金曜日、息子をお迎えに行き、慌てて帰宅。絶対に外せないおやつタイムの後、小児用ワクチン3回目接種の為、初めて行く病院へ出向きました。長時間待ち、ようやく呼ばれたので穏和な男の先生の前へ。「3回目を打つお子さんはまだ少ないので、偉いね~。」と褒められ、嫌がっていた息子もちょっとご満悦。「ボク、注射よりも何か最初に拭かれるのがいやなんだよ~。」ってそっちかーい!!と待合室で突っ込みたくなる気持ちを抑え、伝えていました。「敏感肌のRが消毒をあまり好きじゃないのは分かるけど、一瞬で終わるから。」とお約束の“一瞬”ワード。しょうがないなあと彼の心の中が見えていたので、先生の褒め言葉に二人で嬉しくなり、あっさり注射も終わりました。その後、頑張ったご褒美に大好きなローソンのからあげクンを買い、枝豆も食べたいというので追加購入。その夜は、クライマックスシリーズを観ながら、夜ご飯。ヤクルト対阪神戦、まさかの逆転負けで矢野監督最後の試合が終わりました。何とも言えない気持ちになり、矢野監督がいなくなるという喪失感も大きくて、寂しい思いの中で迎えた翌朝。何気なくSNSを開けると、そこにはレフト側にいた阪神ファンの方達が、挨拶に向かった矢野監督に、『矢野コール』を送っていて、少しだけ寂しさが埋まってくれたようでした。試合後に語ってくれた矢野監督。「いや、もう感謝しかないよね。俺が退任することはもちろんファンの人もキャンプの時に伝えてるからもちろん知ってるわけで、それでも、最後ああやって声援してもらえた。この選手たちとやれたこともそうやし、感謝しかないね。」凝縮されたこの言葉に矢野監督の人の良さを感じました。『俺たちの野球』を貫いた矢野監督、第二章もあると願い、その時をゆっくり待とうと思います。本当にお疲れさまでした。
そして日曜日、コロナ禍ですっかり行く機会が減ってしまった少年野球を退部することに決めました。気圧の影響を受け、猛烈な頭痛で辛そうにしている最近の息子。それでも、平日は緊張感を持って頑張って学校へ行ってくれていました。週5回、集団生活を頑張るだけで花丸、週末はお母さんと英語を勉強し、たまにMさんにプログラミングを教えてもらおうか?と言うと、ほっとしてくれたよう。「ボクね、マンツーマンの方が嬉しいんだよ。」その言葉を聞き、はっとなって。2月生まれの息子は1年生の時、学校の内容についていけず、本当に大変そうでした。そんな時、休校になり私とオンライン学習が待っていて。1日に1時間だけ集中しようと約束し、彼のペースで進めていたので、3か月間でようやく学力が追いついてくれました。息子が頭痛に襲われると自律神経が乱れ、わーっとなってしまう時もあり、そんな時は苦しいよねとこちらも疲弊しながら寄り添いました。本当にもしかしたら、私の教員免許は息子の為に取得したのかなと思うこともあって。遊びながら、英語に触れてみようか。また新しい世界が待っているかもしれない。
さてさて、いつもの練習場にエナジードリンク30本とユニフォームを持って、二人で挨拶に行きました。すると、メンバーの少なさに驚いて、監督が近くに寄ってきてくれました。「役員さんから聞いたよ。辞めるんだってね。色々なお稽古事で忙しいよね。でも、いつでも遊びに来て。みんな待っているから。」最後の最後まであたたかい。「これまで本当にありがとうございました。」二人でお礼を伝えると、にこやかに笑い、見送ってくれて。幼稚園の時から息子の成長を見守ってくれた監督、コーチ、仲間のみんな。コロナという脅威にさらされ、いつの間にかメンバーは減っていたよう。それでも、そこには変わらない温度があり、出会った頃と何も変わらない笑顔と優しさがありました。この監督は一体何人の子供達を見送ってきたのだろうと思うと、その長い歴史が垣間見えて。いいチームにいられた4年間、息子は幸せでした。ありがとうを沢山詰めたドリンクを渡し、グラウンドを後にしました。いい別れがきっと人を成長させる。
その後、ボクもエナジードリンクが飲みたいと言い出したので、帰りに買って帰ることに。「これまで野球、よく頑張ったね。これからの日曜日は、お母さんと楽しもう!」「ボク、今も楽しんでいるよ!」そんな返球に彼の愛を感じました。母親として、今日は花丸をもらったよ。そして、一度だけやったユーフォーキャッチャーでまさかの卵型ガブリチュウをゲットし、4年間のご褒美を神様からもらったようでした。おやつはエナジードリンクで乾杯。野球チームは辞めたけど、野球を愛する人でいよう。
姉が留学していたカナダのカルガリー。9.11の後、会いに行くと、行きだけでなく帰りも大変なことに。カルガリーからバンクーバーの国内線は穏やかな雰囲気だったものの、バンクーバー空港に着くと、まだ物々しい雰囲気のままでした。日本行きの便は入念に確認が行われ、どんどん遅延に。そこにいたみんなはスーツケース片手にぐったりしていました。ようやく飛行機に乗れた時、カルガリーで姉と話した会話を思い出して。「アメリカでテロがあって、日本からカナダ行きの便なら大丈夫かと思って乗ったら、綿密に確認作業が行われて遅れたの。」「アメリカ行きの直行便を避けて、カナダ経由でアメリカに入国する人が増えて、日本からカナダ行きの便も標的になっても全然おかしくないって思ったんだろうね。Sは、色々なことを目の当たりにしたと思う。日本って安全な国のイメージが強いけど、そうではなくなりつつあるかもしれないし、世界では本当に色々なことがあるよ。」姉のその言葉はとても重くて。関空から沢山の国に飛んでいくその窓口にいた、グラウンドスタッフだった彼女だからこその気持ちなのだと改めて思いました。日航機墜落事故、そのことにずっと心を痛めている姉の想いを忘れたらいけないな。子供の頃に二人でテレビを見て、衝撃を受けたその時のことを。
「ママ、英語は今日いいの?」「来週からでいいよ。今日はご挨拶に行ったから一区切りにしよう。」「うん。今日はテレビで野球観たい。」「毎日観ていたからね。日本シリーズまで少し間が空くから今日はないの。」「な~んだ。観たかったな~。」矢野監督、今年引退された沢山の野球選手、野球ファンは確実に育っていますよ。公園で本気のキャッチボールをして、二人で筋肉痛。新しいことにチャレンジしても、同時進行できっと野球はあるんだろうな。同級生であるヤクルトの高津監督と阪神の矢野監督が、試合後に握手を交わし、お互いを激励したその姿をファンは忘れない。