届くのか?といきなり疑問をぶつけている場合ではない。相変わらずバタバタと学校から帰った息子がおやつを食べながら伝えてくれました。「朝ね、ママが400個のおにぎりに囲まれている夢を見たの。その次はチョコが200個だったんだよ!」「チョコは好きだから分かるけど、なんでおにぎりなの?」と聞いてみると、意外な答え。「だって、この前ママがおにぎり食べたいって呟いていたから。」あ~、最近のブームをしっかりキャッチしてくれていたのね。それでも、そこまでおにぎりに囲まれなくてもいいよ~と思いつつ、息子が私の願望を大きく受け止めてくれたことが微笑ましく、以心伝心が嬉しくて。400個もあったからボクどうしようかと思ったよ~という感想付き。ちなみのその数は夢の中で数えたの?!
そんな何でもない日常の中で、ふと息子が探し物を始め、どうしたのか聞いてみると、「パパにドラゴンボールを捨てられた!」と大騒動。本気のお片づけの時にベタベタになっていた1つを夫があっさり捨ててしまい、それを急に思い出したよう。「ボク、7つ集めようと思っていたのに。でも、集めたらどうなるの?」「大きなドラゴンが出てくるんだよ。」「怖いから止めておく~。」願いごとはどこ行った?!
久しぶりに電話をかけてきた父が、申し訳なさそうに伝えてくれました。「今度の土曜日、お母さんとR(息子の名前)を預かることになっていたんだけど、お姉ちゃんの所に行くことになってしまったみたいで、日曜日でもいいか?」父は知っている。姉が急に母と連絡を取り、二人で予定を決めてしまい、私との約束が二の次になることを。優先されるのはいつも姉。もうそんなことには慣れていたのですが、そのことに父が気づいてくれていたことが素直に嬉しかったです。ろくでなし父親ランキングから、もう少し下げることにしよう。「日曜日の野球が終わったら、着替えを持ってそのまま連れてこい。じいちゃんとポケモンやろうって伝えておいて。」私だけでなく、息子をがっかりさせない配慮も父らしい。こうやって部下の信頼を得てきたことは、なんとなく分かる。
岐阜の小学校から愛知の学校に戻り、初めて通知表を見せた時、5段階で2が目立った成績を見て、母はヒステリックに私を怒りました。それを見ていた父が、珍しく母に冷静に伝えてくれました。「親の転勤で犠牲になったのは、子供の方だ。授業の進み具合が違ったりして、まだ慣れるだけで精一杯なんだよ。S、もう行け。」岐阜の小学校にいた時、慣れない支店のことで常にいっぱいいっぱいだった父は、家族を顧みることなく、時に母と険悪になり、一緒に住んでいるのに遠く感じていました。離婚なんて本当に紙一重のところにある、そう感じたことが何度あったことか。その父が、地元に戻り、まだ自分も大変な中でまさか母から守ってくれるとは思っていなかったので、沢山の気持ちがこみ上げて、自室に戻りそっと泣きました。言葉はそこまで優しくない。それでも、父が困った時、私もいつか助けられる人になろう、そんなことを思ったような気がします。たったの一回。それでも、その一回を大切に覚えていることもある。父もまた、私に助けられたという気持ちをどこかで抱いてくれているのかもしれないなと、今回の電話で感じました。
岐阜の小学校で、熱狂的巨人ファンだった男性の担任の先生。週末に授業参観があり、初めて父が見に来てくれました。その話を後日先生に伝えると、全然気づかなかったとびっくりされました。私もびっくりしたと話すと、一緒に微笑んでくれて。来てくれて良かったな、先生の笑い皺がそう伝えてくれていました。父が来た小学校の参観日。小さな心に留めていた希望が届いた日。