問いかけてみる?

本当に久しぶりの疑問文。もう一度人生をやり直せるとしたら、どんな生き方をしたいですか?何度も自分に問いかけてみました。体の弱さは、繊細さと繋がっていて、それを持っているからこそ、誰かの辛さに到達できるのかなと思うことがあるので、そこは変えたくない。でも、睡眠だけはもっと深く取れるようになりたいからここは課題に残すことにして。そして、姉と同じ高校に行きたいと無性に思うようになりました。なぜだろう、彼女の歴史を辿りたくなったからかな。根底にある悲しみの一端を探しに行けたなら。

中学二年、反抗期の真っ只中、ご飯前に姉のいる前で母が私に伝えてきました。「お姉ちゃんは少し勉強したらすぐに結果が出るのに、Sは全然ダメね。平凡な成績でもっと頑張らないと。」その言葉でカチンときてしまい、目の前にあった箸を思いっきりテーブルに投げつけると母と姉はびっくり。その後に母の罵声が飛び交うのは分かっていたので、そのままご飯も食べずに自室へこもりました。母の育児はいつも比較級、それがとても嫌で、行動で怒りをぶつけられてどこかですっきりもしていて。お姉ちゃんは頭がいい、だから私は3倍努力をしているんだよ、そんなことを思いながら悔しくて泣いた記憶はずっと胸の中にありました。その後、テニスだけでなく陸上部にも力を入れた結果、三年生の成績は二学期になってガタ落ち。ランクを一つ下げた高校と、姉の出身校でこっそり進路を迷いました。岐阜から愛知の高校へ県外入試を受けた姉は、本来ならもっと上の高校へ行けたはず。安全を取って選んだのは知っていたので、同じ高校へ行くことにどうしても抵抗を感じてしまい、厳しいと分かっている高校を選択しました。結果的にそこでマブダチK君に出会えたので、きっと正解だったのだろうけど、姉の本当の痛みに触れた時、彼女の歴史を辿ったら気づけることがある気がして。一日だけでもタイムマシーンに乗れないかな。

久しぶりに再会した時、私が箸を投げて怒った時のことを話すと、姉は全く覚えていませんでした。「そんなことがあったんだね。私の方が、頭がいいなんてことはないよ。Sちんの方がいいもん。でも反抗期って大事だね。」母は常に姉と私を比較、それにより姉妹間コンプレックスをそれぞれに持ってしまったものの、そういった時期はとっくの昔に過ぎ、お互いを尊敬できるところにまで辿り着いていました。姉は英語が得意、妹は社会科が好き、それぞれの分野を伸ばし、活かすために努力をする姿を応援し合う関係に。大学二年、日本古代史のゼミのレジュメを、かき集めた文献に埋もれながらWordで書き上げると、大阪から来ていた姉が読んでくれました。「さっぱり意味が分からん。」「書いた本人もよく分からないんだよ。」そう言うと一緒に笑ってくれて。古代史に興味を持ったのは、日本の土台を知りたかったから、そして、戦争に行ったおじいちゃんの気持ちを少しでも感じられる気がしたから。姉は英語でどんどん近代的になっていく未来を見ていた、そして、妹は社会科で歴史を辿った。そんな姉妹だから、お互いを尊重し合えていたのだと改めて思いました。張り合うポイントがどこにも見当たらない。

憎しみからは何も生まれない、だから夫のことも、笑ってエールが送れる自分でありたいと思っています。こんなことをされて嬉しかったこと、こんな言葉をかけてもらえて優しい気持ちになったこと、届けられるタイミングがあったら彼に伝えようと思います。
大学一年生の時に付き合っていたのは、26歳の8歳上の男性でした。随分背伸びをしていることに気づかないふりをし、その後遠距離恋愛に。甘えるのが下手な私は、思うように寂しさを伝えられず“大丈夫”を連発。本気で可愛くない女性だっただろうなと思います。その後、彼が忙しい中車を飛ばし、会いに来てくれました。「俺達さ、向かう方向が違うと思うんだ。」それが何を意味するのか理解するのに、そんなに時間はかかりませんでした。「うん、分かった。仕事が忙しい中、会いに来てくれてありがとう。おやすみなさい。」そう言って、とびっきりの笑顔を見せて、助手席を降りました。日本一かわい気のない女性だなと思いながら、ポロポロと泣けてきて。それでも、どこかでほっとしたのは、自分が大人にならないと釣り合わないとずっと思っていたから。その後、お化粧品を買いに行くとメイクもしてもらえることになり、話しやすい店員さんだったので、最近の失恋話を聞いてもらいました。すると、思いがけないことを言われて。「彼、○○さんの未来を見てくれたんでしょうね。嫌いで別れるなら、電話やメールで良かったと思うんです。でも、わざわざ遠くから別れ話をする為に来てくれたのは、本当に好きだったから、遠恋で縛らずに自由になってほしかったんだなって。」そう言われてはっとしました。それまでは、振られてしまった悲しさで覆い尽くされていたから。人生の先輩が届けてくれた視点が、どうしようもなく有難く、誰かと別れる時は私もそんな人でありたいと思いました。
問いかけてみる?あの頃の私に。別れは、人を強くも優しくもする。だから、あなたの判断は間違っていない、この先に繋がる大きな経験をしたねと。