プラスに転換

今日は、マンションの受水槽清掃ということで、午前中は断水。いつもの二倍速で掃除を済ませ、買い物へ行こうと思ったものの、生憎の雨だったのでコメダに転がり込んできました。が、パソコンの充電の減りも早く、バッテリーも持ってきていないので、タイピングしながら必殺技を考え中です。コメダでパソコンを開いたのはいつ以来?!春になってくれて、気持ちが外へ外へ向かうようになったのでほっとしています。それなりに長かったな、冬眠。桜の花言葉は『精神の美』、目標は遠いけど目指すことにしよう。

この間、息子と行った公園で右腕がどろどろになった日、実はもう一つの悲劇がありました。寒暖差が大きく、風が冷たくなってきた夕方、さあ帰ろうかと思った時に息子の自転車が動かなくなっていることが判明。とても風の強い日で、倒れた拍子にチェーンが外れてしまったよう。原因がすぐに分かったので、はめ直そうとしたものの、新しい自転車だった為かしっかりとした作りで、私の手ではびくともしなくて困惑してしまいました。不安そうに見守る息子、傾きかけた夕日、公園で遊んでいる知らないお父さんに泣きつこうか、でもそれをすると彼は複雑な気持ちになるのではないか、いろんな気持ちが交錯し、落ち着いて考えた時に公園の管理事務所があることを思い出しました。慌てて一人で向かうと不在で、巡回しているのでご用件はこちらにどうぞと電話番号が。スマホの入ったバッグを息子に渡してきてしまったと段取りの悪さに凹みながら戻ると、そこを通りかかったのはゴミ拾いをしていた男性スタッフさんでした。ナイスタイミング!!と歓喜し、事情を説明すると、直せるかなあとやや不安そうになりながらも素手でチェーンを直そうと試行錯誤。すると、上手いことはまり、3人でほっとしました。「本当にありがとうございました。手が真っ黒になってしまい、すみません。」「いいのいいの。気を付けて帰ってね!」そのひと言で泣きそうに。遠方の公園に来たは良かったけど、帰れなかったらどうしようと気が気ではありませんでした。でも、こんな風に助けてくれる方がいて、だからこそ誰かがピンチの時は小さいながらも力になりたい、こうやって人の気持ちは巡っているのではないかと思わせてもらった優しい夕暮れの帰り道でした。息子のポケットに、スタッフさんの優しさは入っただろうか。

深夜になると、不思議な錯覚に陥るここ最近。息子を寝かせ、しんと静まり返ったリビングで聞こえるのは、自分が出す音だけでした。実はもう子育てが終わり、一人暮らしをしているのではないか、自分が仲良くさせてもらっていた方達とも疎遠になり、本当はもう一人の時間が始まっているのではないかと。それを思った時、一体どれだけの人達がそばで励まし助けてくれただろうと、そして息子と過ごした沢山の時間があって、子供部屋をそっと開けるとすやすや眠っている彼がいて、“今”を抱きしめたくなりました。まだ沢山の時間が手の中にあるんだなと。最近、首の凝りが酷く、自分でマッサージをしていたらふと昔の記憶が感触と共に思い出されました。それは、祖父が仕事中に交通事故に遭い、長い入院を経てようやく自宅に戻ってこられた時のこと。ダンプトラックにぶつかり、車外に弾き飛ばされた祖父は、運よく田んぼに落ち、一命を取り留めました。それでも、肩を打ち付けた衝撃は大きく、毎晩のように湿布やクリームを塗るのが私の役目でした。痛がる祖父に当たられ、辛い思いをしたことも。でも、早く元気になりたいと願うそのパワーはとても強く、内なるものを感じていました。その時、ケアしていたのは右肩、おじいちゃん利き腕で咄嗟に自分を守ろうとしたんだよね、その時のことが心の奥でインプットされていたよう。祖父が家庭菜園できるまでになり、社会人になった頃、私が自転車に乗っている時に車にはねられ、咄嗟に自分の体を守ったのは利き腕の左肩でした。祖父の介護があったからこそ、いざという時に自分を守ることができたのかもしれないなと。何か危機的状況な時に、眠っていたはずの記憶が蘇る時があり、人の持つ不思議な力を改めて感じています。祖父の長年の夢であったひ孫は、姉の子も私の子も男の子。たった一度だけ会わせることができ、その少し後に逝ってしまいました。祖母は、祖父にもうちの両親にも見届けられ、父にさすられながらぬくもりを持って他界。でも、祖父は誰もいない病室で、早朝にそっと息を引き取りました。そばにいたかった。我が家を支え続けてくれたおじいちゃんが、一人で逝くなんて。それが今でもどこかで心残りです。だからこそ、名字を旧姓に戻し、祖父の遺志を引き継ごうと思った、でも息子の気持ちを思うとそれも難しくて。先回りをして悩んでしまうのは私のいけない所、それを分かっているネネちゃんは別居した後に伝えてくれました。「なるようになるって。おじいちゃん、Sちんの幸せを純粋に願っていたよ。R君もSちんもおじいちゃんとおばあちゃんが守ってくれるから大丈夫。二人は大丈夫なの。」そこにあったのは壮大な愛、そして戦地から帰還し祖父が繋いでくれた歴史がありました。息子が一人前になって完結するのかもしれないな。変な所で頑固で寂しがり屋なのだけど、芯の強さが祖父に似ている。
逝く時は一人だったかもしれないけど、三途の川までおばあちゃんが迎えに来てくれていたらいいな。おじいちゃんが焼かれた後、葬儀場に戻ったら、軍服姿で戦友の元に帰る姿を見た。寝ていない日が続いて錯覚だと思っていたけど、きっと本当の姿だったね。だから、きっと寂しくない。