面白いから許す

まだまだ息子が小さかった時、言葉もまともに覚えられない中で、私の口癖を真似するようになり、笑ってしまったことがありました。何かをやり損ねたりすると、「Opps!」と言ってしまうのをしっかり聞いていて、返ってきた言葉は、「オップシ!」。「ッ」しか合ってない!感覚的に言葉って覚えるのかなと、幼児を育てる楽しさを一人で味わった懐かしい記憶。

未だに間違えているのが、「おたかづけ」。「お片づけ」だと訂正してもずっと間違えているので段々面倒になり、そのまま放置。小学校にも上がったら気づくでしょう。
枝豆のことを「えだだめ」とも言っているな。まあいいや。

そういえば昔、「エンゲル係数」のことを、エンジェルケースだと思っていて、そのまま大人になり、姉が結婚し、「最近我が家のエンゲル係数が高くて困る。」と話してくれた時、さっぱり意味が分からなくてエンジェルケースの話をしました。お菓子がいっぱい詰まった夢のケース(子供の私が想像で作ったもの)のことです。「そんなでよく社会人になれたね。」と散々笑われました。天然が許されるのも10代までだよ!としっかり言ってくるところも姉らしい。

そして、もう一つ。姉が使い捨てコンタクトレンズを受け取りに行く際、現地で待ち合わせをした時のこと。先に席で待っていた姉に、ここまでどうやって来たの?と聞かれたので、「ノンストップバスできた!」と話すと、「あんた、ノンストップだったらどうやって止まったのよ!ノンステップバスでしょ!!」と散々突っ込まれ、周りにいた男子学生さんにまで笑われてしまいました。ずっと勘違いをして今に至っていること、まだまだありそう。

そして、母が、以前私に、「ベンツの中にBMWがあるの?」と訳の分からない質問をしてきたことがありました。多分、トヨタの中にビッツがあるの?というようなことを聞きたかったらしいのですが、どちらもブランド名です!!
さらに、大学時代の女友達は、セダンというのは車種名だとずっと思っていたらしく、私がホンダの中にある“セダン”に乗っていると勘違いしていたよう。シビックフェリオですよ!

息子が、赤のクレヨンで壁に少し落書きをしてしまい、「これ誰がやったの?!」とかなり怒ったら、「パパ」と言ってきて、思わず笑い転げてしまいました。一生懸命働いているのに、こんなところで犯人扱いされるって・・・。職場からくしゃみが聞こえてきそう。
一人っ子だから、誰かのせいにすることはないと思っていたのに、しっかりパパのせいにする習慣は身についてしまったよう。ソファにこぼしたアイスクリームも、パパの仕業になっています。

ある親戚のおばさんが、私が20代の頃に、「お母さん、ものすごく献身的におばあちゃんの介護をやっていたよ。」と話してくれました。そして、30代になりまた別のおばさんに、「お母さんは、家政婦さんを雇っていたから、病院に行っても誰かと話しているだけだったよ。家事も育児も苦手だったんだろうね。」と言われました。
真逆の意見に多少なりとも混乱。それでも冷静に思う。どちらも母の側面だったのだと。

母の超天然ぶりが面白いから許す、いつかそんな日がきたらいいと心から願う、今日この頃。