沸き上がる歓声

ラグビーのトップリーグが始まる前のオープン戦。プログラマーのMさんを誘い、応援Tシャツを着て行ってきました。当日は、びっくりするぐらいの寒さとまさかの雨。それでも、出かける頃には上がり、曇り空の中いざグラウンドへ。5分前に着いてみると、悪天候にも関わらず、お客さんがいっぱい詰めかけていて驚きました。ラガーマンだったTさん、ラグビー熱は冷めることないと思いますよと心の中で呟きながら、空いている場所へ。オープン戦なので、選手との距離がものすごく近くて驚きました。寒さが吹き飛びそうな試合前からの熱気に、自然と胸が高鳴った午後。

あっという間に試合が始まり、スクラムを組んだ時のボフッという当たりが聞こえ、とてつもない迫力に圧倒。掛け声は英語が飛び交い、体と体がぶつかった時、一人の選手が負傷。耳が切れ出血し、一旦離れ、またグラウンドに戻ってきた時、けがを乗り越えて復帰したTさんのことを思いました。限界を超えてでもグラウンドにいたい、仲間と戦いたい、そして自分を越えたいといつも思っていたような気がして、堪らない気持ちになりました。スタンドオフ、試合を作っていく司令塔。走りながら彼の頭ではいつも全体を見渡し、その時々の最善を選んでいたのだろうと、その一瞬の迷いも許されない中で戦っていたTさんの現役を見てみたかったと改めて思いました。ユニフォームを脱ぐ時、きっと悔しかっただろうな。それでも、一緒に戦った仲間に心からの感謝を伝えていたんだろうなと。そんな彼にはずっとラグビーに携わっていてほしい。それを私が敢えて言わなくてもきっとそうしてくれる、魂を揺るがすラグビーというスポーツを彼にしかできないやり方で、届けていってくれるのだろうと、激しくぶつかり合う選手達を見ながら思いました。Tさん、あなたのユニフォーム姿が、重なりましたよ。そして、あなたのいたチームは素晴らしかったです。私の目の前で決めてくれたワントライ。そこにいた皆で上げた歓声は、人数ではなく、選手を応援する気持ちそのものであり、選手にもらった力をそのまま返した感激のひとときでした。やった~!!と叫んだ時、一人の選手がこちらを見てくれたような気がして。ほんの一瞬。そんな瞬間が人の心を動かすのだと、また頑張ろうと思わせてくれるのだと嬉しくなった帰り道。彼になんて伝えよう。現役復帰してくれませんか。将来監督になってくれませんか。どちらが嬉しい?

その後、仲良くさせて頂いているスタバのコンサート。なんて贅沢なダブルヘッダー。夜の灯りを落とした店内が、異空間のようで。ピアノとサックスとアコスティックギター。立ち見のお客様も出る程の大盛況。よく見ると私服のスタッフさんが沢山いらしていて、仲の良さをこうした形で見せてもらえたことに胸がいっぱいでした。7曲終わった後のアンコール。サックスの男性スタッフさんが伝えてくれました。「お客様に対してこのような形で恩返しができたらと。最後の曲は、皆さんが“ヘイ!”ってまた頑張れるように演奏します。」そして始まったクリスマスソングをアレンジした曲は一番練習したことが分かり、このお店に出会えて良かったと思いました。その時間は、スタッフさんとお客さんという線引きはなかったはず。ただ聴いてもらえたなら、明日への活力にしてもらえたなら。そんな気持ちを優しく受け取った拍手に包まれたアンコールの余韻でした。
そして、ピアノのスタッフさんがこちらに寄って伝えてくれました。「他のスタッフから、今日お越しいただく事を知りました。本当に嬉しくて。」横の連携がとってもすごい。ひとり言まで伝言されていそうな仲の良さに胸がいっぱいでした。別れ際、改めてアンケート用紙を渡すと、「励みになります。」と目を潤ませながら受け取ってくれた彼女。そんな気持ちが音に乗ることを知っている。だから、人は感動し、その気持ちを伝えたいのだと。ありがとうをありがとう。
ラグビーの試合もコンサートも、そしてそれをサポートしているスタッフさん全ての方へも。