを両方同じカードケースに入れていたら、朝のラッシュ時に、ピコンと鳴ってしまい、後ろにいたビジネスマンの方に舌うちされました。本当にごめんなさいの世界です。
ほんの少し遅れただけで、乗り換えの電車を逃してしまうという状況で、目の前のどんくさい女性が改札を塞いだら、それはイラッとしてしまうかも。かなり慌てる瞬間です。

バッティングセンターにも左利き用があるんだから、改札にも作ってもらえたら、こんなに焦らなくてもいいのかな。そこのレーンだけ空いていそうだ。

一人暮らしの時、名古屋に帰省して、名古屋駅まで車で送ってくれた母が、わざわざ改札まで見送ってくれました。切なくなるからいいと言ったのですが、全然聞いてくれなくて。いつも半泣きして手を振ってくれて、毅然としたふりをしてお別れをし、新幹線に乗ると、『いい日旅立ち』のオルゴールが流れてきて。
泣けてくるわ!!と、JR東海に言いたくなる絶妙なタイミング。

最寄り駅に着くと、恋人だった夫が改札まで迎えに来てくれていて、ようやく張り詰めたものが緩むあの時間がとても好きでした。
お礼に、天むすと味噌カツと手羽先のセットを渡して、ふわっとした時間が流れる。職場の人にお土産を買っていくからと母に近くで待ってもらい、こっそりKIOSKで買ったもの。

改札口は、切ない別れや、温かい再会がありますね。新幹線乗り場は、遠距離恋愛をしているカップルを時々見かけるし、数えきれないドラマがそこにはあるんだろうな。

朝は人にまみれて通った改札も、帰りはほっと通過できるあの時間もなんかいい。