広報委員で仲良くなった友達とランチの日、息子は学校で市内散策のイベントがあったので、なんとなく朝から二人ともわくわくしていました。いい天気になって良かったね。一緒に行動するメンバーもご丁寧に教えてくれて、中学に上がっても自然に溶け込めますようにとこちらも気負わず、そっと見守ろうと思います。ランドセル姿も、あと少し。カレンダー、めくりたくないけど、時は優しく進んでいく。
そんな気持ちの中、待ち合わせのファミレスへ向かい、彼女と合流しました。ずっと待っていてくれた友達、今日は素直に伝えなければ。とても嬉しそうに目の前に座り、もうすぐ卒業だねという話になりました。「私達が出会ったのは4年前で、4年もあっという間だったなって思うから、きっと中学3年間ももっと短く感じるだろうね。」こちらが伝えると、ひとり言のように呟いてくれて。「広報委員での縁にありがとうだな。」なんだかぐっときました。本当に今日という日を、待ちわびてくれていたんだろうなと。時は2年生の秋頃、地区長さんから連絡が入り、3年になったら役員になってもらえないかと言われることに。ひとりっ子だと早めに声がかかりやすく、引き受けることにしました。その後、まさかの手術が待っていて、ガクッと調子が落ちてしまった心身の状態に戸惑う日々。役員を引き受けている場合ではないのかもしれない、でもここで辞退したらまた人選しなければならない、やれるだけやってみようと思い、初めての顔合わせで会ったのが彼女でした。あの時断っていたら、この出会いはなかった。そんな感慨にふけりながら、ひとつギアを上げてこれまでのこと、今は二人暮らしをしていることを話しました。すると、事の重大さに気づき伝えてくれて。「ちょっと待って。一番大変な時に、広報委員を引き受けていたよね?言ってくれたら良かったのに・・・言えないよね。そんな大事なことを私に話してくれてありがとう。辛かったよね。Sちゃんが辛い時に、何度も誘ってしまってごめんね。」そんな風に心を痛めてくれるあなただから、なおさら言えなかったんだよ、こちらが想像していた気持ちと1mmもずれていなかった。広報委員の委員長、副委員長は看護士さんでした。まだまだコロナ禍で落ち着かない時、二人が医療従事者として奮闘していることを知っていた私達は、やれることを二人で進めようと動いていて。みんなに話せばきっと理解してくれるけど気を遣わせてしまう、大変なのは私だけじゃない、いろんな思いの中でパソコンを開き、彼女と編集作業などをした時間が蘇り泣きそうでした。そんなひとときが、友情を育んでいたんだね。「Sちゃんさあ、思春期とかで困ったりはしていない?」「気圧の変動でRがやられたりすると私に当たってくるの。で、私も受け止められたらいいのだけど同じタイミングで頭痛が悪化するから、言い過ぎる時もあって、そんな時、一旦自分の部屋に行って本を読んで落ち着くようにしているよ。そうすると少し冷静になれて、こちらから歩み寄れる時もあってね。お互いの怒りの空間にいたらどうもだめみたい。」と伝えると、それいいね~と一緒に笑ってくれました。なんだろう、ネネちゃんにちょっと似ているんだよな、強さの内側に、私の前でだけ見せてくれる繊細さが見え隠れする。話は尽きなかったものの、時間になったので締めの言葉に入ると、伝えてくれて。「私ね、こうしてママ友とランチするの初めてなんだ。」「え~!○○ちゃん、気さくにいろんな人と話しているからそんな風に思わなかったよ。」「いやいや、その場で話しているだけだよ。今日、Sちゃんにだから話せること、沢山あって嬉しかった。」ひとりっ子の男の子ママ同士、悩みも似ているところがあり、ほっと一息つける時間や空間でした。『さくらdeカフェ』のカウンターを思い出したよ、聞きたいし、話したいんだ。そして、泣いた後に笑ってほしい。
お店のドアを開け、お互いにお礼を言って彼女と別れました。そして、喪服をクリーニング屋さんへ取りに行き、祖母の告別式は私の中で一区切りなのだと、空を仰ぎました。父にクリーニング代ぐらい請求しても良かったかなと思うと、笑えてきて。母を置いて逝かないこと、それが最大のミッションなので、手術を何度も乗り切ってくれた父には、元気でいてくれるだけで十分だと思っていて。家に帰り、喪服をクローゼットの一番端に入れました。当分着たくないよ、そう言ってひとつ息を吐き、息子のお迎えへ。市内のどこを回ってきたか、あれこれ話してくれて、いつもの穏やかな時間がやってきました。すると、夜になり、届いた一通のメッセージ。先程会った友達からでした。『今日はありがとう。話すのもまだしんどかったんじゃない?それを話してくれて、私をそういう関係としてくれたことが嬉しかったよ。定期的にお茶できたら嬉しいな。いつも優しくしてくれて、あの役員やってる当時大変だったこと、気づいてあげられなくてほんとごめんだったよ。またお誘いするけど、無理のない範囲でね!』泣けるじゃないか。ぐっとギアを上げて話したこと、彼女はどこかで感じ取ってくれたんだろうなと。私が誘い続けていたから、Sちゃんは断り続けるのも良くないと思い、今日勇気を出して話してくれたんだよね。簡単じゃなかったと思う、だからその気持ちにありがとうなんだ。行間から滲み出る思いに胸がいっぱいでした。地下5階から感じたものがある、少しずつ上がれて地下2階にまで辿り着いた、上を見たら、四角い空が垣間見えた。もう少ししたら地上だ。でも、その途中で、信頼してくれる友達に話せる範囲で伝えた。そうしたら、彼女もまた過去の辛さを話してくれた。ああ、自分は、地下5階にまで行ったから伝えられる想いがあるのかもしれないなと思った。彼女が、端によけていた苦悩をゆっくりゆっくり言葉にしてくれた。悲しかったね。自分の足で立つのは自分自身、でも降り注ぐ光に気づけたらまた頑張れるのかな。一緒に風を感じよう。