やっぱりホーム

今日は雨だったので、車移動をしようと思い、色々迷って一凛珈琲に来ました。すると、いつもの席が埋まっていて、内側に座り、ブランチにしている豆サンドを頬張っていたら、隣の席の男性がお会計へ。そして、片付けに来た顔なじみのスタッフさんがそっと伝えてくれました。「隣に移りますか?」と。なんだかジーンとして、両頬にパンが入ったリスみたいな状態で、もごもごお礼を言い、移らせてもらいました。どうやらまたタッチの差だったようで、私よりも後少し早かったらと残念がってくれていたよう。いつもの席で書くことの重要性を感じてくださっていて、朝から沁みました。やっぱりホームですね。

そのスタッフさんが前回来た時、なんとなく疲れているように見え、勝手に心配していました。優しい接客だし、いつも通りと言えばそうなのですが、少しだけ感じが違ったからです。そういう部分をキャッチしてしまうところは昔から。そして、今日来てみたら、何気なく雑談の中で、飼っているワンちゃんがお腹を壊してしまい、連日睡眠不足だった話をしてくれて、納得。って、原因はワンちゃんかい!!でも、やはり様子が違っていたことは当たっていたようで、理由が分かってほっとしました。笑顔がとても温かいスタッフさん、そのままでいてください。

そんな私も、学校図書室で働いていた時、ちょっとした異変を児童に気づかれたことがありました。その日は朝から調子が悪く、それでも子供達の前ではいつも通りでいようと思ったのですが、やんちゃで敏感な男の子が聞いてきました。「先生、今日大丈夫?ちょっとだけ辛そう。」他の子達には聞こえないように、カウンターのそばで小さな声で。「ありがとう。大丈夫よ。」そう伝えると、それでも心配そうに俯き、いつもはバタバタしながら帰っていくのに、その日は他の子が出しっぱなしにしてあった椅子をきちんと並べて教室へ戻っていってくれました。どちらかというと、いつもは手を焼いていた男の子。叱っても言うことを聞かず苦戦したことは何度もありました。それでも、私が無理をしていると感じた時、何か自分にできることはないかと、小さな頭で一生懸命考えてくれたのだと思います。今日は、先生を困らせたらダメだ。そんな可愛らしいメッセージが届き、その後ろ姿がいつもよりも逞しく見えて。
困らせながらも、そっと見てくれていたのね。そして、図書室をホームだと思ってくれていた証拠。

岐阜県の小学校に転校していた頃、なぜか遠足で名古屋の東山動物園に行くことになり、とても不思議な気持ちになりました。そこは、祖父が何度も小さな頃に連れて行ってくれた場所だったから。新しい仲間と一緒に足を踏み入れた時、沢山の気持ちがこみ上げて、何とも言えない懐かしい気持ちになりました。外の世界を知り、またそこに戻ってくると、淡い記憶が急に色づいてくる。小さい頃の記憶ってもっと曖昧だと思っていたのに、そこの場所に戻ると、見事に蘇ります。仲間と行った楽しい時間よりも、祖父と過ごしたひとときを思い出して嬉しくなったことの方が、鮮明に覚えています。

息子は相変わらず、横浜動物園でゲットしたオカピがお気に入り。「ボク、チーターが良かったんだけど、ママがオカピ好きだし、可愛かったから連れて帰ってきたんだよ。」そう言いながら、開催されるオカピ動物園。動物園にはオカピしかおらず、他のぬいぐるみはお客さんという、つまらないことこの上ないですが、この自宅を守ることに幸せを感じたい。