帳消しにする?

夏休みの不思議な出来事。
息子とさよなら夏休みの意味合いを込めて、あるカフェへ。お会計で、割引券を渡すと、慣れていなかったのか男性のスタッフさんが通常の金額を打ち込み、そのまま正規料金を支払い退店。もしかしたら私の勘違いだったかなと改めてレシートを見てみると、やっぱり値引きはされておらず、そんな時もあるよねって思いながら、そのままイオンへ。最近ブームが来てしまったゲームセンターのコインゲームを10枚だけやっていいよと息子に言い、二人で盛り上がっていたら、ご年配の女性の方が歩み寄り、「これあげる~。」と言って、カップの中に10枚ほどのコインを入れて、行ってしまいました。慌ててお礼を言うと、微笑んでくださり、なんだかその後ろ姿が格好良くて。その日に起こった二つの出来事。何かが巡っていると感じさせてくれた、優しい一日でした。

シェアオフィスで、ちょっとした気分転換に読んでいた『チーズはどこへ消えた?』(スペンサー・ジョンソン著、扶桑社)。ふと本棚を見ていたら、本が消えていました。とほほ。チーズどころの騒ぎじゃないです。本が定期的に入れ替えされていることをすっかり忘れていて、完全に油断していたという大失態。半分ほど読んで、さりげなく中にあった栞を挟んでおいたのですが、せっかくなので、その後どうなったか内容を自分で考えてみることにします。考え方ひとつ、捉え方ひとつなのだと思わせてくれたこの本に、またいつ出会えるかは私次第?ふとしたタイミングで、巡り合えるんでしょうね。耐えきれなくなったら、自分で掴みに行こうと思います。

そんなシェアオフィスで話しかけてくれたITエンジニアの方。とても自然に挨拶をしてくださるようになり、別れ際バタバタと帰ろうとしていたら、丁寧に名刺を渡してくださいました。静かなお部屋で、皆さんがお仕事をされていたので、すぐに会話を切り上げて帰宅。その後、頂いたアドレスにお礼のメールを送ると、感激の内容が。『いつもお一人静かに仕事をされているその姿に、なにか凛としたものを感じていました。』これを読んだら、我が家の男子二人は、家では結構グダグダだと完全否定してくるであろうことは分かっているのですが、こんな風に見て頂けることは素直に嬉しいです。そして、ペンネームで活動していることも理解し、色々な配慮をしてくださるお気持ちも。心地よい距離感を持ってもらえたことで、書きづらくなるという不安は杞憂に終わりました。私よりもはるかに本を読むエンジニアの方、話したいことは盛りだくさん。

睡眠不足の時に、ふと思い出すのは、大学時代にK君に連れて行ってもらった夜の岐阜城。夜に電話をもらい、私が睡眠不足だと知ると、寝かせてくれるどころか、今から迎えに行くと言われ、そのままドライブへ。「眠いんだってば!」そう言うと、「気分転換した方がいい時もあるんだよ。せっかくドライブに行くなら、目的地を決めよう。ライトアップされた岐阜城もなかなか綺麗だぞ。」と勝手に決められ、本当に現地まで連れて行かれました。近くまで来た夜の岐阜城がとても幻想的で、懐かしい記憶まで連れて来てくれて。「私ね、岐阜の小学校に通っていた時、調子が悪くて遠足で行くはずだった岐阜城に行けなかったの。まさか大学生になってK君と来られると思わなかったよ。」そう伝えると、にやっとなかなかいい表情を見せてくれて。「お前さ~、いっつも走り続けているだろ。たまにはこうして立ち止まって、一つの景色を見て、自分と向き合うことも必要な気がするんだよ。俺なんてそんなことばっかりだけど。」

眠気もすっ飛んだ、あまりにも綺麗だった夜の岐阜城。アイツは、“どうせ”という言葉ではなく、“せっかく”という言葉を使う。彼の目線は、いつも前を向いている。