学校が始まり、まだ半日で帰宅した息子が嬉しそうに話してくれました。「先生ね、誰かと喧嘩する時は、離れてしなさいって。目の前に透明人間がいると思えばいいんだって。」喧嘩まで距離を取るのね、先生のその表現に笑わせてもらった雲が綺麗な午後。相手とぶつかることなく、目に見えない人と戦ったら誰も傷つかない。
そして、帰宅して半日も残っていたので、野球盤に誘われてしまいました。まだ去年のクリスマス前、仲良しのKちゃんが娘ちゃんにクイズを出されたよう。「野球盤を欲しがっているのは誰だ?」「R君!」その即答ぶりを後日教えてくれて大爆笑。息子と野球はイコール。それはもうクラスの皆が感じてくれていました。その野球盤をサンタさんが届けてくれたおかげで、すっかり相手をさせられていたのですが、さすがに9回まであると時間がかかって仕方がないので、頭が冴えていた今日、息子の得点が高かったので伝えてみました。「野球ってね、10点差以上ついてしまうと6回以降はコールドゲームになって試合終了なんだよ。」スコアを見ると4回表、息子の攻撃が終わり16対5。「じゃあこのままだと5回で終わっちゃうんだね。」やった~!丸め込んだぞ。ドームじゃないから外が雨だと雨天コールドもありだよと思いつつ、本日は晴天なのでこれは使えず。大人げないので、それまでは真剣勝負をすることにしました。するとなぜかランナーがたまってしまい、タイムリーヒット。10点差のままなんとか攻撃を終わらせ、5回もあっさり終わり、ゲームセット!!毎回9回までゲーム盤をやっていたら野球嫌いになる所だったので、なかなかのアイデアに満足することにして。少年野球がなかった分、野球盤でルールを覚えられたね。実際はコールドゲームよりも、9回まで仲間と試合をする方が面白いよ。満塁のピンチの場面で抑えた後、次の攻撃で得点が入る。守りで掴んだリズムが、攻めの時に生かされる。その醍醐味はやってみないと分からないんだろうな。阿吽の呼吸、いい流れを引き込む瞬間を知っているからこそ。
「ママ、ボクね、前にコーチが投げたフライを捕ろうとして、うまく捕れなくてボールが鼻に当たっちゃったの。」「大丈夫だった?」「うん、テニスボールだったから全然痛くなかった!」珍プレー好プレーのちびっこ版だな。またチームのメンバーと野球できる日が、もうすぐそこまで来ている。当たり前の日常が戻るよ。皆で砂だらけになっておいで。
今回の超大型休校で息子が育んだもの。それは、学ぶ楽しさ。ものすごく大きなものを手に入れてくれたような気がしています。緊張と緩和、オンとオフ、アメとムチ。甘やかす時は甘やかせ、やる時は付きっ切りで教えました。時にクイズ形式で、時に1ページずつ音読を交代で。私が教えるのではなく、勉強に参加していく。やらされているという意識をどうやったら払拭してくれるだろうと、沢山考えました。その中で思い出したのが、自分が転校生だった頃のこと。3年生の夏に岐阜へ行き、5年生の終わりに愛知へ戻り、抜け落ちている部分がどれだけあったことか。だったら、息子と一緒に学び直せばいいのだとその考えに辿り着きました。教職を学んだ者として、司書として働いた者として、そして2年生の子供を持つ親として。色々な角度から、今自分が持っているものを一緒に楽しむことはできないだろうかと思いました。思うように覚えられなくて、半泣きを始めた息子、いら立つ自分、それでも一つできた時、彼の頭の中でピコンとランプの付く音がして、そんな時に伝えてくれました。「ママが教えてくれたから、やっと分かった。」と。「“ぜんぶで”とか“あわせて”というのはたし算のキーワードなんだよ。それはこの先どんな問題が出ても同じだよ。」「うん、ボク忘れないよ、パスワード。」キーワードじゃ!!なんで算数にログインが必要なのよ!
今回、市の職員の方が作製してくれた学習教材の動画も見ることができました。算数や国語の教科書に沿った内容を、とても分かりやすく説明してくれた姿を見て、皆でサポートをしてくれているのだと感じ、胸が熱くなりました。幼稚園の年少の時、保健センターの幼児検診が最後となり、保健士さん達にお礼を伝えるとなんだか寂しくなって。でも、非常事態になれば、また街の方達が助けてくれるのだと、学校が無いなら無いで、支え合う仕組みができているのだと助けられた気持ちになりました。
頑張ってやり遂げた自主学習ノートの最後のページには先生からのメッセージが。『とてもたくさん学習を積み重ねましたね。すばらしい!』先生の似顔絵ハンコ付き。なぜか筋肉モリモリ。優勝トロフィーよりも嬉しい、頑張った親子の印。