その日にこだわらない

息子が学校から帰ると、手も洗わずに、自宅専用の本人が勝手に作ったお道具箱に張り付いてしまいました。早く洗いなさい!と訴えても何かに没頭。ようやく仕上がったのか、満面の笑みで近づき、伝えてくれました。「ちょっと前、ママの誕生日だったから、学校の休み時間に作ったんだ。」と言って渡してくれたのは、ビーズで作ったブレスレット。それを包むために一生懸命折り紙で袋を作り、中に入れてプレゼントをしたかったよう。「この前は、手紙とシールだけだったから、ボク自分で作りたかったんだ。」くそ~、嬉しいじゃないか。たまに行われる昼休みの時間に、工作ができる講座のようなものがあり、喜んで出向いたよう。その気持ちをどんな時も忘れない為に、パソコンバッグの中にしまってあります。自分専用のデスクが持てる日まで、頑張ろう。

少し前のプログラマーMさんとのミーティングで、思いもよらないものを渡されました。それは、『40代にしておきたい17のこと』(本田健著、大和書房)という文庫。この本は、Mさんと出会って少し経った頃、既に40代だった彼に渡したものでした。30代半ばの時に、人生の予習で読んだものを、人生の先輩である彼にも読んでもらえたらと思い、さりげなく渡したものが40歳で返ってきました。どうやら私が40代になったら返してねと伝えていたらしいのですが、すっかり忘れていて、粋な計らいに堪らない想いがこみ上げました。投げたものが跳ね返ってくる時、それは時を越えて、もっと沢山のものを含んで戻ってきてくれたような気がして、あの頃とはまた違った視点で捉えるであろう一冊の本を読むことが楽しみです。後悔のない10年を送る為に、今の自分にできること。

高校1年の担任の先生は、超クールなサッカー部顧問の体育教師。サッカーにしか興味がないんじゃないかというぐらいのさっぱりした人で、だからこそなぜか皆に好かれていました。そんなある日、朝会で校長先生が挨拶した時、「1年3組の○○先生が結婚をされ、少しの間お休みを頂きます。」とお話され、クラスの皆が一同にずっこける始末。聞いてないよ~。先生、いくら口下手だからといっても、それぐらい話してよ~と誰もが思った朝会の時間でした。それでも、皆はお祝いムード。新婚旅行から帰ってきた先生に、皆でブーイングを言った後、おめでとう!!を連発すると、若干照れながら伝えてくれました。「お前達に話すことでもないだろう。」え~!先生、結構みんな好きなんだよと、大盛り上がり。結婚式が終わろうがハネムーンが終わろうが、関係ない。先生の適当なキャラで私達は助けられているから、いつだって祝いたい、そんな気持ちがクラス全体に広がりました。3年の時も、その先生が担任に。受験を乗り切れたのも、全く私にプレッシャーをかけなかった先生のおかげ。「なんとかなるだろう」この言葉に何度助けられただろう。

今朝、シェアオフィスの1階で、よくお会いするご年配の男性に話しかけられて驚きました。とても自然に、まるで前からの知り合いだったかのように。同じ部屋の中、見ていないようで見ている、そしてこちらが思っているよりも身近に感じてくれているのだと、嬉しくなった朝。住んでいる場所も近くだということが分かり、その辺りで行われたイベントは終わってしまったのですが、そこの事務局長さんだったことが判明。まだ市役所で展示はされているからと丁寧に案内をされたので、帰りに寄れたら寄って来ようと思います。「なんだ、お近くだったんですね!」一体私はこの街で、どれだけの知人や友人ができたのだろうか。関東に来た時、一人でショッピングモールに行き、自分のことを知っている人は誰もいないのだと、幸せそうな人達を見ながら思いました。
今は、一歩外に出たら、誰かに声をかけられる。自分で築いた温かいホームがここにある。