丸め込み作戦

一時期体験させてもらった野球チーム。3年連続同じクラスだったS君やお兄ちゃんも入っているので、小学校が離れてしまう前になんとか入れたくて、再度息子を説得。そして、S君のお母さんも、「うちの子から誘っておくよ~。」と入る前からチームプレー。面白いことに、お父さんが草野球をやっていたらしく、コーチを頼まれてしまい、お父さんまでもメンバー入りしていました。

その話を息子にし、日曜日の朝にもう一度見学に行こう!と丸め込み、帽子を被っていざ出発。すると、S君のお父さんがしっかりユニフォームを着ている姿が妙にしっくりきて、背番号を見ると29!青いユニフォームに、与田さんの現役時代の背番号を着ていた背中を見て、絶対に入れると勝手に誓いました。後ろ姿だけ見たら、ときめいてしまいそうな状況ににんまり。

そして、齋藤教授似のコーチがすぐにこちらのことを思い出してくれて、帽子を脱いで爽やかに挨拶をしてくれました。また体験に来ただけなのに、息子とマンツーマンでピッチングの指導をしてくれたと思ったら、バッターボックスにまで立たせてくれて。帽子の上からぶかぶかのヘルメットを被り、バットを構える姿を見ていたら、「あれだけ小さな子があそこに立っているだけで可愛いわ~。」と声をかけてくれたのは役員さん。よく見ると、袋の中にレタスが入っていて、「練習の合間に買ってきたの。」ともう一人の役員さんと盛り上がり、なんだか私も前からそこにいたのではないかと思うような和やかムードで、それが本当に嬉しかった。

息子も新しい場所に飛び込むということは、私も同じようにアウェイからのスタート。友達がいることは分かっていても、出来上がっている雰囲気の中に入ることは勇気がいります。でも、そんなことを最初から思わせない温かさがそこにはあって、昭和の匂いを感じるこのチームがとても気に入りました。
さてさて、バットにかろうじて当てた息子は、一塁に走るというルールも分からずおろおろ。それでも、チームの皆がこっちだよと教えてくれて、一塁ベースを踏んだらようやく我に返ったのか私の方へ戻ってきました。それまでは、ママと来ていることを忘れていたよう。コーチに教えてもらい、沢山のお兄ちゃん達に囲まれ、必死にバットを振って、走った後に私を思い出した。
離れたよ。ほんの短い時間だったけど、私がそばにいても、息子は私の存在を忘れていた。それでいい。そうやって、夢中になることを覚えて、仲間を大切にできる子になって。

最後にS君のお父さんが、一緒にキャッチボールをやってくれて終了。その後、友達から連絡があり、『相手をしたかったのに、少ししかできなくてごめんねと主人が言っていたよ。うちの子ももっと話がしたかったみたい。Sちゃんが入ってくれたら私も心強いよ。』終わった後も優しいな。
4人家族のうち、3人が入っている野球チームに息子を入れなくてどうするの。しかも、コーチにご年配の方が多く、3世代で入っている人達もいるそう。ボランティアでやってくださっているので、コーチの人数も多く、齋藤教授似の方に、私も少し野球ができる話をしたら、指導する側に誘われてしまいました。えっ、そんな展開?!

マネージャーならともかく、コーチになったら記事書けないよ。息子が野球をやっている間は、パソコンを持って脱出予定。マイグローブを手に入れた息子は、すっかり野球の面白さにはまり、入る気のよう。
休みの日は、ママと一緒にキャッチボールをしよう。その言葉で十分。