決まった方向性

病院の検査結果を聞きに行く前夜、病人になっている場合ではないと思い、お気に入りのベージュのマニキュアを塗り、準備は万端。そして当日の朝、眠りが浅い中で早くに目が覚めてしまい、肝が据わってないなと自分に笑ってしまいました。洗濯機を回し、ノートパソコンを持って夫と息子に行ってきます、いつもの日常がこんな日は有難い。

それから、婦人科の待合室でそわそわしながら待っていると、名前を呼ばれました。センター長らしい落ち着きと穏和な雰囲気にほっとしたのも束の間、すぐに超音波で見るからと言われてしまい、そこで覚悟を決めました。その後、対面して説明を受ける中で、MRIと他の検査の結果、卵巣がんの可能性はぬぐい切れず、良性かもしれないけど腫瘍を取る為に開腹手術を勧められました。一度自宅に持ち帰ってから決めていいと言われたのですが、痛みとも戦っていたので、できるだけ近い日にちでお願いすると、早い段階でたまたま空きがあり、そこに入れてもらいました。それを逃すと、さらに一か月先とのこと。感染症になった時点で延期になるから、入院まで本当に気を付けてと言われ、自分が今置かれている状況を痛感しました。MRIの画像を見せてもらいながら色々な説明を受けたのですが、トンネルに入ったかのようなぼーっとした中で、先生の声が遠くに聞こえてしまい、まともに入ってきませんでした。ただ、信頼でき、人間味のあるいい先生であることは確信が持てたわけで、それが安心感に変わってくれて、気持ちよくご挨拶。よろしくお願いします、この先生にお腹を切られるなら本望だ、そんなことを思いながらお別れ。

その日のうちに、さらに検査と説明のオンパレードが待っていた訳で。また血液検査があり、その後、看護士さんから入院の説明を受けました。とても若く、陽気で話しやすい方だったので、具体的に突っ込んで聞いてみる。「個室ってどれぐらいの費用なんですか?」「もうね、どこのホテルかっていうぐらい高くて。」と笑いながら用紙を見せてくれて本当だ!と二人で大爆笑。「術後の痛みとかあったら我慢せずに、痛いと思ったタイミングですぐに伝えてくださいね。我慢して痛みがピークに達した時には、薬の効果が薄れてしまうので。」ああ、私そのクチですと心の中で思いながら微笑み、さらに畳みかけてくれました。「そう言えば○○さん、ここで出産されていますよね。仕組みは同じなので、安心してください。って何年前でしたっけ?」というノリで、友達か!と思いながら処置室で大盛り上がり。もうね、ここの看護士さん達の雰囲気に馴染みすぎ。

さらに別の場所で心電図を受ける為、仰向けになると、天井にはアンパンマンのポスターが。食パンマンとカレーパンマンも一緒で笑ってしまいました。小さい子もここで検査を受けるのねと思いながら、大人の私が凹んでいる場合ではないなとまた一つ励まされたようで。そして、呼気の検査もおまけつき。これまたテンション高めの女性の技師さんが、丁寧に教えてくれました。「しっかり吸って、吐ききっちゃってください。」言われた通りにやってみると、「まだ行ける!」と煽られ、吹き出しそうになりながら再トライ。「さっきよりもいい数値が出ました!頑張りましたね!」と言われ、笑いながらお別れ。最後にレントゲンを撮り、入院手続きの説明を受け、お会計をし、ようやく解放されてスタバに転がり込んだわけです。病院内で、パソコンを持って移動していたのだから意地でも書こうと思っていて。そう、意地です意地。

今何を思うのか。一人じゃないんだなって。一人で頑張ろうとしていました。コロナの影響で、色々な違和感を気のせいだと、ただのストレスだと思い込もうとし、痛みも不安感も、やり過ごそうとしていました。そして、主治医が見つけてくれた子宮筋腫の疑い。実際に婦人科に行ってみると、子宮筋腫も卵巣嚢腫も、腫瘍もあった訳で。先生が触れてくれた塊は腫瘍で、自分が気づかなかった体の一番弱い部分を、心から信頼している医師に見つけてもらうなんて、どれだけ幸せなことなのだろうと思いました。完全復活して、元気な顔を見せてお礼が言いたい、心からそう思っています。

そして、両親に送ったメッセージ。『私が二人にいやな思いをしても離れなかったのは、腹が立つことが沢山あっても、愛情をもらっていたから。私が子供の頃にしてあげられなかったことを、Rにやってあげてほしい。私は大人だし強いから大丈夫。でも、Rはまだ子供だから、守られることが必要。きっと不安がると思うので、おじいちゃんとおばあちゃんが可愛がってあげてください。お母さん、長い期間大変だと思いますがよろしくお願いします。お父さん、そんなお母さんを優しく支えてください。』この内容が心のど真ん中に届かなかったら、人間じゃないでしょ。
息子を出産した場所で、違う戦いが待っているんだよ。その娘が真っ直ぐに伝えたんだから、いざこざは休戦して、オールファミリーで乗り切ろうよ。

読者の皆さん、落ち着くまで、水曜日の公開がポコッと空いてしまいます。それでも、元気に戻ってくるから。完治したら、スタンディングオーベーションでお願いします!!
ありがとうとがんばりますと、また一緒に笑いたいですという言葉を添えて。