共に成長を

そういえば、この間の週末、プログラマーのMさんが教えてくれたお好み焼き屋さんへ息子と行ってきました。そこは大阪駅で最後に食べたお店と系列で、近くにあることが分かり息子と歓喜。お腹を空かせて、二人で店内へ入りました。そして、Mさんが現地で勧めてくれたとんぺい焼き(豚肉を卵で丸めたもの)とモダン焼きを注文しようとすると息子がひと言。「ボク、もっと食べられるよ!」「あのね、ママの胃袋のサイズ知ってるでしょ。」「絶対にもっと食べられる!」と本気モードだったので、さらに豚キムチのお好み焼きを注文。そして、炭酸で乾杯し、とんぺい焼きを一口食べると大阪で食べた味と全く同じで、泣きそうになりました。ソウルフードってとっても大切なんだな、みんなこうやって地元を離れても故郷を思い出し頑張っているのだと。私は、コメダで学生時代を懐かしんでいたなとなんだか嬉しくなって。そして、喜んでモダン焼きを半分食べ、お好み焼きも半分食べたところで息子の手が止まりました。「絶対って言ったの、誰だっけ~。」てへっとごまかそうとしている小6男子。「モダン焼きって麺も入っているから膨れるんだよ~。それも想定内。テイクアウトができるか店員さんに聞いてみるよ。」と伝え、だめ元でお願いすると、ご親切にタッパーと袋を用意してくれて助かりました。分割して味わえるって嬉しいね!と夜道をわいわい帰宅。大阪が恋しくなったら、また息子とお店へ行くことにしよう。いつの日か炭酸からビールへ変わっていく。

そして昨日は、学校が終わってから卒業式の服の試着に行こうと思い、授業で若干疲れている息子を説得し勢いで行ってきました。週末はお友達との約束も多く、ここはもう強行突破だと決めていて。秋はどこへやらとまだ暑い時間の中自転車を漕ぎ、お店へ。すると、キッズのスーツが何着も並んでいて、ぐっときました。入学式は蝶ネクタイに可愛らしいハーフパンツだったのにね、小学校生活あっという間だな。そんな感慨にふける間もなく、息子が伝えてきて。「ママ、ボクね、ガチャガチャでいいものを見つけたから買いたい!」って、そっちか~い!と思いながら、まだまだ心は少年でなんだかほっこり。「後でね。とりあえず気に入ったスーツあった?」と聞いてみると、服選びが面倒くさい息子はあっさり決断。これがいいと言ってくれたスーツセットは、私も好きな色合いでした。軽いストライプの入った黒のジャケットに、水色のシャツ、チェックのネクタイ、趣味が合うなと密かににっこり。そして、店員さんに伝え、試着室に誘導し着せてみると、暑いだの苦しいだの、ひとしきり文句を言われて、それでもなんとか着こなした彼の姿を見て胸がいっぱいになりました。今は後ろでポチッとするだけのなんちゃってネクタイ、でももっと大人になって本当のネクタイを締めた息子の未来が垣間見えたようで、頼りない母親だけど二人でここまで歩いてきたんだねと思うと堪りませんでした。横を見ると、中学校の制服も並んでいて、姉や自分の懐かしい過去が優しく蘇ってきて。
それは、祖母が他界し、岐阜に単身赴任をしていた父の元へ、女性三人も引っ越すことになった時のこと。ネネちゃんの一学期はとりあえず愛知の中学に通い、夏休みに転校、二学期から新しい学校生活が待っていました。セーラー服に慣れていた姉は、ジャージで通学するスタイルに若干抵抗があったよう。「ジャージを着て、斜めがけのバッグで学校に行くんだよ。新聞配達員みたい。」とぶつくさ言いながらも登校。念願のテニス部に入りどんどん日焼けしていくネネちゃんは、慣れない人間関係を、ラケットを振ることで上向こうとしているようでした。その後、愛知に戻った私は一学期間だけ姉が通っていた中学へ。どんなに部活で疲れていても、往復は必ず制服を着るのが校則であり、いつも汗をかいた体で、部室で着替え、仲の良かったソフトボール部のバッテリーと一緒に帰っていました。二人ともサバサバしているので、なぜか私がいないと二人で一緒に帰ろうとせず、その理由をそれぞれに聞いたことがあって。「Sがいないと話すことがない。」という二人の意見に笑ってしまいました。文武両道のピッチャー、1年生からエースで周りの期待に応えなきゃという彼女のプレッシャーを密かに感じていました。そして、ちょっとやんちゃだけど格好いいキャッチャー。先生に反抗することもあり、でも本当は優しい彼女。二人のことが大好きで、絶妙なバランスで試合を運んでいるのに、プライベートになると話すことないって・・・。それでも試合や練習中は、二人にしか分からない信頼関係の中で、配球を決め、それに頷き巧みな所へ投げ、受ける彼女達がいて、こんなコミュニケーションもあるんだなと思いました。その二人の関係を、守備につきながら見守るメンバー、いいチームだなといつも制服に着替えて見ているその時間が好きでした。中学を卒業し、離れ離れになった、それでも彼女達と過ごしたなんでもない帰り道は、陸上部で一緒に流した汗は私の心の奥底にしまってあります。

さてさて、息子は試着室でスーツを脱ぎ、ようやく解放されたとひと仕事終えたような状態になっていて。そして、約束のガチャガチャをやると、小さな野球ボールではなくバスケットボールが出てきて小さく凹み、ちょっと笑ってしまいました。野球を愛する息子よ、バスケットボールもあなたの好きなスポーツというカテゴリーに入っているよ。いろんなことに挑戦しよう、これからもずっと。その後自宅に帰り、毎月恒例のお小遣いを渡すと、お礼と共にそこから200円を返されました。「さっきのガチャガチャ代。」大きくなったな、いろんな意味で。こちらの方こそありがとう。卒業式は、何を思い出すのだろう。バスケットボールのガチャだったら面白い。泣いた後に沢山笑うことにしよう。きっとそんなことの繰り返し。