夏の終わりを感じる時

息子との長い夏休みが終わり、ほっとしていると同時に、秋の風が部屋に入り込んでくるようになり、少しだけ寂しい気持ちに。
ようやく涼しくなることが嬉しいはずなのに、夏の弾けた雰囲気が無くなっていくことで、ふと立ち止まって振り返りたくなる、不思議なものですね。

ずっと行きたいと思っていた草津温泉に家族で行ってきました。
大きなお風呂が大好きな息子と入ると、「卵くさい~。」とびっくりしていたのですが、私は硫黄の匂いとお湯の柔らかさに感動。
でも、本当に心が和んだのは、ご年配の男性がイベント中のホテル職員の方に向かって、「また来たよ~。」と手を振った時。
またこの場所に戻ってきたよ、やっぱりここはいいね、ほっとするよ。
そんなメッセージが感じられて、人と人の繋がりが、心の柔らかさに繋がっていくのかななんて、伝統の『湯もみ』を見ながら感じた温かい時間でした。

夫の夏休みが終わり、息子との生活に戻ると、「ママ~、サンドイッチ食べたい。」と言うので、「何を挟む?」と聞いてみると、「ハムとチーズ、あと、パンとパン。」
知ってるわ!!! パン使わなかったら、どうやって挟むねん!
といういつもの日常にすっかり戻ってしまい・・・。

旅の後のこうしたやり取りが、なんだかとても大切なものに思えてきて、楽しめたことに心から感謝しよう。

久しぶりに幼稚園に行った息子は、先生の前をキープして、ひとしきり夏休みの話をしたそうです。
お休み中、ずっと先生に会いたいって言っていたから、本当に嬉しかったんだろうな。
でも、独り占めしたらだめだよ。

夏休みの思い出の絵は何を描いたのか聞いてみたら、花火とオレンジだったそうです。
地元の花火は毎年楽しみにしていて、心に残るのは分かるのですが、オレンジはどこで食べたかな。
あっ、草津温泉のホテルだ。
ブッフェスタイルで、ひたすらオレンジを食べていたことを思い出しました。

温泉の匂いも、旅先での会話も、帰りの遊園地も、忘れていってしまうのかも。
でも、オレンジをてんこ盛り食べた時、ふと懐かしさが込み上げてくれたらいいな。
旅ってきっとそういうもの。
そして、「花火とスイカ」ではなく「花火とオレンジ」の絵は、今年しか描けないよ。
夏の思い出、小さな心にしまっておいてね。

「また来たよ~。」私も、そんな場所を作りたい。
秋の気配を感じながら、懐かしい人達の顔が浮かびます。
また会いたい人が、こんなにも沢山いる。