平日と週末の空気

図書館とカフェの共通点は、本当に沢山あって、平日と週末の客層が違っていたり、時間の流れ方も違って、どちらも楽しみたくなります。

大学図書館にいた頃、土曜日出勤もあり、なんとなく職員も学生さんもゆったりしている雰囲気で、その中にいられてほのぼのとしました。通勤電車も空いていて、嬉しいのだけど、休みの人が多いのか~と欧米人のご家族を見ながら羨ましくもなっていて。
実際出勤してみると、本当に緩やかに時間が流れるので、全然閉館時間にならなくて、眠たい日は苦戦しました。それでも、学内のテニスコートから、ポーンポーンという音が聞こえてくると、静かだから聞こえる良さもちゃんと用意されていて、そんな時間も味わってみる。

いつも固そうな人事の方が、ふと図書館を訪れ、「人間関係も色々あるよなっ。」って随分ラフに話しかけてきた時は驚きました。どの部署も土曜日は特別な安堵感でもあるのかな。「図書館は、皆仲がいいです。」と笑って答えると、「その雰囲気が館内に広がっているよね。」と。ふらっと来ただけではなく、しっかり感じ取ってくれていたよう。

そして、このサイトに来てくださる方達のアクセスも、さりげなく気にしています。平日のお昼と、夜が大きな山なのですが、週末は皆さんのタイミングで、思い思いの時間を楽しんでくれている流れが、とても嬉しいです。その中でも、多分週末出勤の方もいてくださるのだろうなと。
「休みの日もお疲れさまです。」時々、そんな言葉を投げかけています。帰り道は、美味しいビールが飲めますように。

大学で、教職課程を学んでいた時、土曜日も1限から3限まで講義があり、お昼もしっかり挟んでいました。四国出身で、関西の短大から愛知の大学に編入した、頑張り屋の友達と過ごすランチタイムが好きでした。
学食も、土曜日はやっぱり空いていて。売店で、大きな菓子パンと500㎖の珈琲牛乳を飲むのがなぜか2人の定番になり、頬張りながら色々な話をしてくれました。

お父さんが子供の頃に亡くなり、弟がまだ2人いる中で、教員免許を取る為に、編入したいとお母さんに話したら、すんなり応援してくれたという話。保険などで、金銭的な壁は無かったらしいのですが、短大を出たら実家に戻ってくると思っていた娘が、さらに遠くへ行くことに関して、あっさり受け入れてくれたことに拍子抜けしたよう。
なんでこの大学を選んだの?と私。「関西の大学とここの大学、日本史を学びたくて最後は2択に絞ったの。紙に大学名を書いて、紙飛行機にして飛ばしたら、この大学が遠くに飛んだから決めたんだ。」と淡々と話してくれて、笑ってしまいました。

それなりに大きな決断だよ。そんな楽観的な決め方をする娘なら、どこでもやっていけると思ったんだろうな。“紙飛行機のように、自由に飛ぶんだよ”。お母さんのメッセージがなぜか私の心に届きました。
週末の静かな学食だったからこそ、人生の岐路に立った話を何事もなく話してくれた友達。でも本当はお母さんの心配をしていたこと、気付いていたよ。
一緒に教員を目指した、大切な仲間だから。