一人暮らしの時は、仕事で少しだけ必要性を感じ、英会話を学んでいました。
20代の頃だったので、なんだかとても懐かしいです。
地元を離れて、新しい土地で初めてできた友達は、英会話教室のオーストラリア出身の男性講師。
私の下手な英語にいつも付き合ってくれて、一体何度握手をされたことか。
少人数のクラスで、“the happiest moment of your life”<あなたの人生の幸せな瞬間>というテーマで授業が行われ、私が話した時のこと。
「姉の結婚式で、姉がとても幸せそうにしていた姿を見て、すごく嬉しかった。」と伝えたら、先生にみんなの前でちょっと怒られました。
「僕は、お姉さんの幸せを聞いているんじゃないよ。君の幸せを聞いているんだ。」
その時、時間が一瞬止まるのを感じました。
いつも、家族のことばかり考えてきて、自分の幸せを考えること、忘れていた。
先生がオーストラリアに帰国するという話を、他のアメリカ人の先生から聞き、家に帰ってこっそり泣きました。
私が寂しくなることを知っていたから、直接伝えられなかったそうです。
後日、スターバックスに誘われ、お別れカフェ。
あんなにほろ苦かったカフェは無いんじゃないかな。ドーナツの味、思い出せない。
「日本が大好きだけど、祖父が亡くなって、やっぱり家族のそばにいたいから帰国することにしたよ。自分の幸せ、一番に考えるんだよ。君に出会えて本当に良かった。」
そう言って、頭を撫でられました。
知らない土地で、必死で頑張っていた時だったからこそ、心を開けた大切な友達だったし、下手な英語にいつも笑って付き合ってくれた優しさに、とても救われていました。
性別も国籍も関係なく、一対一の友人として接してくれた忘れられない友達。
その後、時間が経って、オーストラリアの短期留学を考えたのは、その国を知りたいと改めて思ったから。
私が思っていたより何倍も、温かい人達のいる優しい場所でした。
James、自分の幸せを一番に考えたから、日本を離れてもう一度立ち止まる為に行動を起こしたよ。
約束は守ったからね。
息子は、幼稚園でインド人の女の子と、中国人の男の子と仲良し。
インド人の女の子は息子を見つけると、なぜかこちょこちょの刑にして絡まってきます。
国籍を越えた友情は、きっと大きな心の財産になる。
オーストラリアは、語学よりも優しさを学んだ大切な国。