気持ちを上げる工夫

なんとなく気持ちが沈んでいる時、身近にやっているのは音楽を聴くこと。パソコンを開いて、動画などをぼんやりと観てから、キーボードを叩く時もあります。
そして、お気に入りの本を少しだけ読んでみたり、綺麗な景色を見たり、甘いものを食べたり、それでも上がってこない時は、開き直ってみる!そんな日もあるよねってね。

時間に追われて、そんな余裕が全くなくて、何にもできない時は、今度時間ができたら何をしようかなと想像だけ楽しんでいて。とりあえず、一流ホテルのラウンジが似合う女性になろうというのが当面の目標。年齢は加算されていくけど、洗練された女性はいくらだって目指せるよねと、気持ちだけは前向き。

ママチャリとボロボロPRADAのバッグは、あと一年でさようならなので、息子が小学校に上がったら、もう少し格好いい人になろうとイメージだけはばっちりです。

名古屋で歯医者に行っていた時、ものすごい綺麗な女の先生で、いつも口を開けて間抜けな顔を見せるのが恥ずかしくて。それを正直に話したら大爆笑されました。
「先生、私時々隠れ天然って言われるんです。」と言ったら、「Sちゃん、申し訳ないけど、全然隠れていないから!」とやっぱり笑われて。それ以来、すっかり仲良くなり、プライベートでもランチをするようになって、いつも憧れの存在でした。

その先生に失礼を承知で年齢を聞いたら、食べていたパスタを吐き出しそうになり、本気でびっくり。あれだけ綺麗で、そして控えめな所がより魅力的なんだろうなとドキドキした時間に、美味しいご飯の味もよく分からなくなっていました。

関東で一人暮らしを始め、学会があるからと連絡をもらい、ホテルのロビーで待ち合わせ。フィアンセも一緒で、いつもシャンとしている先生がとても女の子に見えて、嬉しかった。
お父さんが開業された病院を、二人姉妹の長女である先生が継ぐことになり、将来の道はずっと前から決まっていたそう。院長として、沢山のご苦労があったと思います。仕事が常に優先の日々。それを友達として知っていたから、フィアンセといる先生の表情がとても幸せそうで、本当に良かったねって、帰り道に泣きそうでした。

人それぞれに、人には言えない苦悩があって、そういった自分を認めて、理解して、そこから頑張る人はとっても素敵だなと感じます。
受け入れること、そして、どう立ち向かうかということ。

先生は、自分自身を主観的にも客観的にも見ていた。だから、一つ一つを冷静にクリアしていたし、私のようなちっぽけな存在に、優しく弱音を吐いたりもしてくれていました。
多分、とてもバランスが取れた方だったのだと。それが容姿に出ていて、本当に美しかった。

素敵な人に思いを馳せ、映画のワンシーンのような一コマをもう一度噛み締めてみる。これが私にとって気持ちを上げる何よりの方法。思い出を、自分の糧にしていく。