芯を貫くこと

木曜日公開の今日は、仕事始めの方もいらっしゃるかもしれませんね。いい表情で、いい心意気で今日という日が、この一年が明るくなりますように。カウンターの向こう側で、背中を向けて帰る読者さんお一人お一人に元気を届けられるよう、私も頑張ります。

まだ20代の頃に通っていたホットヨガ。そこでインナーマッスルを鍛える為に、インストラクターの先生がレッスン中様々なアドバイスをくれました。「どのポーズをとる時も、体の真ん中にポールが一本入っているのをイメージしてください。芯をずらさない、そうすることでゆがみも減り姿勢が良くなります。」それ以来、日常生活においてもポールを意識し、それって心にもそのまま当てはまることだよねって思うようになりました。自分の芯を曲げない、それは意地になるのではなく自分を持つということ。柔軟に曲がりはしても、真ん中にある気持ちをいつも大切にしていたいと、そう思わせてくれた沢山の方達に助けられ、2022年のスタートです。
年が明けた高校受験前、みんなを励ます意味でも、中学3年の担任の先生達が日めくりカレンダーを考えてくれました。一日一枚、生徒の言葉と日にちを書いた紙が黒板の端に掲示されることになり、みんなが真剣に考え、いい時間が流れたある日の授業。その中に書かれた一枚には、『意志あるところに道あり』とあり、なんだか考えさせられて。自分の意志があれば道って拓けるんだよね、そんなことを思ったら受験への足取りも少し軽くなれたような気がして、先生達の意図が分かりました。ひとりじゃない、みんな同じ目標に向かって進んだ喜びを忘れないでいよう。想いは時を越え、自分の中にずっと残る。強く優しければなおさら。そして、ふざけた男子が、『志望校を母校にしよう』と書くものだからみんなに突っ込まれて。「これってどこかの予備校のキャッチフレーズじゃない?」と冷静な女子。「いいんだよ!これでみんなが頑張れれば!」と開き直った男子君。一日黒板の端に掲示されるものだから、毎時間教科の先生が変わる度に突っ込まれ、その度に笑いが起きました。みんなで沢山考え、相手を尊重する、そんな3年間は人格を形成する上で自分の基礎になってくれたあまりにも貴重な時間だったのではないかと、ふと思うのです。これまでの年表の中で、赤く太く多くのことを学んだある意味私の革命でした。本当の自分を見つけた日。

その後、高校でマブダチK君に出会い、大学生になり深夜に一本の電話がかかってきました。「もしもし。」「なんでお前電話に出るんだよ!」「はあ?かかってきたから取ったんだよ。」「こんな時間の電話まで取るな。この間○○ちゃんと会った時、すごい悩んで深夜にSに電話したら、長い時間話を聞いてくれて楽になったって。お前さあ、今自分の家庭のことで精一杯のはずだろ。余裕がある中で話を聞くのはいい。でも、いっぱいいっぱいの中で誰かを助けようとするな。いいか、とにかく夜になったら携帯の電源切って寝ろ。今日はその確認で電話したんだよ。」「・・・でも眠りが浅いからいいよ。」「よかね~よ!!ばかが付くほどお人好しなのは知ってる。でも、頑張りすぎるな。」真正面からぶつかってくる友達。正面衝突したことがもしかしたら一番多い相手だったかも。その言葉の裏側にあったものはいつも丸ごとの肯定、だから私は私でいられたんだ。
そんな時を過ごし、出会った漢方内科の主治医が年末の診察で伝えてくれました。「なんでも言われちゃうお母さんの子に生まれ、旦那さんにも苦労させられ、あまり反撃しないからそういったことが起こりやすくなってしまうんだろうね。心を強くする漢方でもあったらいいんだけどなくてごめんね。今度のお正月はまだ辛い中にいると思う。でもまた次のお正月は、あなたがもっと幸せでいてくれることを祈っているよ。頑張って。」先生、その言葉が私の心を守ってくれていますよ、これまでもこれからも。立場を越え、医療を越え、届けてくれた優しさは大きな力に変わりました。生きていくことって大変ですね先生、でもね、あなたのような人に囲まれているから幸せですよ。そのハッピーがウルトラハッピーになるように頑張ります。そんな気持ちでお礼を言うと、「良いお年を。」と最後に伝えてくれました。「良いお年を、先生も。ありがとうございました。」先生との間に流れる湧き水も沢山見つけたよ。

『お父さん、本当に色々なことがあって別居をすることにしたよ。離婚は時期を見て決めることになると思う。私とRのこと、これからもよろしくお願いします。』とできるだけ詳細に伝えると、数時間後に返信がありました。『Rは寂しがらないかな?』なんだろうな、この一行で泣けた。Rは離れて大丈夫か?Sが長い時間かけて出した結論なら反対はしない。いろんな覚悟がいるぞ、子供を守り抜け。
お父さん、私はRも夫のことも信じているよ。これが最善の道だと。それぞれの方へ行き、沢山悩み、自分と向き合い、少し光が射しこんだ時、共に歩いた10年間はきっと生きてくる。そう信じて、前に進むよ。そんな中で、合流できる公園を見つけたら素敵じゃない?私達の家族のかたち、探して行くから。自分を信じる、その先にキラキラ光る希望があるといいな。