周りの存在

シェアオフィスで新たに始まったdayプラン。週末限定プランなどもあったのですが、平日限定はなかったので、もしかしたらこれでもいいのかと思い、受付にいたラガーマンTさんに相談してみました。「新プランの変更を考えているんです。」「週末利用されたい時は、ワンデイ利用もできるので、○○さんの働く時間を考えるとこのプランでいいかもしれないですね。ただ、dayプランだと平日6時までの利用になるので、6時過ぎにパソコンを置いたままトイレに行ってしまうと、IDカードで入れなくなっちゃうんです~。」「なるほど~。やってしまいそうですね。」え~んって泣いたら誰かしら助けてくれそうだなとあほなことを思いながら、二人で笑ってしまいました。

そういえば、オーストラリアに短期留学をしていた時、夜の街をふらふら歩いていたら気に入った服屋さんがあったので、のんびり選び試着をさせてもらっていました。すると、電気がパチッとまさかの閉店準備。うそでしょ。「I’m here!!」ここにいるよ!と猛烈アピールしても聞こえていなかったようで、慌てて自分の服に着替え、女性店員さん達に試着室にいたと話すと、大爆笑。アーハッハッじゃなくて・・・と思いながらもここは一緒に笑っておこう。彼らの明るさの中にいると腹が立たないことが不思議。怒りとか悲しみよりも、楽観的な陽気さが前に出てくるから、その雰囲気の中に自分は自然と溶け込んでいたんだろうな。心地よさの中に自分の身を置くこと、その喜びを教えてもらった数々の時間は今も胸の中にあります。

昨晩は、息子の宿題タイムの中で、ちょっとした誤解があり、思いがけず長丁場に。音読をする中で、どうしても毎回読めない漢字があって、文章の途中に線が引いてあり最後の一文だと思ったので、もう一回一行を読んでもらいました。うまく読めたので、それで終わろうと思ったら、ぐずりながら続きを読みだして慌ててしまった訳で。長い文章をまだ読まなければならず、そんな途中で読み直しがあったことが、本人なりに不本意だったよう。本当にちょっとしたことでも、一日の最後のなんとなく疲れている時に、上手くいかないことでスイッチが切れてしまうのかなとも感じられて。これはもう、すっと終わらせた方がいいと思い、音読カードを自分で書きたがるので本人に委ねると、声の大きさ◎、気持ちを込めて読めていたかに○を書いていたので、微笑ましくなって伝えました。「読み直しができたところ、間違えずに読めていたから両方とも◎でいいのよ。正直に書こうとして偉かったね。お母さん、最後まで読むと思わなくて、もう一度読み返させちゃってごめんね。Rも、ぐずってしまったから、こういう時のことなんて言うか知ってる?おあいこ。どっちが悪いとかじゃないの。」そんな話をすると、ポロポロと泣き出してしまって。ぐずった延長上と、ママが◎ではなく○を付けたことを褒めてくれたこと、ちょっとしたことなんだけどボクうまく気持ちが整理できなくて、でも今ママが言っていること分かるからなんだか溢れちゃったんだ。そんな彼の心が真っ直ぐに届きました。ハグをして、頭をなでながら伝えてみる。「この先もいろんなことが待っているよ。お友達と仲良くやっているRは偉いなって思う。それでもね、お友達や先生やこれから出会う人達に、怒りとか悲しみとか自分のマイナスの感情を出すことも大切な時が出てくるの。小さい時のお母さんもね、Rのようだったからよく分かるよ。でも、大人になってようやく分かった。なんで悲しいのか、それを相手に伝えることがどれだけ大切なのか。ゆっくりでいい、そんな練習もしていこ。」そう言うと、泣きながらこっくり頷いてくれました。あなたの味方でいる、それは過保護にするのではなく、本当に苦しい時、振り返った時に受け止めてくれる人がいるかどうか、心の奥底で感じてほしくて、今届けられることを伝えました。3年生になって、岐阜に転校した記事が増えた理由が分かったよ。あの頃の自分が目の前にいたから。人が描いた自分ではなく、ありのままの自分を好きになってほしい、本当に信頼している人の前では泣いちゃいなよ、小さなハートに届いただろうか。毛糸がぐるぐる巻きになってしまったその気持ち分かるよ、息子を抱きしめた時、小学3年生の自分も抱きしめられたようでした。

そんなことを思いながらシェアオフィス近くのコンビニを出ると、偶然会ったのはミルキーのKさん。亡くなられた奥様の病理検査の結果が出るという話は聞いていたので、改めて伺ってみました。すると、遺伝性のものではないことは分かったものの、死因が分からなかったことが結果だったよう。一年待った結果がこれかと彼の無念さが痛い程伝わり、それでも何かを届けたいと思いぐっと顔を上げました。「Kさん、結果が出なかったこと私も悔しいですが、ひとつの区切りなんだと思います。泣きたい時に泣いて、ゆっくり行きましょうよ。」そう言うと、言葉に詰まりながらも言ってくれました。「今どん底だったので、声をかけてもらえて本当に救われました。」自分の心がひび割れそうなほど辛くなるその気持ち、経験してきたから。その時にかけてもらえる言葉がどれだけ温かく沁み込んでくるのか、知っているから。
かあさん、まずは自分の体治すのが先でしょ、そんな言葉を息子からかけられる日は来るのだろうか。