誰を信じてみる?

とりあえずパソコンの前に座り、今自分の中にあるものを書いてみようと思いました。ただ沈むだけなら、開き直って本でも読もうと。大きなことが起こった少し後、睡眠サプリを多めに飲み、強制的にシャットダウンをしようと試みたのだけど、そんな簡単ではないのは分かっていて。食欲は全くなく、それでも栄養を摂らなければとシリアルやプロテインを流し込んだ朝。今は立ち止まる時、そう思っていても続けていた英会話アプリの連続記録が途切れるのが嫌だったので、やってみると、少し自分を取り戻せたようでした。なんだ、こういう意地はちゃんと残っているんだなと。気持ちが大きく傾きそうになるのだけど、バランスのいい考え方って大事だなと改めて思いました。日常の中でマイナスよりもプラスを探す、今日は1個でいい、そんなことを願いながらおいなりさんを作ることに。その後、息子が帰宅し、いつもの夕飯が始まりました。こちらが凹みまくっていると彼に影響してしまうと勝手に思考が巡る中で、プチハプニングが発生。息子は海鮮丼とおかずを食べ、おいなりさんも2つお腹に入れた後、お皿を見ると数字が合わなくて。「お母さんね、酢飯なら食欲が湧くかなと思って大きなおいなりさんを5個作ったの。Rが2つ食べて、私も2つ食べたのに、お皿に2つ残っているよ。なんか変じゃない?」「ママの勘違いじゃない?本当に5個作ったの?」そう言われたので、もう一度パッケージを見てみると5個入りの文字が。「やっぱり合ってるよ。なぜ増えた?!」「ムーミンが運んでくれたんじゃね?」そんなことあるかー!!と思ったら本気で笑えてきて。自分の中にあった黒いものが笑いと共に外に流れ出た感覚があり、こんな時間に、そして人に助けられてきたのかもしれないなとほっこりしました。別居前、姉とカフェで会話した内容がもう一度再生されて。「Sちんが今必要なものは何?」「鬼滅の刃を録画しておいてほしいんだよ。」その時ネネちゃんは若干呆れ、そして笑ってくれました。いつものSちんだ。顔にはそう書いてあって。妹は一番苦しい気持ちを言語化しない、それが時に切ないのだけどそうやって奮い立たせてここまで来たんだよね。あなたには味方がいる、その気持ちは忘れないで。行間からは彼女の優しさが滲み出ていました。現世で幸せになろう、姉の裏側にあったメッセージは大事に受け取った。

祖父は戦地から帰還した後に、警察官に。親戚の紹介で祖母と結婚し、長男を1週間で亡くし、そして母が生まれて少し経った頃、荒れてパチンコ三昧の日々が待っていました。ずっとそのことを考えていたのだけど、やはりもう一度思うことがあって。国に戻り、ほっとする間もない程いろんな出来事があった、自分と向き合う時間よりも行動していかなければならないことが先にあり、母が物心ついたあたりでようやく安心できる日が来て、そこで祖父は何かプツっと切れてしまったのではないかと。そのきっかけは、本当にもしかしたら銃だったのではないかと思いました。ふと戦地が蘇り、祖父が向かったのは家庭ではなくパチンコ台だったのではないかと。打つ玉をぼんやり眺め、溢れ出そうになる涙を一人そっと堪えていたような気がしています。男だから、いい大人だから、戦地で大変な思いをしたのは自分だけじゃないから。いろんな気持ちを抑え、家に帰ると荒れた、祖母や母にとってそれは怖さだっただろうと。見かねた祖母の親戚が、土地の購入を提案し、このままではいけないと会社員になった祖父は落ち着いていきました。随分時は経ち、交通事故に遭って、一命は取り留めたものの退職をすることに。最後の職場は、水質汚濁の調査で、次の調査場所へ向かう途中でした。美味しい水が飲めること、それは当たり前のことじゃないという祖父の背中をずっと見てきたので、おじいちゃんは最後の仕事で社会貢献ができる所を選んだのだと思うと、重傷を負いベッドで横たわる姿を見て泣けてきました。さらに時は過ぎ、賑やかだった土曜日の夜の囲碁仲間との集まりも気が付くと終わりを迎えていて。祖父だけでなく、皆さんも歳を重ねお互いの家を行き来することが難しくなったのだそう。それでも、おじいちゃんは囲碁番組を欠かさず見て、囲碁盤を時々出しては研究していました。そして、今になり気づいて。さりげなく見た囲碁盤の上には白と黒の碁石が並べられ、それは対戦相手がいるかのような配置でした。祖父は、仲間と打った囲碁を思い出し、同じような位置に並べ、そこでその時を懐かしみ、そっと対話をしていたのではないかと。先に逝ってしまったね、でもわしももうすぐ向かうから。あの頃は楽しかったな、あの世でも囲碁を打とうよ。一人になったら1日が長くてな、でも戦友の分まで生きるって決めてるんだ。いつもコーヒーを出していた孫がいただろ。もうすぐひ孫が生まれる。一目見る、それが最後の夢だ。誰にも言えない気持ちを、囲碁盤を前に語り掛けていた気がしました。その時が一番、祖父の表情は穏やかだった、きっと自分が自分でいられたから。病院で、一番最後に飲んだ水はどんな味がしたのだろう。

write書くということ、right正しさってなんだろう、right右という意味だけど私は左利きだからlefty、そしてlight、小さくてもいい誰かのささやかな光でありたい。どれだけ弱っていようが、この情熱は燃やし続けていられたなら。今日も書けたよ、だからきっと大丈夫。