ホームグラウンドへ行く

ずっとお世話になっているスタバ。そこへ最近行かずに別のスタバに浮気をしていたのですが、2か月ぶりぐらいに行くと、顔なじみのスタッフさんが満面の笑みで伝えてくれました。「お久しぶりです~。お元気そうで良かった!来てくれて安心しました。どうしているかなとずっと思っていたんです。」もう、感激以外の言葉は見つかりませんでした。嬉しいですね、こんな風に待ってくれている人がいて、一お客の私を大切にしてくれる。「ライターさんが書いてくださる店内コンサートの感想、本当に励みにしていて。」そんな言葉を心から伝えてくださるあなたが素敵。

そして、母に息子を見てもらう約束の日程がずれてしまい、困惑している私に母が言ってくれました。「お父さんの平日休みがまだ不定期で、こちらの思い込みで予定を決めてしまいごめんね。」と。そして、スケジュールを変更し、大丈夫なことを後から連絡するとほっとした様子で伝えてくれました。「あなたに迷惑をかけてしまったこと、反省していました。予定を変えてくれてありがとう。」母は、ありがとうとごめんなさいが言えない人だったのに、知らず知らずのうちにとても自然に言葉に出してくれるようになりました。温かい家、本当にもしかしたらできたのかもしれない、何度も諦めかけた小さな希望を消さなくて良かった。

シェアオフィスのラガーマンTさん。夏の暑い時期にお会いすると、こんがり焼けていて笑ってしまいました。「すっかり自転車焼けをしてしまって。でも、現役の頃の方がもっとくっきりだったんです。日焼け止めを塗ったところで、汗で流れてしまうし、相手選手とぶつかれば取れてしまうから、もう塗らなくなりました。」気が付くといつも、ラグビーの話題になっている彼の精神がやっぱり嬉しい。「せっかくなので、もっとこんがりしてください。」「いやあ、どこの人だって言われそうなんでこのあたりにしておきます~。」いいね!ちょっとふざけたパスも気持ちよく受け取り、青空にキックしてくれる。彼の攻撃リズムは、こんな一日の始まりからなのかも。

東京。子供の頃はとっても遠いと思っていたのに、今は身近な場所。まさかそこで父が勤務をすることになるとは。そう言えば、関東への転勤の話は聞いたことがなかったな。銀行が合併してから、愛知県内の異動が多くなり、今どこの支店にいるんだっけ?と聞くこともしばしば。実家を出て、一人暮らしを始めた父が落ち着いた頃、朝一で佐賀に帰省するから、バスも走っていないし、うちのマンションに泊まって名古屋駅まで送ってくれないかと言われたことがありました。彼女に遭遇してしまった後だったし、どうしようかと思っていたのですが、転勤を繰り返しながらも生活費を入れてくれている父に対する感謝もあり、引き受けることに。ジャージ姿で夜に出向くと、「俺はソファで寝るから、Sは布団で寝ろ。」と言われ、そのまま横になろうとすると、長い髪の毛が一本。その当時髪の短かった私のものでないことは明白で、ここで寝れるわけないよねって思いながら、一睡もできずに父を車で駅まで送りました。帰り道に、ポロポロと泣けてきて運転は危ないし、寝ていないし、よく分からないコンディションのまま自宅に駐車し、深呼吸を一つして帰宅。その日の夜だったかな、大阪から戻ってきた姉が、洗面所でこっそり吐いている私を発見。「どうしたの?」と本気で心配され、誘導尋問を受けてしまったので、仕方なくお母さんには絶対に黙っておいてという前提で、詳細を話すと姉の表情が凍り付きました。「私はもう、あの人を父親だとも、人間だとも思わない。あんたがもし結婚できなかったら、あの人のせい。S、これ以上家族の為に動いたらダメ。やっぱり強制的にでも大阪の大学を受験させれば良かった。いい?お願いだから、もう傷つかないで。私は大阪だから、近くで守ってあげられない。だから、Sが自分で自分のことを守ってほしい。もう、マンションには行ったらダメだよ。」姉の優しさの中に強い憤りと悔しさや後悔、どうやったら妹を解放できるだろうという沢山の気持ちが渦巻いていることが感じられ、ここで泣いたら姉はもっと私の為に心を痛めるだろうと、だから絶対に泣いたらいけないのだとぐっと堪えました。そんな表情まで、きっと全てが彼女にはお見通しでした。

「お姉ちゃん、大学卒業できるまでの学費が、アルバイトで貯まった。もう怯えなくていいよ。」「あんたがコツコツ貯めていることは分かっていたよ。協力できなくてごめんね。自分の力で何とかしようとしたことは、Sの自信になる。大きなことだよ、とっても大きなこと。」そう言って、ほっとしてくれました。
ホーム、それは家という意味だけじゃなくて、人の心の中にも居場所を作ってくれることなのだと、離れていても受け止めてくれる場所があるのだと教えてくれた姉のポケットは、あまりにも温かい。